鼻声と鼻腔共鳴の違いって、声楽初心者とか、ネットでだけで歌を学んでいる人には分かりづらいと思います。でも、鼻声と鼻腔共鳴した声は違います。全然、違います。
デフォルトで鼻声の人には申し訳ないのですが、鼻声で歌を歌ってはいけません。聞いていて不快です。デフォルトで鼻声の人は、すぐにでも医者に行って治療を受けてください。
実は私、声楽を学び始めた若い時は、デフォルトで鼻声でした。私は今でもアレルギー体質なのですが、若い時はそのせいもあって、慢性鼻炎ってヤツを患っていました。ですから、いつでも鼻の中が腫れていて、常に片方の鼻は詰まっているという状態でした。さすがに両方の鼻が同時に詰まるという事はありませんでしたが、常に片方の鼻が詰まっていたので、そのせいも多少はあったのでしょう、話し声にせよ歌声にせよ、鼻声チックな声になっていました。
慢性鼻炎に関しては、医者に通って、アレルギー系の治療をして、ひとまず治りました。おかげさまで、今は鼻声とは無縁となりました。なので、医療の支援が必要な人は、きちんと治療を受けた方がよいですよ。
そんなわけで、鼻声で歌うのはいけませんが、鼻腔共鳴は大いに使って歌わないといけません。いやむしろ、鼻腔共鳴の要素の無い声は美しくないです。実際、美しい声の代名詞として言われる高い響きの声とは、鼻腔でよく響いている声だからです。
と、文字だけで書いても、鼻声と鼻腔共鳴のある声との違いは分かりづらいでしょうね。
とは言え、鼻声かどうかについては、第三者的に聞けば、感覚的にピンとくるわけで、とても分かり易いのですが…本人的には自分の声が鼻声なのかどうかって、案外分かりづらいかもしれません。
自分の声が鼻声かそうではないかを知る簡単な方法は…歌っている時に鼻をつまむと良いです。鼻声の人だと、それだけで声が出なくなりますから、鼻をつまんで声で出なくなったら、鼻声だった事の証明になります。
鼻をつまんでも。何も変わらなかったら、それは鼻腔共鳴を使わずに歌っているだけの話です。鼻をつまむと、声色がくすむ方向で変わるけれど、声は十分に出ているのなら、その人は鼻腔共鳴が使えている事になります。
後の問題は、どれだけ美しい鼻腔共鳴を使えているかだけですが、こればかりは当人には全然分かりません。第三者に尋ねてみるか、録音をして確かめるしか方法はありません。そこは楽器の音づくりにも通じる地道な作業と訓練が必要とされます。
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