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素人の発表会でよく耳にするオペラアリア その4「手紙の二重唱」

 さて、その4も、モーツァルトの『フィガロの結婚』からのアリア…と言うか、デュエット曲を取り上げます。この曲、通常は「手紙の二重唱」と呼ばれていますが、もっとちゃんとしたタイトルでは「そよ風によせて(手紙の二重唱)/Sull’aria…che soave zeffiretto)」と言います。

 ほんと、アマチュアの発表会では、よく聞く曲です。こんな感じですね。

 音源はオペラの舞台ではなく、コンサートからのものにしました。たまには良いでしょう(笑)。この音源では、カリーヌ・デエが伯爵夫人を、ナタリー・デセーがスザンナを歌っています。

 今回の歌詞と訳詞は、こちらのサイトのものを転載いたしました。感謝です。

SUSANNA: sull’aria…
スザンナ: “そよ風に寄せる…”

LA CONTESSA: Che soave zeffiretto
伯爵夫人: “やさしい西風が…”

SUSANNA: zeffiretto…
スザンナ: “西風が…”

LA CONTESSA: Questa sera spirera,
伯爵夫人: “吹き寄せる今宵…”

SUSANNA: Questa sera spirera…
スザンナ: “吹き寄せる今宵…”

LA CONTESSA: Sotto i pini del boschetto,
伯爵夫人: “お庭の松の木の下で”

SUSANNA: Sotto i pini…
スザンナ: 松の木の?

LA CONTESSA: Sotto i pini del boschetto,
伯爵夫人: “お庭の松の木の下で”

SUSANNA: Sotto i pini…del boschetto…
スザンナ: “お庭の…松の木の…下で”

LA CONTESSA: Ei gi il resto capira.
伯爵夫人: これで充分、わかることでしょう

SUSANNA: Certo certo il capira.
スザンナ: きっとこれで、おわかりになるでしょう

 まあ、この曲がアマチュアの発表会でよく歌われる理由は…もちろん名曲だからというのもありますが、発表会がソロ曲ばかりではつまらない。やはりアンサンブルもしたい。二重唱がしたい…しかし、ウチの教室の生徒さんはソプラノばかりだ…となると、ソプラノ同士の二重唱で手頃な曲はないかしら…って事になり、それでこの曲がよく歌われるのだと思います。

 いや、実際、ありそうで無いのが、ソプラノ同士のデュエット曲なんです。

 実は、世の中のほとんどの二重奏曲って、ソプラノとテノールのためのデュエット曲であり、その次となると、ソプラノとバリトンの組み合わせが少々あるくらいで、その他の組み合わせの曲って、ほとんど無いって言ってもいいくらいなのです。つまり、デュエット曲は、基本的に男女の組み合わせで歌うのが大半なのです。

 でも、ウチの声楽教室にはソプラノしかいない…なんてところは掃いて捨てるほどあるし、男性がいてもデュエットできるほど上手じゃなければ、やっぱり同じことだしね。ゲスト歌手を呼んで、デュエットの相手になってもらうという事もできるけれど、やはりゲストにお願いするとなると、練習回数に制限が出てしまうわけで、やはり門下生同士…って事は、ソプラノ同士で歌える歌をなるべく歌いたい…なるわけです。

 それでこの曲が頻繁に歌われるわけです。

 と言うのも、この曲以外で、ソプラノ同士で歌えて、おまけに、ある程度、歌いやすい歌ってなると、後はロッシーニの「ネコの二重唱」ぐらいしかないんですね。でも、ロッシーニの方は、全編「ミャウ、ミャウ~」と言っているだけなので、ちょっと、こっ恥ずかしいかもしれないしね。

 と言うわけで、ほんと、この二重唱はよく聞きますよ。

 これで一応『フィガロの結婚』からの曲はお終いです。さあ、次回はどのオペラからのアリアでしょうか?(笑)

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