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やっぱり独学は薦めない

 昨日は独学を薦めた私ですが、今日の私は独学を薦めません。独学はダメです。

 確かに独学だとハードルが低くて、入門しやすいのですが、その分、底が浅いのです。底が浅いので、すぐに学びの限界に到達してしまいます。まあ、天才的な才能を持っている人は別でしょうが、凡人だと、すぐに上達が止まり、飽きてしまいます。そこそこ出来るようになったところでお終い。決して、本格的な習得にまでは達する事ができません。

 「別にオトナの趣味なんだから、それでいいじゃん」

 そう言われてしまうと、その通りなんだし、本人が本当にそれで良いのなら、別にそれでも良いのです。でもね、それって、お宅拝見的な言い方をすると、玄関に入ったところで「もう分かった」と言って、帰っちゃうようなものです。玄関から入ったところに、本当の楽しさがあったりするわけですよ。例えば、立派なシステムキッチンがあったり、広い広い居間があったり、書斎やオーディオルームが充実していたり、ロフトがあったり、屋根裏部屋とか地下室とかがあったり、心静まる和室があったり、見事なお庭があったり…。玄関で帰っても、その家に行った事には間違いないけれど、やはり家の中に入らないと、お宅を拝見した事にはならないわけです。

 オトナの趣味だって、同じ事だと思うのです。

 一通りの事が出来るようになって、例えば楽器演奏ならば、童謡とか愛唱歌を演奏できるようになれば、それはそれで楽しいでしょうが、それだけでは、知り得ない楽しみがたくさんあるわけです。その楽器のために書かれたクラシックの名曲を演奏するには、もっと技量が必要でしょうし、ジャズやポピュラーで活躍するにも力不足でしょう。オーケストラなどの団体に参加するにしても“一通り”程度の力量では厳しいでしょうね。

 楽器演奏以外の趣味だって、同様です。やはり上達すればするほど、力量が上がれば上がるほど、見える世界か変わるし、出来る事、楽しめる事が増えていきます。

 でも、そこに到達するためには、独学だけでは無理です。「すこしの事にも、先達はあらまほしきことなり」と兼好法師が言っているのは真理です。高く深く学ぼうと思えば、先達、つまりはあなたを導く人が必要になります。今風に言うなら「先生について学びなさい」って事です。

 先生について学ぶと、独学と較べて、こんなに良い事があります。

 まずは、練習をサボれなくなります。独学だと、誰も怠惰を戒めませんから、ついつい練習サボってしまいがちですが、先生についていると、次のレッスンまでに、ある程度は仕上げないといけないので、必ず練習をするようになります。

 それに、先生に謝礼をお支払するわけですから、お支払の分だけ、一回一回のレッスンは真剣にならざるを得ません。真剣になって学べば、そりゃあ上達するわな。

 独学だと練習して終わりですが、先生について学ぶと、発表会とか、おさらい会とかが付いてきます。練習をすれば上達しますが、発表会に参加すれば、飛躍的に上達します。

 グループレッスンであればなおさら、個人レッスンであっても、先生を通じて、同じ趣味の仲間が増えます。それはとても楽しい事です。同好の士が集まって、合宿なんてした日には、自分でもビックリするほど上達するものです。また多くの人と知り合い、人の輪が広がり、新しい出会いもあれば、さらに世界が広がります。無限の可能性だって感じられるかもしれません。

 先生について学ぶ。同好の士と交わると言うのは、本当に自分を広げてくれるものです。

 ですから、最初の最初は、お試し的に独学っぽいところから始めたとしても、その趣味を真剣にやろうと思ったなら、やはり独学ではなく、しっかりと師匠について、きちんと基礎から学んだ方がいいですよ…とお薦めする私でした。

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コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。

    > 昨日は独学を薦めた私ですが、今日の私は独学を薦めません。

    元師匠のレッスンではある日言われたことの正反対を次のレッスンで言われて、理由を聞いたら、そのときに感じたことを話したらしいです。
    エチュードのすべての音符に歌詞をつけろ、という課題で、こちらがこっ恥ずかしくなってできなかった、というあたりが元師匠とのレッスンの限界かもしれません。
    演奏するというのは精神的ストリップ(表現的に問題があるようであれば削除してください)という話も聞いたことがありますが、こちらは全くストリップできません。

    失礼しました。

  2. すとん より:

    tetsuさん

    >演奏するというのは精神的ストリップ

     よく分かります。私はたいてい脱いでますよ(笑)。脱いで、踊って、叫んでます。で、演奏を聞くというのは、そういうストリップに対して、薄ら笑いを浮かべながらエヘエヘと見入っているようなものだと思ってます。

     だから、表現者って、身を切っているわけだし、見ている方は、その道化っぷりを喜んでいるのだと思います。

     まあ、自意識が過剰すぎるくらいの方が、表現者としてはマトモだと思ってます。今回はストップがかかってアップできなかったけれど、いつもいつも下手くそな演奏をネットにアップしているのも、精神的ストリップであって、これを世界中にばらまいて、喜んでいる変態なのかもしれません。もちろん、私の話ですよ。

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