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フルートメーカーについて語る(笑)その3 パール編

 パールと言うと…私にとっては、ドラムスのメーカーです!

 なにしろ、パールという会社は、日本の名だたるドラマーたちに愛されているドラムスを作っているメーカーです。なので、パールという会社のイメージは、あのズンドコズンドコ鳴っているドラムの音だし、バスドラに書かれている、あのロゴのイメージなんですよ。

 そのパールがフルートも作っていると知って「へ?」って思ったものです。ドラムスのメーカーなのに、フルートも作っている? ドラムスとフルート? どこでどうつながるの???

 正直、そう思いました。世界の一流ドラムスメーカーの余技ですか?ってね。

 まあ、今では、パールがフルートも作っているメーカーだと知ってますが、やはり世間的(世界的)には、やはりパールはドラムスのメーカーだと思います。

 そんなドラムスの会社が作っているフルートですから、いかにもパーカッシブでパワフルなフルートを作っているのか思いきや、全然違うんですね。それがなんとも、ごくごく普通のフルートなんですよ、世界の各種コンクールなどで入選するクラシック系の若手フルーティストたちも愛用するほどの、きちんとしたフルートを作っているメーカーさんなんです。

 ある意味、驚きだよね。あんまり違うから、同じ名前の別の会社じゃないかと疑ったくらいです。その疑問が解消しても、ドラムスのイメージから、たとえパールがフルートを作っていても「ドラムスの隣で売る、ポピュラー向けの廉価なフルートでしょ」と思っていたら、クラシック向けの高級フルートも作っているわけだから、本当に驚きです。

 でも、この私の驚きって、クラシック音楽や吹奏楽しかやらない人には、到底、伝わらない驚きだろうなあ…。でも、ロック野郎やポピュラー音楽畑にいる人間にとって、パールというメーカーは、ドラムスメーカーなんですよ。

 それはさておき、フルートメーカーとしてのパールについて語ります。

 まず、パールの特徴は、その圧倒的なコストパフォーマンスにあります。ザックリ言えば、安いんです。

 総銀の一番安いモデルであるカンタービレが、メーカー標準価格で約40万円ですからね。ヤマハのYFL-717やアルタスのTS、サンキョウのアーティスト、ミヤザワのアトリエ3が約50万円。ムラマツのDSが約60万円。これらの日本の他のフルートメーカーと比べても、パールは安いんです。

 安さは正義ですからね。おまけに、決して“安かろう悪かろう”ではなく、ちゃんとした品質のまま安いのですから、そりゃあうれしい話です。まあ、パールがなぜ安いのかについては、ちゃんとした理由があって、決してデタラメな事をしているわけではありません。パールにはパールなりの理由と戦略があって、安いんです。

 これも立派な企業戦略だなって思います。

 さらにパールには、価格以外にも、魅力があります。それは多様な頭部管です。今もやっているかどうかは定かではありませんが、以前のパールフルートでは、フルートを購入するときに、頭部管の選択ができました。これって魅力ですよね。

 安くて、プロ奏者も愛用していて、頭部管の選択ができる。これって、これからフルートを購入しようかと考えているアマチュアフルーティストの心をグワングワンに揺さぶりますね。

 また、パールフルートは、その音色も良いのです。なんともクリーミーなんですね。日本の多数派を占めるムラマツフルートとは、明らかに音色の方向が違ってます。とてもドラムスメーカーが作っているフルートとは思えない(笑)。ま、それを言い出したら、ヤマハだって、本来はピアノメーカーなんですけれど…。

 私はアルタスフルートを使ってますが、これを購入する時は、最後までアルタスとパールで悩んだくらいです。趣味の笛吹きには、とても魅力的で良心的なフルートメーカーだと思います。

 女性にたとえるなら…うーむ、バリバリのロックンロール野郎を兄に持つ妹さんって感じかな? 兄さんの破天荒さとの比較でお上品に見られる事も多いけれど、実際は見かけよりもずっと気さくで親しみやすい女の子って感じかな? ま、妹キャラだな、パールフルートは。

