声楽のレッスンに行ってきましたが…実はちょっとばかり大変でした。
最近の私は、やれ仕事が忙しいとか、ストレス溜まりまくり~とかグチってましたね。ついに、その手のツケがまわってきたみたいです。
今回のレッスンは妻と一緒だったので、二人でトボトボと道を歩いておりましたら、なんか急に胸が苦しくなってきました。まさか、恋? 今更、妻に惚れ直して、ドキドキ? …なわけはなく、冷静に自己分析をした結果、これは、たぶん、いわゆる“ハートアタック”ですね。だって、胸が苦しくなるのと同時に、頭痛がし始め、気分も悪くなってきましたからね。恋をして気分が悪くなる…は無いもんなあ(笑)。
いやあ、実にひさしぶりの“ハートアタック”です。人生、長く生きていると、色々あるものですねえ~。前回は10年くらい前だったかな? あん時は、心臓がバクバクして倒れてしまいました。不整脈って奴だね。今ならAEDのお世話になるところだけれど、当時はそんなモンはなかったので…“奇跡の生還”って奴でしたよ(笑)。
さて、そういう経験があるためか、今回のハートアタックでは、妙に冷静に対処している自分を、まずは褒めて上げたいです。
胸が痛み始めた時に思ったこと。それは「とにかく、パニックにならない事」「状況を冷静に判断すること」の二点です。
ひとまず、無理はせず、道端に避け、電信柱に軽く寄り掛かりながら、自分の状態を確認してみました。…胸は苦しいけれど、手足のしびれはないし、視界も狭くなっていないし、耳もきちんと聞こえる。胸の苦しみも増してくる様子はない。不整脈のような、変な心臓のドキドキもない。妻はすぐそばにいるし、彼女は電話を持っているから、万が一の時は頼りになるな……等々を瞬時に判断して、脳内を高速サーチてしみた結果、どうやら、これは一過性のごく軽度の心筋梗塞になったようだと判断しました。そして、梗塞しちゃった箇所も、梗塞したままではなく、どうやら開通したらしく、痛みもすぐにピークが過ぎ、どうやら回復に向かっているようだと。
なので、ほんのちょっとだけ、道で休んでいたら、案の定、回復しはじめてきた(よかった、よかった)ので、歩けるようになったところで、再びレッスン会場に向かいました。
いやあ~、これはきっと、ストレスで血液がドロドロになって、プラークちゃんを作って、それがたまたま心臓の血管内で立ち止まっちゃったんだよなあ…。とりあえず、今回は大事に至らなくって良かった。しかし、仕事に殺される前に、仕事の手を抜かないとなあ…。こんな事でぶっ倒れて、よしんば回復したとしても、マヒでも残ったら大変大変。もう音楽で遊べないじゃん。それは勘弁だな。
ま、それはともかく、軽い心筋梗塞とか、脳梗塞程度なら、人間、長く生きていれば、誰にでもあることだから、これは仕方のない事です。ま、それをうまくやり過ごすことも、老人力って奴です。
なんて、ちょっとした事件があったので、レッスン会場についても、軽い痛みやしびれは残っていたので、念のために、いつものような体操やらの準備運動はせずに、大人しく椅子に座って自分の順番を待っていました。
さて、レッスン開始です。
軽く発声をしたところで、先生に「コンコーネとアリアとどっちやる? 声的に両方は無理だから、片方だけにしよう」と言われたので、アリアを選びました。だって、やっぱり、アリアをやんないとダメでしょう。
とりあえず歌ってみましたが、撃沈です。元々、このアリアはまだちゃんと歌えませんが、それにしても、今日はひどすぎる。どれくらいヒドイかと言うと、Asどころか、五線の上端のEsが苦しい(涙)。まるで、本当の初心者に戻ってしまったような感じです。おまけに、一曲歌ったら、頭痛が激しくなってきました。自分で思っているほどには、体調は回復していなかったみたいです。
あんまりヒドイ出来だったので、体調不良の事は、先生に言えませんでした。だって、言い訳っぽく聞こえるじゃない。そういうところは、ええカッコしいの私です。
撃沈に関して、先生の見立ては「腹筋が全く動いていない」だそうです。あと「準備運動が足りない」です。はい、両方とも大正解です。
とりあえず、準備運動として腹筋をやっちゃいました。もちろん、無理のない範囲で。100回くらいやりたかったけれど、たぶん60回くらいで止めました。さすがに体調不良で腹筋やったので、ヘロヘロになりました。ああ、もしかして、私ってマゾ?
