町中で、たまにこのような掲示を見かけることがあります。
関係者以外の立ち入りはご遠慮ください
この場所での撮影行為はお控えください
これらの掲示の意味は「ここから先には入っちゃダメだよ」とか「ここで撮影をしないでください」って意味なんだよね。
でも、これっていわゆる婉曲表現だから、外国人には難しいだろうなあ…、インバウンドが増えてきた今の時代に合わないだろうなあ…って、思っていました。
まさにその通りで、これらの掲示は外国人には難しいようです。いや、それどころか、最近の若い日本人にも難しいようでした。
「関係者以外の立ち入りはご遠慮ください」は、できれば入らないでくれたら有り難いけれど、絶対ダメってわけじゃないから、この先の用事があるならば入ってもいい…と考えてしまう若い日本人が少なからずいるんだそうです。
彼らの言い分としては、もしも本当に立入禁止ならば、入れないようにバリケードが設置され、この先に入る人のために受付が用意されるだろうし、受付済みの人がもらえる入場パスぐらい発行されているはずだから、そういうモノが全くなくて、素通し状態で「ご遠慮」って書かれている程度なら、用事があれば入ってもいいって事でしょ?って考えるのだそうです。
また「撮影はご遠慮ください」って書いてあったら、たくさん撮るのはダメだけれど、インスタに上げる1、2枚だけなら、全然OK…って解釈するんだそうです。だって、いっぱい撮影したいのを、少しだけ撮影するって我慢して遠慮しているんだから、問題ないよねって考えてしまうんだそうです。
生粋の日本人にすら、婉曲表現は通じないのが、令和の現在社会のようです。
ちなみに「ご遠慮ください」だけじゃなく「お控えください」も、同様に禁止の婉曲表現だけれど、これも若い人には全然通用しないんだそうです。いやむしろ「ご遠慮ください」=「少しならやってOK」と解釈する人が一定数いるのです。
「だから、若いものは…」とグチをこぼしたくなりますが、実はこの話って、別に若者に限った話ではなさそうです。意外にも、ジジイババアにも大勢いるそうです。
つまり、若い人たちがSNS等で目立つだけであって、実は老若男女関わらず、婉曲表現が理解できない人が一定数いるという事なんだそうです。外国人はもちろん、生粋の日本人にも婉曲表現が通じづらい時代なのです。
情けない。
また婉曲表現とは違うけれど、近年では「すぐに立ち去れ!」という意味で「大丈夫です」という言葉を使う人が増えているだそうです。私も知らない人に「大丈夫です」と言われたことがあるけれど、その時は、一体、何が大丈夫なのか、頭の中に「???」が飛び回りました。知り合いだったら、小一時間ぐらい問い詰めたい気分になりましたよ。
まあ、日本語って難しい言語である事は事実ではあります。
「お子さん、元気でよろしおすなあ」は「あんたの子、うるさいから静かにさせてほしいです」という意味の京都弁だけれど、これは共通語話者には分かりづらいわけです。婉曲表現が通用しなくなった現代では、今やこれと同様な事が全国規模で起こっていると考えるべきなのでしょうね。
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