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歌手は声だよ、テノールは美声でなきゃ

 先日、レバノン系アメリカ人テノールのカリム・スレイマンの「Where only stars can hear us」というアルバムを買いました。CDタイトルからは分かりづらいでしょうが、シューベルトの歌曲集です。

 これを聴いて、うちのめされました。いやあ、声が美しすぎるのよ。まさに“ザ・美声”です。

 高音をピヤっと出す歌手を聞くと(私は高音なんて全然出ませんが)「なにくそ、負けるもんか!」と生意気な事を考えますが、こういう美声歌手の歌声を聴くと、単純に凹みます。なんか、歌うのがイヤになります。「もう、歌なんて辞めちゃおうかな」と思ってしまいます。

 だって、美声だと、何を歌っても名曲に聞こえるんだよ。ズルいよね。

 どんな高音でも、どんなに難しいフレーズだって、努力しつづければ、自分でも何とかなるかもしれない…という夢を見ることができますが、美声はダメ、無理です。私がどんなに努力しても、美声になれないもの。

 どんな努力をしても、私は女声になれないように、どんな努力をしても美声にはなれません。

 普段は、自分が美声ではない事は忘れて、前向きに歌っていますが、スレイマンのような美声を聴いちゃうと、ほんと落ち込みます。

 これって、普段は自分がハゲな事を忘れて生きているのに、床屋に行くと、ハゲ頭であるという現実をつきつけられるのと、心理的には同じなんだなあと思いました。

 ハゲと濁声は、ふと気づくと、心が折られます。

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