なぜ腹筋運動をやったのか? それは腹筋に血液を集めるためです。腹筋というのは、なかなか動いてくれない筋肉なので、過剰と思えるくらいに準備運動をきちんとして血流をよくしておくことは大切なんです。
ヘロヘロになったけれど、十分に準備できたので、アリアに再挑戦です。…さっきよりはちょっとマシに歌えたようですが、やっぱり撃沈(汗)。
今回は、実にダメです。体調が悪いのは事実ですが、よくよく自分のカラダを観察してみると…どうも脱力がうまく出来ていません。悪い意味で“ノドで”歌ってます。その上、かなり無理して声出してます。脱力するべきところが全然脱力できず、力を入れて支えるべきところには力が入らず、ノドを締めつけて歌う…そりゃあ全然ダメですよ。
体調が悪い時は、悪いなりに自分のカラダを観察する事が大切です。その結果、見えてくるものがありますから。
力を抜くところは抜き、支えるところはきちん支えないと、全く声なんか出ないって事が、よ~く分かりましたよ。たまには、ハートもアタックされてみるもんですね(嘘)。
特に五線より上の音は、しっかりお腹で声を支えないと、どうにもなりません。Asはもちろんですが、EsだってFだって同じことです。脱力はしつつも、きちんとお腹で支えないと、本当に声って出ません。もちろん、過剰に力を入れてはいけませんが…。
つい、先日の歌劇団の練習の時は、しっかり歌えたのに…。体調が悪くて、カラダがちゃんと使えないと、こうまで違うとは!
さらに言うと、今回はダメなのは、体調の悪さもありますが、すぐに気が抜けちゃうのもあります。やはり、体調が悪いと、集中力が持続しません。ちょっとしか、頑張れません(涙)。
オペラアリアはなぜ難しいのでしょうか? それは「一瞬足りとも気を抜く箇所がないから」です。なのに、集中力がダメダメなら、歌えるはずはありません。
私の場合、気を抜いた瞬間に、カラダが“休め!状態”になってしまいます。そうなると、声の支え、息の支えがなくなります。それなのに、無理に声を出そうとすると…声が開いてしてしまいます。声が開いてしまっても、更にムリムリに歌おうとすると……ドンドン姿勢が崩れていきます。特に肩が上がったり、アゴが突き出たり、腰がひん曲がったりします。つまり、気道が曲がりくねってしまいます。声帯もユルユルになってしまいます。
気道は真っ直ぐでないとね。声帯にも適度の緊張が必要だね。もちろん、声はきちんとカバードして、カラダのスキマはあっちこっち開いておかないとね。その上で、きちんとポジションを守って歌わないと。
今回のレッスンでは、適切に脱力する事、正しい姿勢を保つ事の大切さを思い知らされました。
さて蛇足です。テノールのアリアはなぜ難しいか? 実はテノールの曲は、音域もさほど広くないし、技巧的にもフレーズ的にも、他の声種のアリアと比べて、それほど難しいモノではありません。実は、テノールのアリアの難しさは、一にも二にも“発声”の難しいにあります。テノールのアリアには(大袈裟でなく)命ギリギリで声を出していかなければいけない箇所が数カ所かあります。その音が出せるかどうかがテノールアリアの醍醐味です。そういう意味では、テノールのアリアは、スポーツ選手の美技にも相当するものでしょう。もちろん、他の声種のアリアも難しいでしょうが、テノールのアリアの難しさは、そういう意味ではかなり質の違うものかもしれません。
あ、そうそう。今の私は元気ですよ。相変わらず口内炎には苦しんでますが、心臓の方はもう、平常運転をしていますので、ご心配ご無用でございます。
コメント
心筋梗塞で父を亡くしていますのでその文字を見るとどきっとします。
大丈夫とのことで一安心ですが、どうかお大事に・・・。
ちなみに父はそれまで心臓を患ったこともなく(実際には患っていたのかもしれませんが)、突然のことでした。
