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フルート界のショパンって誰?

 今日はクラシック音楽の話です。

 世の中には大作曲家と呼ばれる人がいます。例えば、バッハとか、モーツァルトとか、ベートーヴェンとかね。もちろん他にもたくさんいますが、こういう大作曲家の特徴って「どの分野の曲も作曲した」という事があげられると思います。

 ですから、オーケストラが好きな人も、ピアノが好きな人も、歌が好きな人も、皆同じようにバッハやモーツァルトやベートーヴェンの音楽を楽しめるわけです。会社で言えば、総合商社のようなものです。

 一方、作曲家の中には、活躍するジャンルが限られた作曲家たちもいます。その分野では大メジャーだけれど、他の分野だとトンと無名って人です。会社で言えば、専門店みたいな感じでしょうか?

 例えば、歌の世界で言うと、ヴェルディとか、プッチーニとか、ロッシーニとか、ベルリーニとか、トスティとか…。これらの作曲家は歌以外の作品も書いていますが、歌の世界での絶対的な存在感と比べると、他の分野での名声はいかがでしょうか?

 ピアノの世界で言うと、まさにショパンが代表例でしょうね。たまたまピアノ音楽が多くの人の音楽的な趣味と合致し、ピアノ曲限定作曲家と言い切っても良いショパンが有名大作曲家として名を馳せていられるのも、すべては、ピアノ音楽がポピュラーな音楽だったからです。

 そこへ行くとフルートはどうでしょうか? 悲しいことに、フルート音楽はピアノ音楽ほどポピュラーではありません。正直に書いちゃうと、むしろマイナー、無名な音楽たちです。私もクラオタを長くやってますが、フルート音楽なんて、ほとんど知りませんでした。声楽、ピアノ、ヴァイオリン、チェロと比べ物にならないのは当然。だいたい、先にあげた総合商社的な作曲家がフルート向けの音楽をほとんど書いていないというのも、クラオタ的には馴染みが薄い原因のひとつでしょうね。

 でも、フルートの世界にもショパンはいるはずなんです。フルート音楽における、大家というか、クラオタには全然知られていないけれど、ジャンルを代表するような、輝かしい大曲、名曲の数々をモノにしている作曲家が!

 でも、それって、誰? フルート始めて、やっと1年のクラオタ親父のアンテナには、今だ、そういう作曲家の存在がひっかかってきません。ま、ショパンほど(音楽ジャンルがマイナーな事もあって)有名ではないからでしょうね。でも、この音楽ジャンルを代表するような、フルート音楽限定の、マイナーメジャーな大作曲家がいるはずなんてすが…それって誰なんでしょうね。

 1年ほど、この世界にいても、 耳にするのは、有名な演奏家の話ばかりで、あまり作曲家の話を聞かないような気がして、ちょっと寂しい思いがしたので、こんな記事を書いてみました。

コメント

  1. めいぷる より:

    誰でしょうね? 管楽器ってマニアックな世界ですからねぇ(弦楽器より)

    こんなコメントがあります。(解説:参照)
    http://www.muramatsuflute.com/shop/g/gG4/
    エチュードとしては綺麗な曲が多く、且つ難曲ですが、
    中には非常に美しい旋律が浮き上がり、ちょっとした演奏会やアンコールピースとして演奏されていますよん♪
    パユのを聴いた時、自分が練習しているのとは「まったく別の曲」に聴こえました。(あたりまえだ…爆)

  2. すとん より:

    >めいぷるさん

     めいぷるさんでも、この問いには即答できませんか? フルート界のショパンって一体誰なんでしょうね。

     さっそくのリンク先をチェックしてみました(みなさんもぜひどうぞ)。アンデルセン作曲「24の練習曲 OP.15」のCDのページに飛びました。解説の一部を引用してみます。

    >M.モイーズがこの練習曲の序文に、『パリ音楽院での学生時代のレッスンのとき 「ピアニストはショパンのエチュードを、我々フルーティストは、唯一この特権をアンデルセンに与えることが出来よう」 とタファネルが常に彼の功績を称賛していた。』

     モイーズとタファネルとは豪勢な人名が並んでますね。そう言えば『ザ・フルート』でこのアンデルセンという人の記事が連載されていましたね(読んでもよく分からなかった記憶がありますが…)。この人は「フルート界のショパン」の候補の一人に上げときましょう。もっとも、私のiPODの中身を検索してみたけれど、アンデルセンは一曲も入ってなかった。アンドリーセンは入ってたけど、たぶん別人だろうな。

     というわけで、この作者と曲については、全く知らないので、とりあえずサクっとCDを注文してみました。まずは自分の耳で確認してみないとね。でも、『作曲家時代』は「ロマン」ですか…私の好きな時代だな。

  3. フルート限定というと、カルクエラートなんかはフルート吹き以外は知らない作曲家ではないでしょうか??

