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世の中には不思議な商売があるものです

 でしょ? ほんと、世の中には不思議な商売がありますよね。皆さんも思い当たるものが1つや2つあるでしょ?

 最近、私が気づいた不思議な商売に“大学生向けの塾”があります。

 大学生と塾…と聞けば、普通は“大学生がバイトで塾の先生をやる”ってのがイメージされますが、今回の“大学生向けの塾”と言うのは、大学生が生徒であって、その大学生が大学の授業が理解できないために、塾に通って大学の勉強を教えてもらう…というものなのです。つまり、大学生向けの補習塾なのですよ。

 不思議でしょ? 話についてこられますか?

 そもそも大学の授業が理解できない大学生って、いるんですか? その大学で学ぶために入試を突破しているんじゃないの? 入試を突破して入学できたという事は、その大学で学ぶに足りるだけの学力があると大学が認めたから入学できたわけでしょ? それなのに塾通い? 大学生なのに塾通い?

 やっぱり、理解できない…。

 でも、あるんですよ、大学生向けの塾って…。

 どうやら調べてみると、建前としては、大学で勉強するために必要な科目を高校時代に習ってこなかった学生のための塾…らしいです。高校時代に必要な科目を学べないまま大学生になってしまったので、その不足を塾で学び直す…というわけです。

 まあ、実際問題として、今の高校は選択科目ばかりで、科目の選択次第では、高卒であっても学力的には中卒に毛が生えた程度の生徒も大勢いるし、日本の教育制度…と言うか、国の政策としても、それはそれで良しと考えているようです。

 今の高校は、高学力の生徒が集まる学校では、生徒たちにしっかりと勉強させて、エリートを輩出し、低学力の生徒しか集まらない学校では、勉強なんてほどほどで、お茶を濁した感じで高卒の資格だけを与える…ようなシステムになっています。

 まあ、そうでなきゃ、高校進学率が97%超えにはなりませんね。

 今の時代、どんなおバカちゃんでも高校に行けちゃうわけで、でもそんなおバカちゃんに高校レベルの勉強なんて理解できるわけないわけで(高校の学習内容って、きちんと学ぶと、かなり高度で難しい内容を取り扱ってますよ)、でもそんなおバカちゃんでも高校に入学して卒業させるために、勉強をしなくても卒業できるというトリックを、国自らが仕掛けてあって、それが選択科目なわけです。

 だから、高卒であっても、大学で学ぶために必要な学力を得られなかった生徒が多数いる…という事は理解できます。

 でも、そんなおバカちゃんは、当然、大学には希望しても入れないでしょ?

 だって、そんなおバカちゃんを弾くために、大学は入試という選別を受験生たちに課していて、その大学での学びに必要な学力に不足している生徒の入学は許していないわけです。

 だから、大学の中には、その大学の学びのレベルにふさわしい学力を有した学生だけがいるわけで、エリート大学にはエリートな学生がいるわけだし、普通の大学には普通程度の学力の学生がいて、Fランク大学と呼ばれる大学には、学力的に残念な学生が集まっているわけです。そしてFランク大学とか、それに近いレベルの大学の授業と言うのは、かなりレベルが低くて「これが大学の授業なの?」と思うような、基本的な内容を取り扱っていたりするわけだし、分野によっては、中学高校の学習内容の復習みたいな事を取り扱っている大学もあるわけです。でもそれは、その大学の学生のレベルに合わせれば、そうならざるをえないわけだし、教育機関としての大学としては、そうせざるをえないわけです。

 つまり、大学ってのは、そのレベルに見合った学生たちが集まり、そこで行われる授業も、そのレベルに見合った授業が行われているわけなのです。

 でもね、そんな基礎的内容を取り扱っている大学って、大学としてどうなの? と思わないでもないですが、それでも大学って、大学内で学力的には自己完結しているから教育機関として成り立っているわけなのです。

 なのに、塾よ! そこまで手厚い授業を大学側が用意しているのにも関わらず、授業に追いつけなくて塾に通う大学生って…どうなの? って私は思うわけです。

 そんな学生さんに対しては、それだけ低学力なのだから、まずは初等教育中等教育をやり直すべきであって、今のあなたには、そもそも高等教育を受ける権利なんて無いぞと言いたいです。

 塾通いを容認している大学に対しては、自分たちが学力試験で選別して選んだ学生の学習補填すらできないのならば、教育機関なんて辞めちまえ!と言いたいです。

 うううう…がるがるがる…。

 こういう不健全な状態(私はそう思ってます)が成立している原因は…大学の数が多すぎるからだろうと思います。かつて、若年層の人口が多かった時代には、大学もたくさん必要だったと思うのだけれど、少子化の時代となった現在、子どもたちの数に対する大学の数が多すぎて、大学としては経営のために、必要な学力が不足している事を認識しつつも、低学力の学生を合格させざるを得ないわけで、そんな矛盾の歪から、大学生向けの補習塾という不思議な商売が生まれてしまったと思うのです。

 要は、学力の低い大学を潰してしまえばいいだけの話なんだけれど、そうは簡単にはいかないんだろうなあ…。

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コメント

  1. 如月青 より:

    〉大学生向けの塾
    めでたし!
    というのは「教える」ほうの立場でです。
    すとん様にも覚えがあると思うのですが、受験産業でのバイトって貧乏院生の命綱だったりする。
    少子化と不景気で塾の先生や家庭教師の口は減るし、時給は低下するし、で困っている学生には朗報では?

    小中学生だと勉強以前にガキを手なずけるテクがいるし、やる気のない子供と親の幻想の板挟みが苦痛だけど、高大生なら、お勉強のできはともかく、そのあたりはクリアできているので、接するのはすごく楽だし。

    ところで、私は今単に好奇心で高校数学のやり直しをしてますが、応用問題はともかく、基本公式を理解するレベルなら、Webでも図書館の蔵書でもいい資料がたくさんあります。

    近所の図書館で見つけましたが「文系のためのめっちゃやさしい」シリーズはお勧めです。

    話題が学生向きにズレてしまってすみません😓… 

  2. すとん より:

    如月青さん

     うむ、その視点は無かったです。確かに、貧乏院生にとってはありがたい話かもしれません。同時に、数年以上も前から、少子高齢化の影響で、塾業界は不景気で、潰れる予備校や塾は数え切れず、失業された講師も大勢います。そういう人たちの受け皿にもなっているのかもしれません。

    >私は今単に好奇心で高校数学のやり直しをしてますが、

     これ、私も興味深いです。私は、隠居したら高校数学の勉強をしようと思ってます。教材としては、旺文社の「高校数学解法事典」がありますので、これを最初からチマチマ解くつもりでいるのですが…いつになったら完全隠居できるのやら? 定年退職しても、現役生活に近いくらいは働かないと生活できないので、まだまだ数学の勉強はできない私です。

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