心臓が悪くても治療しながら元気で暮らしていらっしゃる方も多いですよね。
父はたくましくて元気そのものだったので気をつけようという発想もなかったと思います。(肝臓のほうは悪かったのですが。)
心臓に異常を感じたら、激しくお腹から咳をしたら良いそうです。
そういうのをどこかで英語で読みました。
でも、私も試した事がないので、本当かどうかワカリマセン。
最近、母が台湾製の「金髪晶」のブレスレットを送って来てくれたので、
付けてます。
気の所為か、少し体が活発になったような気がします。ヽ(´▽`)/
>Ceciliaさん
ガン、心筋梗塞、脳梗塞…この三つが日本人の死因のトップ3だそうです。つまり、大半の日本人がこの三つのいずれかになって死んでいくというわけです。死ぬのは仕方ないにせよ、できれば、自然死とか老衰などの、枯れていく様な死を迎えたいと希望しますが、実際はなかなか難しいのでしょうね。特に私は肥満体ですから、血管系の病気で逝ってしまうのだろうと予想してます。
梗塞系の病気は、それこそ、ある日いきなり襲いかかってきますから、いわゆるピンピンコロリ系の病気なのですが、老人だけでなく、若年層に襲いかかってくる病気ですから、そこがタチが悪いところです。
とにかく、今回の私は、無事に命を拾って来れましたので、それで良しです。心配してても仕方ないのですが、次のハートアタックは、しばらく無しで願いたいものです(笑)。
>おぷーさん
>心臓に異常を感じたら、激しくお腹から咳をしたら良いそうです。
豆知識をありがとう。しかし、その当座は、そんな余裕があるかな? 結構、精神的にギリギリになるし、何よりも痛かったり辛かったりするので、咳をする余裕が…。
「金髪晶のブレスレット」って、何のことだろうと思ってググりました。いわゆる、パワーストーンのブレスレットですね。パワーストーンかぁ、ちょっぴりうらやましいです。女性はたまに、この手のパワーストーンを身に付ける方がいらっしゃいますよね。私はパワーストーンの類を頭から否定する人間ではありません。むしろ「科学的に証明できなくても、そういう効果がないとは言いきれないよなあ」という、パワーストーン容認派なのですが、一応男性で、アクセサリーを身に付けるという習慣がないので、なかなかパワーストーン装着(笑)ができずにいます。
「飲むパワーストーン」なんてものがあったら、きっと毎日飲みます(爆)。
母の知り合いのどこぞの社長さん(億万長者だそうです。男性です。)は、
両腕にブレスレットを付け、更に台湾に行く度に購入しているそうです。
凝り出すとキリがないですね。┐(´-`)┌
>おぷーさん
>両腕にブレスレットを付け、更に台湾に行く度に購入しているそうです。
うむ、きっとその積極性が、その方を億万長者にしているのでしょうね。見習うのはなかなか難しいですが、爪の垢でも煎じて飲んでもいいかもしれません。
私は、かなり頑固で保守的な人間なので、男性がアクセサリーを身に付けることが、少なくとも自分自身には容認できない人なのですが、時折、もう少しかろやかに生きられれば面白いだろうなあと思う事があります。
そうそう、パワーストーンって、石だけではブランクのCDと一緒で、それに霊能力者によって念を封じ込めて、初めて効果を発揮すると聞いた事があります(ほんと?)。…となると、知り合いに霊能力者のいない私は、パワーストーンに念を入れくれる人を探すところから始めないといけません。おぉ、こりゃあ、ちょいとハードルが上がったかも。
ちゃんと病院行って検査受けてください。行きました?
お子様もいらっしゃるんだし、
それよりなにより、歌手は体が楽器なんですから、ちゃんとメンテナンスをしないとだめですよ?
