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レチタティーヴォって難しいわ

 声楽のレッスンの続きです。
 まずはメンデルスゾーンの「エリア」の3番「Zerreißet eure Herzen/汝らの衣ではなく」からです。
 この曲はレチタティーヴォなので、必ずしも楽譜通りにガチガチに歌う必要はありませんし、プロもそんなふうには歌っていません。ただ、この曲の場合、レチタティーヴォはレチタティーヴォであっても、伴奏がチェンバロではなくオーケストラなので、そこは歌い方に注意が必要です。
 チェンバロは身軽な楽器です。歌手がかなりマイペースに歌っても、その歌に付いていく事ができます。しかしオーケストラは、そんなに身軽じゃありません。そもそもオーケストラって百人前後の人たちの集まりなんだよね。この百人をまとめているのが指揮者なわけで、その指揮者がオーケストラをコントロールできなきゃ、歌手に合わせて伴奏するなんて無理難題なわけです。つまり、歌手的には、指揮者がオーケストラをコントロールできるように…きちんと指揮をしてオーケストラをリードできるように歌わないといけません。
 楽譜から離れて自由に歌いつつも、指揮者が指揮をしやすいように気を使いながら歌う…つまり、全体としては楽譜から離れていても、部分部分は楽譜通りに歌っていくというワザが歌手に求められるわけです。だって、楽譜通りに歌わないと指揮ができないからね。でも、楽譜通りにレチタティーヴォが歌えるわけがないし…。
 で、レコ勉をしました。プロの人たちは、この曲をどう歌っているか? 彼らはフレーズを短い塊にわけ、その塊ごとに極端にテンポを崩して歌っています。で、その崩し方に一貫性はなく、歌手それぞれで崩すテンポが大きく違います。ううむ、なるほど、こういうやり方があるんだね。それにしても、極端にテンポを変えていくようです。
 レチタティーヴォって難しいわ。
 さて次は、メンデルスゾーンの「エリア」の4番「So ihr mich von ganzem Herzen suchet/心をつくして求めれば」です。
 曲の出だしの“So”はしっかりと“S”を発声しないといけません。ちなみにドイツ語の“S”は英語と違って有声摩擦音なので、音程もあります。
 で、その“So”から“ihr”に跳躍するのですが、その時の跳躍の仕方に注意が必要です。
 イタリア系の曲ならば、低い音から高い音へ飛ぶ時は、素直に前にピョンと飛びつくような感じの跳躍で良いのですが、ドイツ系の曲の時は、一歩後ろに下がって身をかがめてから上に飛び上がるような感じの跳躍が良いみたいです。ううむ、難しいです。別に音程が正しけりゃいいじゃん…的は発想をしてしまいがちですが、その飛び方で歌の味が変わったり、作曲家の意図と違ったものになってしまうなら、それはダメなわけで、私個人はイタリアだからとかドイツだからとかか考えるよりも、その曲では何が求められているのか、この作曲家は何を求めていたのかを考えて、なるべく求められているものに答えていきたいと思うわけです。
 それにしても難しいです。
 で、それは跳躍だけの話ではなく、声の音色…つまり声色に関しても言えるわけで、どんな声色で歌うべきかを考えないといけません。
 まあ、イタリア系の曲なら、そんな細かい事を考えずに、声をひけらかして、ぶっ飛ばして歌えばいいだけの話なのに、ドイツ系の曲は、ここは暗い音色の声で歌い、ここは陽気な声で歌い、ここは脳天気な声で歌わない…ってな感じで、一曲の中でも声色はコロコロと変えて歌わないと、歌の味が出てこないわけで、同じ歌でもイタリア系とドイツ系はだいぶ違うと思いました。
 私の気性的にはイタリア系の方が合っているような気がするんだよね(グチグチグチ…)。

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