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コメント

  1. 河童 より:

    予想通りの展開ですね(笑)
    あと3社を大関に挙げて、関脇にまた3-4社・・・
    正月が終わってしまいます。

    大関陣にはキラリと光る個性を持ったメーカーがいて世界中で活躍しているわけです。
    日本がんばれ、ソチ・オリンピックがんばれ・・・関係ないか?失礼しました。

  2. tetsu より:

    あけましておめでとうございます。

    > パールと言うと…私にとっては、ドラムスのメーカー

    私にとってはバーリントの楽器です。

    http://www.pearlgakki.com/flute/artist.html

    このリストにある方でリサイタル聴いたのはバーリントだけですが、今でもなんとなく記憶に残っています。柔らかい音色で歌い方もとてもなめらかでした。
    一瞬買い換えようかという気になりましたが、リサイタルで感動するたびに買い替えても大変で、結局まともに試奏することもなく今に至っています。
    管体はドイツ製、とか聞いたことがありますが、パールに確認したこともなく、そのままです。

    本年もよろしくお願いします。

  3. すとん より:

    河童さん

     予想通りの展開ですか? この後も河童さんの予想通りとなるか…楽しみにしていてください。

    >正月が終わってしまいます。

     一応、全7回の予定です。すでに3回終了していますので、あと4回ですよ。その4回で、どこのメーカーが出てくるか、楽しみに予想してください。

    >日本がんばれ、ソチ・オリンピックがんばれ・・・関係ないか?失礼しました。

     確かに関係はないかもしれませんが…日本がんばれ、ソチ・オリンピックがんばれ…ですよ、うん。

  4. すとん より:

    tetsuさん

     意外と言っては失礼なんだけれど、プロフルーティストでパールフルートを愛用している方って、結構いらっしゃるんですよね。tetsuさんもわざわざアーチストリストへのリンクを貼ってくださいましたが、ほんと、たくさんいらっしゃるのです。

     でも、ドラムスはバスドラに“Pearl”ってロゴが輝きますが、フルートって、よくよく調べないと、どなたがどこのメーカーの楽器を使ってらっしゃるか分かりづらいと言うのがあります。それもあって、ドラムスほどには、メーカー名が浸透しないんだろうと思います。「知る人ぞ知る」ってのは、パールに限らず、どこのフルートメーカーについても言えると思います。

    >管体はドイツ製、とか聞いたことがありますが、パールに確認したこともなく、そのままです。

     私は、パールの方に確認した事がありますが、その時はドイツからわざわざ取り寄せているとおっしゃってました。パール以外の日本のメーカーは、日本製の銀管または銀板を使っているそうです。なので、そこはパールの大きな特徴の一つなんだそうです。

  5. おざっち より:

    私が使っているバスフルートはパールです。同じアンサンブルで古田土を使っている方がおり、吹き比べてみましたが、やはり古田土の方があきらかに音に深みがあります。しかし、値段のことを考えると、パールもそれなりに良く鳴り、これはパールのコンサートフルートと共通する軽く明るい感じの音です。
    パールは、吹きやすく、万人受けのするメーカーという印象がありますが、これから伸びてくるメーカーのひとつだと思います。

  6. すとん より:

    おざっちさん

     パール、いいですね。私も好きなメーカーの一つです。

     古田土のフルートは…たぶん吹いた事ないです。でも音は聞いたことありますよ。さすがに特殊管の専門メーカーだけあって、よく響く音で鳴っていた記憶があります。

    >パールは、吹きやすく、万人受けのするメーカーという印象がありますが、これから伸びてくるメーカーのひとつだと思います。

     私もそう思います。なんと言っても、道具としての信頼性は、なかなか良いと思います。その上で趣味性もあるわけだし、お値段も安いなら、鬼に金棒でしょ。伸びないはずはないですよ。

