ソロの発表会は三日目の夜で、その日の宴会は(まだ四日目を残しているものの)最後の宴会&反省会ということで、それぞれ今までの合宿の思い出と反省を語り、先生からのプレゼントをいただきました。
自分の反省を言った順に、用意されたプレゼントを選んで持っていくというやり方でした。私は、自分の反省(ステージには魔物が棲んでいるって話)をして、クリーニングクロスをいただきました。ムラマツ製の高級クリーニングクロスです。今まではアルタスからいただいたメガネクリーナーを使っていたのだけれど、これもだいぶ汚れてきたので、ちょうど良いので、交換する事にしました。
そのうち、フルートスワブもグレードアップしたようだから、交換しようっと。
さて、今回はフルートアンサンブルの話をします。
フルートアンサンブル。実は誰がメンバーなのかは、合宿当日までは知らされませんでした。それも合宿初日はまだ知らされず、合宿二日目の昼食の時にメンバーの発表がありました。つまり、アンサンブルの練習は、二日目の午後から始まり、四日目の午前中の発表会に備えなきゃいけなかったのでした。
事前に与えられたのは、自分のパート譜だけ。ですから、腹をくくって、合宿に行ってから練習をするか、楽譜はアリアリのものだろうから、どこかで音源を見つけて、それで練習をするか…の二つに一つぐらいしかないだろうと思ったのです。
で、私の取った道は…音源を探して、それで練習をするって方法です。もちろん、全く同じ楽譜を使ったものがあるとは期待していませんので、細かなアレンジの違いは無視して、せめて調性と小節数が同じモノがあれば、それで我慢しようと思いました。
で、あれこれYouTubeの音源を漁って見つけたのが、この演奏でした。
この演奏、実はフルート8重奏で、おそらく我々と同じ譜面を使いながらも、1パートを二人で吹いて、パートごとの音を補強しているのではないかと思いました。なので、この演奏をMP3にダウンロードして、iPodに入れました。で、ひたすら、この音源に合わせて、自己練習に励みました。
だって、ほら。アンサンブルって、まず自分のパートを完璧に吹けなきゃダメでしょ? で、自分のパートだけが完璧に吹けても、他の人たちと合わせられなきゃダメでしょ? それには自分のペースだけで演奏できてもダメで、他の人達と合わせられなきゃダメでしょ?
ってなわけで、散々、この音源に合わせて練習をしました。もちろん、合宿が始まってからも、iPodを持ち込んで、この音源に合わせて練習をしました。
そうやって、自分のパートは、ほぼ完璧。音源に合わせてもOK。後は、生きている人間と合わせれば、なんとかなる…ってところまで仕上げておきました。
で、ようやく、アンサンブルメンバーの発表です。
1stを演奏するのはFJさん。マダムな方で、9Kのフルートの方です。ソロの演奏を聞く限りでは、なかなかフルート上手の方のようですが、どうやらアンサンブルの方は練習不足のようでした。おそらく、事前に音源等に合わせて練習するか、合宿に行ってから練習するかの選択で、後者を選んでしまったようでした。まあ、私も適当な音源が見つけられなかったら、そうなっていたかもしれないので、FJさんの事は責められません。
とは言え、指揮者のいない状況で、担当しているのが1stなんだし、はっきり言っちゃえばメロディ担当なんだから、他人の様子などうかがわずに、我が道を真っ直ぐに進んでくれれば、後は我々がそこについていくだけなんだよね。でも、どこか遠慮があるのか、すぐに我々の様子を見てしまうし、演奏も割と止めがち…。つまりは自信がないってわけです。練習不足で自信がなければ弱気になるのは当たり前っちゃあ、当たり前なんだけれど…。ああ、カラ元気でもハッタリでも良いので、一発カマしてくれればいいのになあ…と何度も思ってしまいました(でもクチには出さなかったよ)。
ま、私だって同じ立場に置かれたら同じような事をしでかしていただろうから、FJさんの事ばかりを責めるわけにはいきません(汗)。
2ndを吹いたのはSWさん。この方もマダムで9Kの人です。この人は、とっても良い人です。周りにちゃんと気を配ってあげられる人で、それゆえに2ndを任されたのかなって思いました。フルートに関しては、とても熱心な方で、黙々と練習をしていくタイプの人です。ただし、指は私と同じで、あまり回らないタイプです。あと、ちょっとやっかいな持病を持っているので、その対策をしながらの合宿参加で、そういう面で大変な思いをされていました。私と一番気の合った方です。
4thのIAさんはハイアマチュアの人で、このグループのリーダ兼コーチって感じの人です。とにかく、どのパートも初見でほぼ完璧に吹ける人です。この人がいるから、このグループがなんとかまとまっている…って感じです。実際、H先生がトラとして、あっちこっちの団体に派遣しているくらいの腕前の持ち主なのです。そりゃあ頼りになるわな。で、先生から総譜を預かっていた人で、アンサンブル全体の音楽作りの責を負ってました。
この3人に私を加えた4人でアンサンブルをしました。
実際の練習は、なかなか大変でした。しかし、最初の顔合わせの時に、たまたまH先生がいてくださったので、指導をお願いしました。アンサンブルの最初の最初の部分をH先生の指導で積み上げる事が出来たのはラッキーでした。最初が我々だけだと、案外、空中分裂していたかも…。とにかく、指揮者がいて、その元でのアンサンブルって、ほんと、楽なんです。
