スポンサーリンク

お約束の「使用後」バージョンをアップします

 まずは聞いてください。一応、歌詞は再掲しておきます。

「2009_07_30_lascia_chio_pianga.mp3」をダウンロード

Lascia ch’io piang(私を泣かせてください)

  Lascia ch’io pianga la dura sorte,
   (つらい運命に、涙を流す事を許してください)
  e che sospiri la liberta.
   (そして、その運命から解き放たれる日が来る事を、私は願っています)
  e che sospiri, e che sospiri la liberta.

  Lascia ch’io pianga la dura sorte,
  e che sospiri la liberta.

  Il duol infranga queste ritorte
   (私を縛りつけている、苦しみの鎖から…)
  de’ miei martiri sol per pieta, si,
   (ただあなたの哀れみだけが、私を解放できるのです)
  de’ miei martiri sol per pieta.

  Lascia ch’io pianga la dura sorte,
  e che sospiri la liberta.
  e che sospiri, e che sospiri la liberta

  Lascia ch’io pianga la dura sorte,
  e che sospiri la liberta.

 どうでしょうか? これが一応「使用後バージョン」って奴です。「使用前バージョン」と比べて、よくなっているでしょうか?(「使用前バージョン」はこちら

 とりあえず先生的には「うーん…」なんだそうです。「合格!」ってわけではないそうですが、ダメとも言い切れない感じのようです。

 とにかく、これで『この曲は終了!』ではなく『これで、やっと、この曲はスタート!』なんだそうです(驚)。なので、さっそく「Lascia ch’io piang」のレッスンが始まりました。指導されたのは、細かい部分に関することが多いので、注意点を羅列しておきます。

・la duraは「ラ・ドゥーラ」ではなく「ラ・ドォーラ」の感じ。つまり“o”の音が浅くて、いかにも日本人的でダメなので、ここは一発イタリア人のような気分で…。

・la liberta! の la の母音が横に広がるので、常にたて開きをこころがけたい。これも同じく日本人臭い発音がペケなんです。

・e che sospiri la liberta はたしかに che が最高音だけれど、歌の頂点は liberta の li だと言うことを忘れずに。cheではなく、li に一番の盛り上がりが来るように歌うこと。

・出だしの Lascia che pianga の Lascia と ch’io の間の休符を尊重すること。音を必ず切ること。ただし、音は切っても、息はずっと流し続けなければいけない。

・Lascia の La- と -scia の母音は同じ音なんだから、改めて音程を取りに行ってはいけない。きちんと息を流して、一続きの音として歌うこと。

・何があっても、音程は常にお腹で取ること。

 こんな感じですね。こんな感じで、この曲は合格にはまだ程遠いのだそうです。実際、私自身も、歌い終えた直後は「やったぜ!」的な気分だったのですが、日が経つにつれ、だんだんガッカリな気分になってきました。

 とは言え、新曲もいただきました。今度の新曲はトレッリ作曲の“Tu lo sai(あなたは知っている)”です。“Lascia ch’io pianga”よりも最高音が半音低いので、楽勝~っと思ったところ、全体の音域が高いので、この曲を歌うと、かなりヘトヘトになります。歌のスタミナがかなり必要とされる曲のようです。

 ちなみに、今回、宿題が多いのは、声楽レッスンの方は夏休みがあるからです。だから次のレッスンは一カ月ほど後になるので、宿題をたくさん出すので、きちんと練習してきてねというわけなんです。まるで小学校みたい…って、歌の実力的にはそんなものだから仕方ないか(笑)。

コメント

  1. Cecilia より:

    使用後バージョンのアップをありがとうございます!
    高音が安定していて「おお~!」と思いましたよ。
    前回よりかなり良くなっていると思いました。
    声の感じが今までと比較して非常に明るい感じになっていると思います。

    キング先生からの注意点もなるほど~と思いながら読ませていただきました。

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん

     お恥ずかしい限りです。約束したのでアップしましたが、使用後バージョンといいながら、完成形に程遠い状態です。まだまだ精進が必要です。

     声に関して言うと、鼻腔共鳴が増えるほどに、格段に私の声が明るくなるようです。これは本人的にもはっきり自覚できるほどなので、他人が聴くとかなり違うでしょうね。共鳴腔の使い分けの大切さというのを実感しております。常にこの声が安定して出せるようになるのが、テノールとしての第一歩なのだろうと思うようになりました。

     それにしても、学ぶことが多くて、楽しいです。

  3. たかさん より:

     すとんさんの歌声、聞かせていただきました。発表会の録音を聞いた時にも思いましたが、明るくて優しい歌声なんですね。しかもテノール。

     私自身の勝手な偏見ですみません。すとんさんの体格からすると、バリトンか、もしかするとバス?なんて思ってました。(汗)
    なんとなくですけど、すとんさんが、フルートを選んで、アルタスを買ったわけがわかるような気がします。

