風邪をひいている時、特にノドをやられている時は、原則的に歌うべきではありません。大切なのは養生です。
とは言え、調子が悪い時でも歌わないといけない時が(もしかすると)やってくるかもしれないので、調子が悪い時は悪い時なりに発声をして歌えるようにする事…というのが、Y先生の指導方針なので、よほどの事が無い限りは、多少体調が悪くてもレッスンに行き、体調が悪い時なりの対処法(ってか発声法)を学んでいます。
実際問題、声帯が腫れてしまっている時は歌うべきではありませんが、声帯以外の場所が腫れていても、声帯が健康なら、若干の歌いづらさはあっても、歌えないわけではありません。また、仮に声帯自体が腫れていたとしても、多少の腫れなら、気にせずに歌うべきだという意見も無いわけではありません。
と言うのも、歌う人の声帯って、実は常にオーバーワークだったりするので、健康な時でも、若干は腫れているものなのです。だから、多少の声帯の腫れは異常のうちに入らない…というのも、Y先生の持論です(私もそう思ってます)。
とは言え、声帯が本当に腫れている時は、本当に歌うべきではありません。
では、声帯が本当に腫れている時って、どんな状況なのでしょうか?
まず「声が出ません」あるいは「声が出ても、小音量でしか出せない」とか「1オクターブぐらい低い声しか出ない」です。あ、それ以前に「ノドが痛い」という大前提があったか(笑)。
そんな時は、さすがに養生です。安静です。お休みです。
そんな状態でも、カラダを使えば、声自体は出ない事はありませんが、その状態で過度に歌い続けると、声が壊れます。いわゆる“ハスキー・ヴォイス”になってしまいます。ポピュラー系の歌手さんならともかく、クラシック系の人にとって、歪んだ声というのは禁忌ですから、それは絶対に避けましょう。
あと、別に風邪をひいていなくても、能力以上の大声を出していると、やっぱり声は壊れてしまいます。ネットを見ていると、大きな声を出すと声が歪んでしまうと悩んでいる方を時折見かけますが、それは過度に大きな声を出しているわけで、声が歪まない程度の音量までで歌うべきです。声が歪むのは、声帯に負担をかけ過ぎて変形しているから歪むわけで、それを何度も繰り返していると、やっぱりハスキーな声になってしまいます。
風邪をひいていても、声帯が健康であれば、歌えますが、声帯はともかく、その周辺が腫れている事が多いので、しっかりといつも以上に脱力をこころがけて、しっかりと腹筋で発声するようにこころがけるのが肝だろうと、私自身に言い聞かせています。
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