心臓のほうはお医者様におまかせして、わたしは口内炎のアドヴァイス。
トマトジュースがいいですよ。涙がでるほどしみますけど、体にも口内炎にも効きますよ。
どうぞおためしあれ。
しつこいようですが、体はお大事に。
歌えなくなっちゃつまらないですものね。
>ミルテさん
ご心配くださり、ありがとうございます。病院ですか? 行ってません(笑)。いや、今回の私のケースだと、お医者さんの治療マニュアルでは、おそらく、もう発作も何も収まっているので、とりあえず携帯型の心電計を取り付けられて24時間か、もう少しチェックされるのですが、それで何の異常も出るはずないので「経過観察ですね。日々の生活に気をつけてください」って言われて終わり…だと思いますので、行くだけ時間と費用の浪費かと思いますので、今回は、個人的に“経過観察”をします(爆)。別に医者や病院がが嫌いとかそういうのではなく(むしろ大好き)、なんでもかんでも医者任せと言うか、検査器具まかせにするのが、あまり好きではないタチというだけなんです。検査器具で調べなくても、私の心臓は、ひとまず平常運転していますので、とりあえずOKです。
ただ、心臓とは別件で、喘息が出かかっている(私は喘息持ちです)ので、そっちの用事で近いうちに病院に行って薬を処方してもらうつもりです。
ところで、口内炎にはトマトジュースですか! いやあ、それは知りませんでした。実は私、トマトジュースは大好きで、普段は毎日飲んでいるのですが、今のシーズンだけはトマトをやめてニンジンに切り換えているんです。なぜって? それは花粉症対策なんですよ。と言うのも、トマトはスギ花粉症のトリガーになるという都市伝説があるので、念のため、この時期だけ、トマトを避けて生活しているんです。ゴールデンウィークが終わり、花粉症とさよならをしたら、トマト生活を始めてみます(って、その頃までには口内炎は直っているでしょうが:笑)。
そんなの、中国人は言いませんよ。
おそらく、霊能力者を称する人々が、金儲けをしたくて流布したのでしょう。
醜いですね。
>おぷーさん
商売ねえ…言われてみれば、そんな気もします。磁石は念を入れようが入れなかろうが磁石だもんなあ。パワーストーンも磁石みたいなものって考えると、石そのものの持つ力の作用って言えるし…。
磁石ならマシンで測定して、その力の有無を可視化できるけれど、すべてのパワーがマシンで可視化できるわけじゃないので、そこんところがつけ込まれるやすいのかも。しかし、逆に言うと、パワーのあるパワーストーンとパワーのないパワーストーン(日本語が変?)があるのかもしれない。つまりは、磁力のある磁石と、磁力のない磁石(のフェイク)って感じ。霊能力者うんぬんはともかくとして、パワーストーンは、信頼できるスジから買わないといけないって事は確かだね。
騙されたり、ニセモノをつかまされたりしたら、ちょいと悲しいからね。
パワーストーンには、JISマークとかついてないもんなあ…。
こんばんは!
すとんさんのおかげで、あれから楽しくレッスンをしていただいております。
今日も、レッスンだったのですが、なかなか上達への道は険しそうです。
そして、ヴァイオリンへの憧れも棄てきれず・・・、いやいや、そんな余裕は
私にはないのを十分承知なのですが(笑)
すとんさん、ハートアタックだなんて、カタカナで可愛らしく書かれていて
軽い気持ちで拝見していたのですが、結構深刻ではないですか!?
心筋梗塞って!? 奥さま、AEDにまっしぐらですよ~!
私、過去に断食やファースティングをしたことがあるのですが、なかなか
良いですよ~ デトックス体験も。
無理なさらず、元気でいて下さいね♡
>Y.Mさん
>ハートアタックだなんて、カタカナで可愛らしく書かれていて、軽い気持ちで拝見していたのですが、結構深刻ではないですか!?
…まぁね。ちなみに、ハートアタック(heart attack)と言うのは、物理的なダメージの事で辞書には「MEDICINE damage to heart」と載っているかな? 似た単語で、ハートエイク(heartache)と言うのがあるけれど、こっち心情的なダメージで、辞書だと「emotional pain: a powerful feeling of sorrow, anguish, or regret」って書いてるものが多いです。ま、ここは学生さんも見ているから、正しい知識を載せておきます。
今回の私の場合は、不整脈か、心筋梗塞か、はたまた別の心臓疾病かが瞬時に判断つかず、とっさに脳裏によぎったのが“heart attack!”だったので、ブログのタイトルもそうしただけです。どうも、専門用語は、日本語よりも先に英語の方が思い浮かんでしまうという、ダメ人間な私です(汗)。
>奥さま、AEDにまっしぐらですよ~!
いやいや、不整脈とか心室細動などの鼓動が暴走している場合ならAEDですが、純粋に心筋梗塞で心停止の場合は、AEDの適応範囲外になるので、心肺蘇生術を試みないとダメですよ。つまり、心臓マッサージと人工呼吸ね。問題は、私は心肺蘇生術の心得があるけれど、妻にその心得は…残念ながら無いので、私が倒れたら、救急車任せというのが、ちょいとつらいところです。
>無理なさらず、元気でいて下さいね
ありがとうございます。そうですね、一時の無理で、残りの人生を棒に振るのはイヤですから、無理はしません。それに“棒に振る”はおおげさでも、梗塞系の病気で、入院したり、リハビリしたり、マヒが残ったり…そういう方は、世の中に大勢いらっしゃいます。そういう方には同情しますが、でも私はまだそっちには、いきたくないで、養生しますよ、全力で養生します!
めざせ、リア充!(ちょっと違うか)