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最近のカラオケは…勉強になるねえ

 年末に、職場の同僚と一緒に昭和歌謡をカラオケで歌いまくって楽しかったので、自分のカラオケのレパートリの確認&拡大をするために、先日、妻と久しぶりにカラオケに行ってみました。とりあえず、気になる曲を片っ端から歌ってみて、自分に合うかどうかを調べてみましょうって感じだったわけです。

 いやあ、最近のカラオケは色々と勉強になるねえ。私が昔、熱心にカラオケに通っていた頃とは、だいぶ違っていました。

 まず、歌本がなくて、すべて大型リモコンで操作するようになってました。大型リモコンは便利なんですが…一覧性が悪くて、曲を探したり選んだりするのにコツが要りますね。それにリモコンも色々なタイプがあって、性能差もあるみたいです。始めてのお店で始めてのリモコンだと、戸惑うことばかりです。

 私はオールドスタイルの人なので、歌本をペラペラとめくりながら曲を探す方がいいなあ(笑)。

 でも最新リモコンならではの良さも、もちろんあります。例えば、曲を転送する時に今のリモコンだと『原曲キー送信』って奴があって、とても便利です。昔のリモコンだと、曲のイントロが流れだしてから、歌本を見て、キーをいくつ上げ下げするかを確認して操作したものです。でも今は“原曲キー送信”をしておけば、最初のイントロから、オリジナルの調性で演奏してくれるから、うれしいです。

 と言うのも、私は移調されちゃうと歌えなくなってしまうタイプの人だからです。

 別に絶対音感を持っているわけではないから、移調と言っても、半音程度ならば、上にでも下にでも移調されても全然気づかないと思います。しかし、カラオケによくある“+3”とか“+4”の移調だと、間違えてしまう人なんですよ、私。だって“+3”とか“+4”の移調って、三度の移調でしょ? 三度の移調だと、伴奏に対して三度高く歌ってしまうんです。伴奏に対して三度高く歌うのって、案外難しくないし、若干の無理を感じながらも、和声的には微妙にOKだったりするんですが…やがて歌い進めるに従って無理が生じて、ある時点で歌えなくなってしまいます。行き詰まって始めて「やや、キーを間違えた」って感じになるんです。

 まあ、絶対音感にせよ、相対音感にせよ、それらの音感を持っていれば、こんな間違い方はしないのでしょうが、私は基本的にロクな音感を持っていないんですね。私が持っているのは『和声的にOKかどうか』という感覚だけなんです。これはいわゆる音感とは、ちょっと違うわけで、合唱を歌う場合など、きちんと自分のパートのメロディを把握していないで、いい加減な状態で歌い始めると、平気でオクターブ間違えたり、他のパートを歌ったりと、そういう間違い方をする人なんです。

 だから、カラオケはオリジナルの調性でないと、ほぼ歌えない人なんです。不便ですね。

 最近のカラオケに備わっている『精密採点』と言うのは面白いですね。よくテレビでカラオケ番組をやっていると画面の下の方にあらわれて、リズムや音程、各種歌唱テクニックをチェックしているアレです。今回は、この精密採点を起動しながら歌ってみました。そうすると、色々と分かります。

 まず、リズムや音程の正確さが可視化されるので、今歌っている曲が、人前での披露に耐えられるかどうかが、すぐに分かりますね。さらに点数が付くので、全国平均と較べて、どれくらい歌が上手いのか(あるいは、下手くそなのか)が分かります。

 私の場合は、悲しいことに、全国平均を下回るような点ばかりを叩きだしてしまいました。本人的には「???」です。妻曰く「聞いていて変な感じはしないけれど…ガイドメロディ通りに歌っていないからね…」とのこと。つまり「ちゃんと正しいメロディを知らないために、自分勝手に作曲しながら歌っているから点数が低いのよ…」って事ね。

 「え? カラオケって、自分流にメロディを変えて歌っちゃダメなの? そんな、オリジナル歌手と全く同じに歌ったら、つまらないでしょ? 和声的にOKだったら、変奏しながら歌うのは、ポップスの常識でしょ」

 と愚痴ってみたものの、点数が低いのは気に入らないので、ガイドメロディとほぼ同じように歌ってみたところ…それでも、やっぱり全国平均前後ぐらいの点数しか取れない。あちゃー。

 妻曰く「音程が甘いのよ」 そうなんだよね、精密採点を見ていても、メロディラインがぶら下がっている事が多いんだよね。で、そんな時に限って、講評が『歌っていて苦しくないですか?』と出ます。私、ちっとも苦しくないのですが、機械的には“苦しげな声”と判定されてしまっています…おそらく、ノドに力が入っているのでしょう。

