フルートのレッスンに行ってきました。ほんと、約一ヶ月ぶりのレッスンでしたよ、それなのに、30分も遅刻しました(汗)。先生は「この時期は忙しいからね…」と笑顔で許してくれました、ああ、ありがたい。
肝心のレッスンの方は、いつも通りですが、ここんとこ、本当に忙しくて、フルートの練習なんてロクにやっていなかったものですから、色々と「ダメだなあ~」と思う事ばかりです。
例えば、ロングトーン練習。いつものようにやったわけだけれど、なんか、音の立ち上がりがやけに汚くなっているような気がします。なんか、まるで、ほら貝のように『ブッフォ~』って感じで鳴ります。タンギングがかなり下手になっているようです。
アルテは15課の10章、bが七つあるCes-durです。一体、bが七つなんて、そんな調性の曲って、どれだけあるんでしょうか? とにかく、指的には、#が5つのH-durと同じなわけで、すでに簡単に(?)できるはずなんだけれど、H先生曰く「しっかり楽譜を見て吹かないと意味ないよ」のひと言で、楽譜をガン見してますが、ガン見すればするほど、わけわかんなくなります。
私、bって苦手なんだよね。臨時記号なら、むしろ#の方が好き。アタマが#だと割とスムーズに変換できるけれど、bだと、ちょっと考えないとダメなんですね。
特に、ドがHだったり、ファがEだったりすると、もうお手上げです(涙)。
今回は、ロングトーンと1番の音階準備練習をやりましたが、とにかく、楽譜をガン見するがゆえに、迷子になるという笑えない状態となりました。…練習量が絶対的に不足しております。とにかく、不合格でした。
ガリボルディのプチ・エチュードは、相変わらずの3番です。こっちも久しぶりに吹いたので、あっちこっち、ケアレスミス続発で、なんともな状態です。でも、それらを差し引いても、装飾音符の箇所と、レミbレミレファ#レソ…の箇所に二カ所は、どうにもうまくいきません。ま、ここらも練習量が不足しているんだろうなあ。これまた、不合格でした。
どうも、最近は、フルートは目の前にニンジン(本番ね)がぶら下がらない事もあって、ついつい練習も後回しになる傾向があるし、そこに仕事の忙しさがかぶさってくると、途端に練習量が減ってしまいます。これは良くないので、これからは意識してフルートの練習をするように心掛けないとね。
歌の練習は、何も準備が要りませんが、フルートは楽器を取り出して組み立てて練習し、終わったら磨いてしまわないといけないわけで、そういう道具の取り廻しの事を考えると、つい「ま、今日は良いか」って思っちゃうわけです。ちっとも良くないのにね。
さて、今週の雑談は、なぜ音大の先生たちは非常勤講師ばかりなのか…という話です。
H先生は、昔々、某音楽大学の教授をやっておりました。フルート科の主任教授って感じのポストについていたらしく、なんかものすごく忙しかったんだそうです。大学の教授って、授業をするだけじゃなくて、その他にも様々な事をしなければいけなかったんだそうです。例えば、大学運営/経営に関する仕事とか、教育事務的な事もやれば、学生の就職指導とかもあって、そんな雑用に駆り出されてばかりいたんだそうです。それでも、色々と人間関係もあって、簡単に大学教授の職を放り出せずにいたそうです。
で、教授職にあった時、実にうらやましかったのが、非常勤講師でやってくる同業者たちだったそうです。自分が雑用に駆り出されている時に、非常勤講師は授業だけをして、その他の時間は、自分の練習と演奏に充てられるわけですからね、本当にうらやましかったそうです。なので、先生も、その大学を見事辞めた後は、どんなに声がかかっても、非常勤しか引き受けなかったんだそうです。
「確かに大学教授をやっていた時は、収入は安定していたけれど、私は音楽家だからね。たとえ収入が不安定でも、演奏をして暮らしていきたいんだよ」なんだそうです。
ま、教授よりも非常勤講師の方がいい、なんて音楽大学ならではの話ですね。だって、彼ら音楽家は、大学で教えなくても、演奏で稼げるし、腕もみがけますから。これがごく普通の大学なら、企業の研究室にいるような人でもなければ、大学の教授をやっている方いいよね。だって、非常勤講師は収入が安い上に不安定だし、自分の研究室が持てないわけで、研究をするにしても、教授の部屋の隅っこを間借りしてやらなきゃダメで、なんか居心地悪いだろうし…、教授という肩書がないと、美味しいバイトも声かからないだろうし…そういう点では、自分の研究室を持てる身分になりたいでしょうね。
ちなみに、大学教授という、なんかお給料が高そうですが、実は同年配の高校教師の方が良い給料をもらっているんだそうです。これは、知り合いの大学教授が、付属高校に出張って行って、あっちの先生たちと飲んだ時に出た話を、私が聞いて知った情報なんですが、…その大学教授さん、なんかすごくショックだったらしいです。…当然、大学教授の方が、高校教師よりも高給取りだ!と思っていたんだそうです。