     パールって、ほんと、商売が上手なメーカーだなって思います。

  7. tetsu より:

    > よくよく調べないと、どなたがどこのメーカーの楽器を使ってらっしゃるか分かりづらい

    フルートメーカー主催のリサイタルではよほどのことがない限り、そのメーカー、とおもっていました。バーリントはパールフルート主催でしたので。音楽事務所主催ではわかりにくいです。コンクールでは、あいまに会場でいろいろ話を聞いているとわかることが多いです。
    あと、日本国内限りで、フルートメーカー主催のリサイタルではその楽器を使い、オケでは違う楽器を使う、というのはよくあるらしいです。

  8. すとん より:

    tetsuさん

     奏者がフルートメーカーと専属契約を結んでいれば、そのメーカー品のモデルしか使わないでしょうが、そうでなければ、結構、色々なメーカーのモデルを使っているようです。ただ、楽器メーカー主催のイベントの時(つまり宣伝ですね)は、気を使って、当該メーカー品を使っているようです。あるいはメーカーが楽器を用意するのかな? その辺はどうなんでしょうね。

     専属契約を結ぶと何かと便宜を図ってもらえるので、たいていの奏者さんは専属契約を結びたがるものと聞きましたが、あえて専属契約を結ばない奏者さんとかメーカーさんもあるみたいです。

  9. 河童 より:

    この3連休はのんびりとフルート三昧ですごしています。
    メインのパール・オペラではなく、最近中古で手に入れた洋白を吹き込んで・・

    こいつはツンデレじゃなくて、平凡・ピカーでした!
    音は出しやすく・軽い音色、管体も軽いし・・でこんなものかと。
    ところが突然、朗々と艶やかに響き始めたのです。
    まるで映画版オペラ座の怪人でクリスティーヌの試しからヒロインに変化するような画面展開の感じです。
    ただし、何か食べたりしてアンブシュアが微妙に変化すると、元のこぎれいな田舎娘にに戻ります。

    パール・オペラは例えるならば超優秀な美人秘書
    洋白はちょっと内気でさわやかな田舎娘、ただしスイッチが入るとバリバリのソロシンガー

    オペラには音色的にいまいちだった頭部管が洋白では生き生きとしてきました。
    逆にオペラに合った頭部管は洋白では暴れ気味かな?
    頭部管コレクターとしてはうれしい限りです。

    この洋白でアンブシュアの調整と力を抜いて響かせる練習をすると総銀オペラがもっと綺麗な音色になりそうです。

    パールは作りがしっかりしていますね。感触に例えると顕微鏡などの精密機械のノブを触った感じです。

  10. すとん より:

    河童さん

     おそらく、その洋白の頭部管にも、よく鳴るポイントがあるんだと思います。ただ、素材や作り的に、ポイントをハズしても、それなりに鳴るように作られているのではないでしょうか? なので、普段はポイントをハズしたまま、ついつい鳴らしてしまう…と。洋白のフルートは、洋の東西問わず、価格の安さもあって初心者が手にする事が多いので、そんな感じに仕上がっているのだと思います。そして、多少ハズしても鳴るようにしてあるために、本当のポイントはとても狭くて厳しい事になっているのでは…なんて推測します。

     一見、簡単だけれど、実は奥深い…のが、河童さんの手元にある洋白さんなのかもしれませんよ。

  11. Lucifer より:

    そういえばPearlは最初に吹いたフルートでした(PF525E)。
    最初の一本だったので、値段だけで選んでいました(そもそも吹けなかったので)。

    結構吹きやすかった印象があります。

  12. すとん より:

    Luciferさん

     最初の一本目がパールだったとは、それは幸運な話ですよ。

     値段も安く、作りもしっかりしているし、音色も(好みなら)最高じゃないですか? 私も、今はアルタスを使ってますが、パールとどちらにしようかと、最後まで悩んだものです。

  13. まーさく より:

    何回もカキコミすみません。
    パールは所属してるアマチュアフルートオーケストラの
    コンミスが14Kのマエスタを吹いています。
    マエスタのプリスティーンを吹いてる人もいて
    マエスタ、オペラは優秀みたいですね。

    自分は管体銀のアルトを持ってますが、
    けっこう鳴ります。
    コスパではヤマハ以上ですよね?
    同等品ならアルタスなら倍以上の価格なのに…。

    大阪心斎橋にパールのフルートギャラリーがあるのですが
    日曜日が休み、というふざけたギャラリーです。
    あんまり商売気質ではないんですかね?(^_^;)

  14. すとん より:

    まーさくさん

     パールフルートは良いフルートだと思います。性能も良いし、価格も安くて、目立った欠点もなく、アマチュア奏者の味方だと思います。

     アルトフルートのコストパフォーマンスの高さも驚くべきモノだと思います。これは、アルタスやヤマハが高いのではなく、パールが特別に安いんだと思いますよ。

     それにしても、パールフルートのコストパフォーマンスはすごいと思います。アルトフルートのみならず、普通のフルートも、バスフルートも、ピッコロもね。なかなかこれだけの種類のフルートを製作販売できるメーカーも少ないのですが、それでこの値段ですから驚きです。例えば、ヤマハだけ、パールだけでも、フルートアンサンブルを組めますが、もしそれをやったら、楽器の総価格は全然違っちゃいますね。それくらい、パールはコストパフォーマンスが素晴らしいです。

    >あんまり商売気質ではないんですかね?(^_^;)

     パールって、売れているそうですからね。

  15. はる より:

    ストンさん、こんにちは。

    以前、私はフルートのメーカーについて、得意や不得意があったり、苦手と思うことを経験しましたが、最近は印象が変わってきつつあります。

    演奏の時に気遣う何かが違うというか、また形態によっても変わったり。

    具体的には、
    三響の時は、音が割とはっきりするのですが、倍音が少なめなので、鳴るポイントを見つけてから、音を拡張する方向で。
    オーボエと合わせるのに少し苦労しますが、クラリネット低音と合わせると輪郭が際立ちます。

    逆にムラマツは、大きく鳴るけれど輪郭がボヤけてしまわないよう、鳴るポイントから不要なものを切り取る作業をする。
    自分より周りを立てるのがやりやすいです。

    音に濃淡をつけたいなどの『こうしたい!』のところで、また違う工夫が必要になってしまって、ひとつのメーカーに慣れてしまうと、他のはどんどん敬遠してしまうようになりました。

    ヤマハは、入門機種しか持っていないのですが、中間あたりのイメージがあります。

    普通の試奏(購入を考えない)では、なかなか長時間吹けないので感じるところまでわからないです。

    ストンさんのフルートや他のメーカーも叶うならじっくり吹いてみたいです(笑)

    手持ちの楽器は
    ヤマハの入門モデルとプロモデル(21?と62?)
    三響の総銀(知人の楽器)
    ムラマツの総銀(厚管)

  16. すとん より:

    はるさん

     ムラマツとサンキョウの違い、たしかに吹き込まれた方でないと分からない視点のコメント、感謝です。勉強になりました。

     ある程度吹き込まないと分からない事ってあると思います。実は私の場合、短時間、ちょっとだけ吹いた程度では、ミヤザワフルートの良さって全然分からなかったのです。なので、以前はアンチミヤザワ派だった私ですが、オーバーホールの代笛としてミヤザワを吹いていたら、その素晴らしさに恐れ入った次第です。

     ファーストインプレッションも大切ですが、ある程度の期間つきあってみないと分からない事もある…わけで、それは人間も同じ事だと思います。

    >ストンさんのフルートや他のメーカーも叶うならじっくり吹いてみたいです(笑)

     驚くほどのツンデレってすよぉ(笑)。特にサンキョウを吹いちゃう人には、かなり手厳しいかもしれませんって。

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