 ノドに力が入っていると、力を込めた分、音程が下がります。逆にノドの脱力に成功していると、結構音程バッチリで歌えるものです。ですから、こんな私でも、ノドの脱力を心がけて歌えば…全国平均をぐ~んと越える事ができます。ノドの脱力って大切ですね。

 それと、意図していませんが、結構、ビブラート加点が付きます。私、歌う時にビブラートというのは、ほとんど意識していませんし、ビブラートをつけて歌おうという気持ちもないのですが、歌っている時に気持ちが入ると自然にビブラートがついて、それがカラオケでは加点されるようです。ちょっと驚きです。もっとも私の場合、歌唱テクニックとしてのビブラートではないので、すべてのビブラートが『基本形』というタイプでした(笑)。

 『安定性』という項目は、常にほぼまっすぐで、『リズム』はだいたい真ん中、『ロングトーン』もだいたいフルマークだから、歌の基本形としては、そんなに悪いわけじゃないと思うし、以前の採点機だと、結構高得点を出せたのだけれど、精密採点になって、精密に採点されるようになったせいか、私の歌の中にある色々なアラが見つかって、それで得点が低くなってしまうんだろうなあ。反省です。

 採点とは違うけれど、マイクを使って歌うのって難しいね。私は声量だけはある人間だから、機械の音量をかなり絞った上でマイクを持った手をウンと伸ばして歌わないと、歌声が部屋中に響き渡って、自分がうるさくてかなわない。採点をしないのなら、マイク無しで歌っちゃうんだけれど、採点も面白いから、どうしてもマイクを使わないといけないわけで…ほとほと自分の大声には困ったもんです。

 まあ、カラオケは、クラシック声楽とはジャンルが違うわけなので、あれこれ勝手が違うのだけれど、やっぱり歌だから、私には楽しいですよ。

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コメント

  1. アデーレ より:

    カラオケ、たまにいいですよね~。私もかなり移調して歌います!普通の歌は。オペラアリアもあるけれど、まだまだ少なく、増やしてほしいよ~!おまけにマイクなしで歌うようになり、こんなのカラオケの意味ないか…(笑)マイクありで声楽的に歌う場合、声をうまく拾ってくれない気がする~、だから、マイクを少し離すしかないのよね

  2. すとん より:

    アデーレさん

     そうなんですよ、声楽的な発声では、うまくマイクが拾ってくれないんですよ。マイクって、細くて平たい硬い声の方が通りが良いんですよね。まあ、声楽的な発声って、倍音出しまくりだから、うわんうわんになってしまうんです。

     私は採点しない時は、マイク無しで歌うことが多いですが、採点は採点で楽しいので、マイク使って歌いますが、マイクを使うにはマイクテクニックって奴も必要なので、そのあたりで撃沈してます(笑)。

     声楽的な発声で、うまくマイクを使う方法を探しています。

  3. だりあ より:

    >私はオールドスタイルの人なので、歌本をペラペラとめくりながら曲を探す方がいいなあ(笑)。

    同感です×100!くらい私もオールドスタイルの紙媒体のほうが好きです。紙の上を目線がパパッ、ササッと動いて、好きなところを探して見つけることができたときが、すごく気持ちいいんです。一度には限定された部分しか見えない孔からのぞいて見える範囲を動かして探すようなのは疲れちゃうし、まどろっこしくって、やってられません。
    たとえば、望遠鏡をのぞいて夜空を見るより、お星さまいっぱいのひろーい空を見上げてるほうが好き、という感じと似てますでしょうか。

  4. すとん より:

    だりあさん

     そうそう、広い夜空を眺める気分なんですよ。やっぱり、紙って、ディスプレイと違って、画面が広いですからね…ってか、ディスプレイだって画面の広いものを使えばいいのかもしれないけれど、リモコンについている液晶画面なんて、ちっせえちっせえ(笑)。それと比べると、やっぱり紙の一覧性にはかなわないですね。

     でも、紙の歌本は定期的に作り直さないといけないから、コストがかかるんだろうと思います。リモコンなら、データを入れ替えるだけだから、コスト、かかんないもんね。

     今の時代なんだから、アプリを入れたら、自分のスマホとかタブレットとかで選曲できたらいいのに。そしたら、私は自分のタブレットを持っていって広い画面で選曲しちゃうよ。タブレットなら(歌本にはかなわないけれど)普通の本1ページ分くらいの広さはあるからね。

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