でも、大学の先生の場合は、本業以外のバイト代を含むと、そこそこの収入になって、高校の先生よりも、結果的には、稼ぎが良くなるんだそうです。ま、高校の先生は、バイトをやっている暇がないものね。
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コメント
面白いですね。
そう言えば、例の偽ベートーベン事件の時、ゴーストだった音大の
先生に多くの同情票が集まり、その中には、「非常勤講師なんて
ケチなことは言わず、いっそのこと教授にすべきだ」なんて意見も
あったようです。
こちらの記事を拝読し、常任教授のポストを得ても、ご本人には
かえってありがた迷惑だったかも・・・なんて思ってしまいました。
現場のことは中に入らないとわからないものですね。
H先生の記事、フルート演奏に関するものも面白いですが、
音楽界の裏話の方にとりわけ興味津々だったりします(笑)
国立大学の教授はどの学部であっても教員という身分の公務員でして、最近は兼業規制が強くなってバイトも厳しく時間制限されています。
ですから地方公務員の役付きより給与は安いですよ。
うちの師匠は常勤ですが、笛を持たないお仕事が嫌いで(笑)よく愚痴ってます。
時折マスタークラス的にみてくれる先生も常勤でしたが、もう嫌だ(苦笑)と辞め、、、客員教授として残されております(これは非常勤だからー)
生粋の音楽家にマネージメントが出来るとは思えないし、経営者側が音楽家を心底理解できるとは思えないし、、、人柱的な(ごめん!)この層の人達が必要な気もしますが。。。
Yokusiaさん
我々は、不安定な立場よりも安定したポストの方がいいと思いがちですが、音楽家という種族は、基本がフリーランスですからね。不安定である事に恐れないというか、むしろ、安定を束縛とか義務とかと感じるタイプの方々なのかもしれません。
>常任教授のポストを得ても、ご本人にはかえってありがた迷惑だったかも・・・
ご本人に尋ねてみなければ分かりませんが、案外、好き好んで非常勤でいたのかもしれませんね。こればっかりは、分かりません。
河童さん
おっしゃる通り、国立大学の場合は、バイトも難しいでしょうね。その代わり、研究費の方は、潤沢とまではいかなくても、安定して得られるのが良いのでは? 私立大学の場合は、バイトはOKでも、基本給がそれほど高くないそうですし、研究費も大学からはそんなに出ないので、自分で稼いでこないとロクな研究もできない…と聞いたことがあります(本当かどうから私には分かりません)。
>ですから地方公務員の役付きより給与は安いですよ。
そうなんだろうなあ…って思います。
めいぷるさん
>生粋の音楽家にマネージメントが出来るとは思えないし、経営者側が音楽家を心底理解できるとは思えないし、、、
まあ、それはそうなんだけれど…。人柱は、社会的には必要だろうけれど、本人的にはつらいですよね。いっそ、経営&運営陣と、教育&指導陣をきれいにわけちゃうというのも一つの手かなって思います。つまり、常勤講師をゼロにして、すべての先生を非常勤にしちゃうわけだ。これはどうだろ。
…大学として、責任ある指導がうんぬん…となって、結局ダメかな? でも、様々な義務がなくて、教えるだけなら、結構な大物プレイヤーさんも指導陣に名前を連ねてくれて、商売的にもウハウハになるんじゃないかな。…って、黒い心を出して、ごめん。
大学の研究費は諸外国に比べもっとお粗末です。
国からの支給は、全国の大学の研究を寄せ集めてもアメリカの有名1大学の研究費に及ばない状況です。
ですので企業との共同研究で何とかまかなっている状況で、問題も起こりやすくなります。
河童さん
日本の研究者たちが自由になる研究費が微々たるものだと言うことは、よく耳にします。研究費の総額が多くない上に、多くの研究者たちに行き渡るように配分するので、一人一人の額が寂しいことになってしまうと、聞いたことがあります。
私、思うんですが、グローバル化が叫ばれて久しい21世紀なんですから、こんなケチくさい日本の大学なんて飛び出して、優秀な方々は、どんどんアメリカでも中東でもどこでも、研究費を潤沢に使える環境にドンドン移っていくべきだと思います。
これは、野球やサッカーと同じことですよ。研究者も自分を安売りしちゃダメな時代ですよ。優秀な人は、自分の能力が発揮される場を求めていかなきゃ。それが海外なら、ドンドン出て行き、世界と勝負をしてくればいいんです。
日本の大学がシブチンなことに文句を言ってちゃ、私はいけないと思いますよ。だって、どうやったって、無い袖は振れないんだからね。それに、日本を一歩出れば、いくらでも良い研究環境があるわけなんだしね。
私は、そう思いますよ。