    とても興味深いブログですね☆ また覗きにきます♪

  4. すとん より:

    >通りすがりのものですが…さん、よろしく。

     カルクエラート…さすがに笛初心者である私は、まっこと、全然、全く、知りませんでした。ググりました。楽譜は売ってても、CDも販売されていないじゃん…ううむ、残念。

     と思って、YouTubeで検索(Karg-Elert Flute)したら、結構ありました。いやあ、便利な世の中になりました。オジサン感激。

     この人、笛吹きさんたちの間では有名なのかしら? YouTubeのアップロード数を見ると、それなりに有名そうだけれど…フルート界限定作曲家? カルクエラート…これで一人の作曲家の名前を覚えました。感謝です。

  5. ちぇりー より:

    またまた通りすがりです。
    名前のところに変なこと書いてしまいました(笑)

    カルクエラートは、晩年に笛吹きと親交があったらしく、そこから殆ど笛の曲ばっかり作って大成した作曲家です☆
    フルートマニアにはたまらない作曲家ですが、初心者のかたには少々聴きづらいかも…(笑)

    CDは、少ないですが幾らかありますよ。さすがにネットの検索には引っかからないかもしれません。
    いちばん有名なのは《Sonata appassionata fisーmoll》だと思われます♪

  6. すとん より:

    >ちぇりーさん

    >いちばん有名なのは《Sonata appassionata fisーmoll》だと思われます♪

     でしょうね、YouTubeの検索で出てくるのも、この曲ばかりでした。Sonata appassionata … 熱情ソナタ、でしょうね。いかにも現代曲らしい、歌えないタイプのメロディの曲だと思います。たぶん、演奏すると楽しいのでしょうが、観客として聞いていると…ねえ。ま、これ一曲だけでカルクエラートという作曲家を判断してはいけないことは、重々承知しています。他にメロディアスで美しい曲を書いているかもしれませんからね。

     あ、ちなみに、私の名曲の判断基準は「鼻唄で歌えるか、歌えないか」です。歌えるメロディの曲は名曲で、歌えないメロディの曲は名曲ではないというのが、私個人の判断基準です。無茶苦茶な基準なので、あきれ返ってくれても結構ですよ(笑)。

     カルクエラートのCDを検索すると、オルガン曲ばかりがヒットします。ウィキペディア(これも信頼していいかは分かりませんね)によると、カルクエラートは、どちらかと言うとオルガン曲の作曲家として有名らしいのですが…オルガンは訳があって、それなりに詳しいつもりですが、そっちでも聞いたことありません。少なくとも、ヴィドールやアランほど、有名で大切な作家ではなさそうです。

     とは言え、現在、再評価中の作曲家さんだそうで、あと10年たったら、誰もが知っている大作家の一人として数えられているかもしれませんが…。そういうアンテナの感度って、オジサンは若者に負けますからね。

     カルクエラートのCDをもっと丁寧に検索すると、フルートも出てくるかもしれませんが、簡単には見つかりませんでした。一時的な品切れ状態なのかもしれません。新宿のムラマツに行けば、あるかもしれませんが…。

  7. たかさん より:

    本当はもっと前にコメントしようと思ってたのですが…、

    ショパンってビアノに詳しくない人でも知っている人が多いくらいメジャーな作曲家だと思うんですが、そういう観点だと該当する人はいないんじゃないかなあと思います。

    なんてったって、フルートは作曲家に嫌われていた楽器ですから。

    モーツァルト然り、マーラー然り、メジャーな作曲家でフルートの魅力を発揮した曲を書いた人は、ドビュッシーとかビゼーくらいしか知りません。でもこの二人は「総合商社」だし…。ドップラーは?一般の人には馴染み薄いだろうし、なかなかいないもんですね。

    今後、魅力的なフルート曲を書いてくれる作曲家が出てくれるといいなあ…。

  8. すとん より:

    >たかさん

     確かにおっしゃる通り、大作曲家さんたちは、フルートを嫌っているフシはありますね。モーツァルトの場合は、フルートの音痴さが原因だったそうで…。ワーグナーの場合は、大きすぎる音(?)がキライだったそうで…。マーラーはどういった理由だったのかしら?

