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ダメ出し上等!

 いつの頃からか、私は「指定のない限り、長い音符は常にクレシェンド」で歌うという癖が付きました。

 たぶんこれは、以前声楽を習っていた時に「勝手に歌うのを止めないで」とか「音符はきちんと指定された長さで歌いなさい」とか「声がドンドン小さくなる~」とか、そんな注意を何度も何度も嫌になるくらい受けた結果の自衛策として、自然と身に備わった悪い習慣(つまり悪癖)だろうと思います。

 普通なら減衰するはずの長い音が、聞いていてドンドン強くなるってのは、なんかいいでしょ。あれあれあれ~、って感じが私好きなんです。この人、どこまで息が続くの~って思われるがカッコいいでしょ。

 キング先生のレッスンでは、曲の仕上げになると、[グループレッスンなので]一人ずつ教室の前に出てミニミニコンサートをやります。そこで一人ずつ歌を披露するのですが、前回のミニミニコンサート(「Santa Lucia」の時です。もう1カ月以上前の話になります)の時にレッスン仲間のキレイどころの方々に「それ、変だよ」って言われました。

 変なんだ…カッコいいわけじゃなく、変なんだ、ううむ…むぅ。

 自分の変な癖に気づいたら(or気づかされたら)すぐに改める。これ肝心。確かに、長い音符を指定もないのに、明らかなクレシェンドで歌ったら不自然だし(今なら分かるけど)それって外山浩爾さんが言ってた「途中から声を押しちゃダメ」に通じるモノがあるね。

 歌の練習って、自分じゃ客観的に聞いて評価できないところがあります。自分じゃ「良し」と思ってやっていたことが、実は「最大の欠陥」だったりすることだって、往々にあるわけで、そこが歌の怖いところだと常々思っていますし、独学者の陥る最大の罠だと思います。そんなわけで、先生が必要なのだけれど、先生以外の人の目も案外重要だなあって思います。

 そう言えば、歌の上達って、自分のダメなところに気づき、改め、削ぎ落とし、捨て去ることなのだと、キング先生がおっしゃっていました。

 何か良いものをプラスするのではなく、何か悪いところをマイナスにするのが、歌の練習で、悪いところがなくなると、そこに本来の自分が残る。それが声の完成なんだそうな。

 ダメ出し上等! これくらいの気持ちでレッスンに臨んでいこう!

 まだまだたくさんマイナスにするところが有りそうな私でした。

コメント

  1. Cecilia より:

    リコーダーでもそうなのですが、途中から声を押すことでピッチが変わることが多かった私です。

    >歌の上達って、自分のダメなところに気づき、改め、削ぎ落とし、捨て去ること

    この前の講座で実感しました。
    更に他の人の弱点もはたで聴いていると、勉強になることが多く、自分ができていないことを人前でさらすのは恥ずかしい・・・と言う思いはありましたが、それも人のためになっているかも・・・と思うと、欠点をさらすのも楽しくなってきました。
    グループレッスンもいいですね~。

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん

    >リコーダーでもそうなのですが、途中から声を押すことでピッチが変わることが多かった私です。

    ヒント、ありがとうございます。実はウチの息子君はリコーダーが苦手でして、何度吹いても、ピッチが安定せず、音痴なリコーダーを吹いてます。この前もあんまりピッチが安定しないので、泣きを入れながら練習してましたっけ。そう言えばアイツ、そーっと音を探りながらフリーダーを吹くんですよね。音程が安定しないので、恐る恐る吹いているんだけれど、それが逆効果だったわけだ。

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