よく耳にするんですよ、「赤ちゃんの泣き声が理想の歌声なんですよ」って言葉を。
これを保育関係者とかが言うなら「“赤ちゃんかわいいフィルター”がかかっているんだろうなあ…」と微笑ましく聞けますが、音楽関係者、とりわけ声楽関係者が言っていると「あなたの耳は大丈夫ですか」と思うのです。
赤ちゃんの泣き声だって、色々あるでしょ? 彼らにとっては、泣くのはコミュニケーションの一部ですからね。お上品に静かに泣く時もあれば、必死に、それこそギャン泣きをすることもあるわけで、赤ちゃんの泣き声の中には、理想的な発声で泣くこともあるだろうけれど、たいていの場合は、そうでも無いと私は思います。
と言うのも、言葉としては“泣く”と言うけれど、赤ちゃんの泣きって、実は“叫び”に近いものもかなりあると思うのです。いや、私の耳には、赤ちゃんの泣き声って“理想の歌声”というよりも“理想のシャウト”に聞こえたりするんですよ。
シャウトと(クラシカルな)歌声は、全然違うでしょ。
なので、元気よく泣いている赤ちゃんを見ると「この子は将来、素晴らしいロックシンガーになるかもなあ…」とは思っても「この子は将来、世界的なオペラ歌手になるんじゃないの?」とは絶対に思わない(笑)のです。
それとも、私の耳が腐っているかな?
↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村
コメント