     私が思うに、フルートが嫌われていた理由は、ヴァイオリンのアンチテーゼとして嫌われていたのではないかな?って思ってます。つまり「弦楽器のメロディ担当楽器としてのヴァイオリン」対「管楽器のメロディ担当楽器としてのフルート」って感じでしょう。つまり、弦楽器対管楽器だね。で、勝ち残ったのは、弦楽器、つまりヴァイオリンってところでしょう。

     だから、素晴らしいメロディーは、みんなヴァイオリンのために書かれてしまって、誰もフルートのためにメロディーを書いてくれなかった…ってところじゃないかなって思ってます。

     だってねえ…ヴァイオリンは全音階、全調性の演奏が可能だけれど、フルートは演奏が困難な調が存在するしね。深々とした憂いを含んだ音色のヴァイオリンと、どこまでも能天気な音色のフルートじゃあねえ…。チェロとかコントラバスのような低音まで同族楽器の存在するヴァイオリンと、事実上、ピッコロしか同族楽器のいないフルート(少なくとも19世紀までは)では、合奏の可能性も大きく違うし…。

     「嫌われた」というよりも「勝負にならなかった」というのが、真相のような気がする(笑)。

     ドビュッシーはともかく、ビゼーはあくまでも、オケの中の独奏楽器って扱いでしょ。ドップラーは…フルート始めてから知りました(笑)。

    >今後、魅力的なフルート曲を書いてくれる作曲家が出てくれるといいなあ…。

     千住明とか、すぎやまこういちとか、服部隆之あたりが書いてくれると、いいのになあ。個人的希望では、クラシック音楽に地味に進出している、ボール・マッカートニーがフルートソナタとか書いてくれると、超うれしーんだけど、ないな、たぶん。…ロイド・ウェーバーは間違ってもフルート音楽なんて書いてくれないような気がする。

  9. YOSHIE より:

    ショパンとまったく関係ないのですが、近いフルート記事がここなので、ちょい失礼。朝日新聞本日(8/7)夕刊(生きている遺産…古代からの音色)にフルートの仲間だという「フラヤ」というバカ長い楽器が出てます。ネット検索でも出ますが、結構いい記事と思います。ドビュッシー『牧神の午後…』の冒頭のフルート、好きですわ〜…

  10. すとん より:

    >YOSHIEさん

     さっそく検索をかけましたが、新聞記事は見つけられませんでした。ううむ、ネット検索が下手な奴>自分。

     でも、フルートの仲間だという、フラヤというバカでかい楽器は見つけました。スロバキアの民族楽器ですね。大きさはダブルコントラバスフルート並ですが、音は全然違っていて、フルートでホイミーをやっているような不思議な音でした。私はここで見つけました。

    http://ytmusik.web.fc2.com/page/inst/inst_overtone.html

     おもしろそうだなあ。

  11. みのさく より:

    こんにちわ。

    音楽史みたいなことからいうと、「イタリアのヴァイオリン・歌」vs「フランスのフルート」みたいな感じでしょうか。

    それもあって、フランスの作曲家はフルートの名曲を多く残していますね。
    ただ、「フルートの曲を中心に作る」といったら、やはりフルーティスト兼作曲家、が候補でしょうか。

    古いあたりでは18世紀のブラヴェ(バロックですけど)、19世紀ではドゥヴィエンヌ、ゴーベール、ドンジョンなどがそうではないでしょうか?

  12. すとん より:

    >みのさくさん

    >音楽史みたいなことからいうと、「イタリアのヴァイオリン・歌」vs「フランスのフルート」みたいな感じでしょうか

     あ、なるほど。了解。よく分かりました。

     私は、まだまだ勉強不足で、ブラヴェもドゥヴィエンヌもドンジョンもよく知りません。ただ、ゴーベールだけは先日、「フルート作品全集」って奴を買いまして、チマチマ聞いてます。地味ですが、良い感じの曲が多いなあと思いました。

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