  4. すとん より:

    >たかさん

     いやあ、お恥ずかしい。実際のところ、先生の命令がなければ、アップできないレベルの歌唱でございます。

     まあ、たしかにテノールにはチビが多いので、そのような印象をお持ちの方がいても不思議ではないのですし、特にかっこいいテノールはたいていチビですね。しかし、テノールにはもう一つパターンがあって、大柄なデブもテノールには多いんですよ。代表例は、パヴァロッティやドミンゴ、最近ではポール・ポッツなどがそうです。で、私もキング先生も、大柄なデブ(笑)です。

     ちなみにバスはタッパはあるけれど、さほど太っていない人が多いです。たぶん、太ってしまうとテノールになってしまうのだと思います。バリトンは多肉中背って感じかな。チビでデブだと…カウンターテナーになってしまうんじゃないかな? 体型と声種って、すごく関係があるんですよ。

     どなたかの発言で、アルタスフルートは歌う人が選ぶ楽器だと読んだ記憶があります。明るくて深い音色と(音量は多少なりとも犠牲になっても)表現力重視で多彩な音色を持ち合わせている楽器。ですから、アンサンブルの伴奏パートとか吹奏楽には向かなくても、メロディーを吹かせたら本領発揮な楽器ですからね。そういう点が歌と通じるのかもしれません。

     それに、楽器自体が華奢で、その扱いをラフにできない点などは、本来は欠点になるはずですが、たぶん歌う人はそんな欠点は全然気にならないのでしょうね。ノドはフルート以上に大切に扱うのが当たり前の楽器ですから。

  5. みるて より:

    拝聴いたしました[E:sun]
    声が安定しましたね、とっても(拍手)
    e che sospiri 歌いやすくなったように聞こえましたがどうかしら?最高音がぶれなくなるとかなり安定しますね。練習お疲れ様でした♪
    あとは先生のおっしゃることまもるともっとよくなりますよ!がんばってくださいね。
    Tu lo saiはブレスが長くて(出だし Tu lo sai quanto t’amaiまでノンブレスと言われたんですよ)
    16分音符32分音符の動きが難しかったの思い出しました。
    なつかしいなぁ。
    これも素敵な曲なので夏休み中がんばってくださいね。

  6. すとん より:

    >みるてさん

     お誉めいただき感謝です。アップした歌唱に必ずしも満足しているわけではありませんが、帰宅して先生の目なしで歌っていると、あそこまで歌えない事実に愕然としています。参ったね。やっぱり、先生の前だと色々なスイッチが入るのでしょうね。

    >Tu lo sai quanto t’amaiまでノンブレスと言われたんですよ

     ああ、確かにそうだ。全然気づかなかったよ。でも、キング先生もそれ、言いそう。うひゃー、さっそく今晩から、ノンブレスで練習していと…、教えてくれてありがとう。

    >16分音符32分音符の動きが難しかったの思い出しました。

     ああ、あそこは、ちょっとうっとおしいけれど、ある意味、この歌のキモの部分ですから、丁寧に、正確に歌わないといけないなあ…と覚悟決めて、取り組んでま~す。

     この夏は、Tu lo sai と Lascia ch’io Pianga の二曲の征服はもちろん、頭声の定着を目指して、がんばるぞー!

  7. Cecilia より:

    今年のちょっと大きな本番はこの曲です。
    Recitativoからやります。
    自分の声は疲れが溜まった感じだなあ・・・と思ったのですが(録音だと自分が歌っている時に感じたより重く聞こえました。)、こちらでまた聴かせていただき、すとんさんの軽くて明るい声質が素敵だなあと思いました。

  8. すとん より:

    >Ceciliaさん

     去年の夏の録音の記事ですね。私もひさしぶりにこの録音を聞きました。実はこの曲、今も自宅の練習で歌っています。この録音から半年以上たったわけですが、うううむ、そんなに上手になっていません。私の場合、どうしても歌に“力み”が目立つんですね。この曲は、涙ながらに歌っている曲なので、もっと切々と歌えないといけないのですが…。

     この曲は、本来はソプラノの曲なので、女性が歌うときはレチタティーヴォからやるけれど、男性の場合はいきなり曲からって歌うと、私は勝手に思ってます。

     それはさておき、この曲は、本当に美しい曲ですね。自分の下手っぴな歌唱でもそう思いますもの。Ceciliaの声なら、もっと素敵にこの曲が歌えると思いますよ。この曲はバロックな曲ですから、響きを高く軽くして歌うのがポイントだと思います。

     じっくり練習して、ぜひ本番では素敵に歌ってください。ああ、近所に住んでいて、日にちがあえば、すっ飛んで行って、Ceciliaさんの本番を拝聴したいものです。ちょっと残念です。

タイトルとURLをコピーしました