だから、2回目以降の練習では、当然指揮者不在で、互いの音を聞きながら合わせていくのだけれど、これが結構ムズカシイ。と言うのも、誰かの音を聞きながら演奏していても、その誰かが落ちちゃえば合わせられないでしょ? こんなエラそうに書いている私も、案外、ボロボロ落ちてました。低音のドなんて、簡単に出ないよ(笑)。で、誰かが落ちると、それを頼りにしていた別の人が落ちて、その連鎖反応で音楽が止まりそうなってしまうわけです。でも、音楽は止めちゃいけないわけだから、何とかみんなして繋いでいっても…肝心のメロディが止まっちゃうと…音楽は止まらざるをえないわけで、それの繰り返しが何度もありました。
他人の事など無視して、自分さえきちんとテンポをキープして演奏しつづければいいじゃん…と思っても、実際は他の人とのフレーズのやり取りとかあるわけで、そのフレーズを受け取らないと次に進めなかったりもするし、曲中、何度もテンポが揺れたり、小さなブレイクがあったりするのだけれど、その時のきっかけを吹く人が止まっちゃうと、やっぱり音楽は止まっちゃうわけで…、いやあ、アンサンブルって、ある意味、ソロよりもムズカシイんだわ。
それでもやがて練習を重ねていくと、ここは○さんは落ちやすいけれど、△さんは確実だから、△さんの演奏に合わせ、ここのテンポが緩むところは、◇さんのテンポに合わせて…とコツと言うか、このグループの癖のようなモノが分かってきて、だんだん音楽が止まらなくなっていきました。
で、どうやら止まらずに最後まで通せるようになったあたりで…発表会がやってくるわけです。実に図ったように良いタイミングでやってくるわけです。
アンサンブルの発表会は、最終日の午前中です。全部で7グループのうち、我々の出番は5番目でした。で、演奏はこんな感じとなりました。アンダーソン作曲の「ワルツィング・キャット」です。
ほらほらそこの人! 最初にアップした音源と比べちゃダメですよ~。
ちなみに私は3rdなので、音源を聞いても、どこを私が吹いているかなんて、きっと分からないと思います。それくらい地味なパートを地味に演奏しております。で、そんな地味なパートを、地味に落ちたりミスったりしています。ああ、本当に本番に弱いなあ…。練習では割りと完璧に近い形で演奏できたのになあ…。ああ、残念。
という訳で、2017年度のフルート合宿は終了です。今回が40回目の記念の合宿で、先生はこれを機会に、フルートの指導から引退して、合宿も辞めちゃおうって話をしていましたが、どうやら引退撤回、来年も野尻湖で合宿をする…みたいです。いやあ、ひとまず良かった良かった。まあ、私自身、来年参加できるかは、全然未定なんだけれどね。
それにしても、先生が引退すると聞いた時、私は「じゃあ私もフルートを引退します!」って引退宣言をしました。だってね、H先生の後、別の先生に付いたとしても、どうしたってH先生と比べちゃうじゃないですか? それは新しい先生に失礼だし、自分自身も残念だし…。そうなると、H先生の後は、自学自習に励むしかなくなるけれど、そんな事をしても続くわけないし…そうなると、自然とフルート引退って事になるわけです。
ひとまず、今年のフルート引退は(私も先生も)ないようなので、安心しました。
ってなわけで、明日からは通常運転に戻りますよ。よろしくね。
蛇足 今回はスーツケースを宅配便で送るのを止めて、エッチラオッチラ自分で転がして行ったのですが…それのせいもあるのかな? 結局、スーツケースを壊してしまいました。車輪が一つ破損、さらにハンドルがグラグラになってしまいました。なんだかんだ言って、10年くらい使っていたものなあ…。で、このスーツケース、少し小型で使い勝手が良いので、廃棄せずに修理をすることになりました。修理代金は…新規購入ぐらいかかります(何やってんだか!)。でも、修理完了まで時間がかかり、とても発表会までに間に合わないし、少々容量的な不安もあるので、もうひと回り大きいスーツケースも買うことにしました。今度は簡単に壊れないように…って事で、ブランド物を購入したので、結構かかってしまいました。ううむ、お金のことだけを考えるなら、自分でスーツケースを転がしていくよりも、やっぱり宅配便をお願いしたほうが安価だったな。
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コメント
とってもかわいい曲ですね、知っていたのですが、通しては聴いたことがなかったのです。
緊張もあったかと思いますが、熱意が伝わる、いい演奏だと思いました。
ついでにググって見ましたら、四重奏がありました。
すとんさんはビオラ相当の部分を演奏したということだと思いますが、なかなか要ではないでしょうか。
ワルツのリズムが壊れると何の曲かわからなくなってしまいますので、すとんさんはそういうパートを与えられる演奏家だと評価されているのでしょうね。
すとんさんは声楽とフルートとに長く関わられ、先生との交流の記事を読むたびにうらやましいなと思っています。
これからも研鑽を積まれていかれるとのこと、楽しみに読ませていただきます。
ともさん
私が担当したパートの役割は、リズムの刻みもそうですが、和音の穴埋めがメインかな? 主に和声の第3音が担当です。つまり、長調と短調を区別する、地味だけれど大切な音です。大切なんだけれど、やっぱり地味で、結論言っちゃうと、無くても平気(第1音と第5音だけだと、長調短調の区別が無くなって、パワーコードになるだけです)だけど、大味な和音になってしまうので、そういうデリケートな味の部分を担当していたんだと思うことにしています。
まあ、本当に不要な音なんて、楽譜には書かれていないので、どんなパートであれ、真剣に演奏するのが吉なのですかね(ふふ)。