今回はリアルライフが色々と忙しくてテンテコマイなので、体重測定もなければ、エッセイも書き飛ばしだけれど、勘弁してください。
と言うわけで、さっそく今週のエッセイでございます。
私が子どもの頃は、手塚治虫も石ノ森章太郎も赤塚不二夫も現役で、マンガが元気だった時代でした。私はいわゆる“マンガ世代”の人間です。毎日のようにマンガを読んで生きてました。ま、当時は、毎日毎日、良質なマンガがたくさん書かれていた時代でしたからね。
紙に印刷されたマンガも読んでいましたが、アニメもたくさん見ていました。まだアニメが毎日のように、ゴールデンタイムに放送されていた時代でした。
私は男の子でしたから、当然、マンガ(アニメ含む)と言えば、少年マンガを指します。「巨人の星」「あしたのジョー」「いなかっぺ大将」「天才バカボン」「ゲゲゲの鬼太郎」「マジンガーZ」「科学忍者隊ガッチャマン」などなど…、ああ、懐かしい。
もちろん世の中には、女の子が読む少女マンガというモノがある事は知っていましたが、そこには手を出しませんでした。だってね、少女マンガって、私が子どもの頃は、マイナーな存在と言うか、まだまだ少年マンガの亜流だったんだろうと思います。
あの頃の代表的な少女マンガ(アニメ)と言えば「リボンの騎士」とか「魔法使いサリー」とか「ひみつのアッコちゃん」だけれど、これらの作者は男性だよ。男性作家が、数ある仕事の一つとして書いていたのが少女マンガでした。「リボンの騎士」は手塚治虫だし、サリーちゃんは横山光輝で、アッコちゃんは赤塚不二夫でしょ? まだまだ正直、少年マンガの亜流って時代だよね。
アニメではなく、雑誌の方に連載されている少女マンガって言えば、顔中が目だからけの、無駄にキラキラした絵ばかりで、話なんて『誰と誰がくっついて、離れて、大ゲンカになったか』ってばかりのマンガでした。なんか、くだらないとか、めめしいとか思って、馬鹿にしてました。ってか、雑誌を開いて、あのキラキラを見ると、それだけで「うわっ!」とか思って、拒否してました。まあ、当時の男の子ってそんなモンです。
とは言え、当時の少女マンガは純愛ものが中心で、昨今の少女マンガのようなセクシャルな表現は皆無でしたから、健全と言えば全然健全だったと思いますが…それでもまあ、男の子って奴は、女の子っぽいものを敬遠するんですね。私もそうでした。
で、そんな少女マンガを馬鹿にしていた私ですが、もちろん今はそうではありません。そのターニングポイントは…『キャンディキャンディ』だったと思います。
私も当初は『キャンディキャンディ』を馬鹿にして相手にしていませんでした。それが何となく、偶然、テレビアニメを見てしまったのですね。あの頃はアニメをゴールデンタイムにやっていた時代だったので、偶然見かけるチャンスがあったわけです。で、何となく見ちゃったアニメが結構面白かったわけです。少女マンガなんて、昔は純愛モノか、継子いじめモノか、魔女ッ子モノばかりでした。
サリーちゃんやアッコちゃんは、いわゆる魔女ッ子モノね。まあ、テレビで、それもゴールデンタイムに、純愛モノをやれるほどサバサバした時代じゃなかったし、継子いじめモノは論外だしね。そうなると、コメディタッチの魔女ッ子モノがテレビ的にふさわし内容だったのでしょうね。ともかく、サリーちゃん・アッコちゃん以降は、少女アニメは、サリーちゃんやアッコちゃんの焼き直しモノばかりでつまんないなあ~って思っていたのに、そこにキャンディですよ。全然違うじゃん。主人公は女の子だけれど、少年マンガ同様に、いや、少年マンガ以上にきちんとしたストーリーがありました。知らず知らずのうちに、物語に引き込まれましたねえ。
で、アニメに引っかかった私は、勇気を出して、単行本でキャンディを改めて最初から読んでみたら、これがもう面白くて面白くて…。なんかもう、少女マンガに対する偏見が一発で吹き飛んでしまいました。最終回が、雑誌連載とアニメ放送がほぼ同時でしたが、アニメと雑誌でそれぞれに最終回に向かって盛り上がっていったのを、リアルタイムで体験した人なんです、私は。
『キャンディ・キャンディ』で少女マンガを受け入れてから、一気に『ガラスの仮面』『ベルサイユのばら』『パタリロ』『ポーの一族』『エースをねらえ』とか読んじゃいました。
まあ、それでもやはり、大半の少女マンガはくだらないと思ってましたが、その中に、たまに光る作品もあるんだなあって思ったものです。それは…今でも同じかな? 時々、すごく面白いマンガがあるんだよね。
最近の作品なら『神様はじめました』とか『海月姫』とか『うさぎドロップ』とかがいいですね。
深くはないし、案外、皆が知っているような作品を読み落としていたりするんだけれど、昔は偏見を持っていた少女マンガって奴に、老人になってから親しみを覚えているオジサンの話でした(笑)。
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コメント
ああ、すとん様は、漫画、アニメもお詳しいのですね。
私は、毎週月曜日に、ジャンプとスピリッツを買う生活を、
ここ、30年ほど、続けているような、漫画ファンです。
アラレちゃんも、ドラゴンボールも、剣心も、幽遊白書も、
スラムダンクも、リアルに知っております。
妹がいたので、大昔は、少女マンガを読む機会も多く、
ベルばら、エース、ガラスも、リアルに知っております。
キャンディキャンディ、はい、大傑作だと思います。
ある悲しいシチュエーションで、泣いてるキャンディに、
通りすがりのご老人が書けてくれた言葉、
(ネタばれ回避のために、書きませんが。)
見てて、私、涙が止まりませんでした。
魔女っ子系では、メグちゃんがいいですね。
主題歌、私のカラオケの定番です。
私史上の漫画最高傑作は、めぞん一刻。
少女漫画ではなく、スピリッツ連載で、
これも、
最近、めぞん一刻全15巻を読み返して、
はい、五代君のプロポーズ、これも涙が止まりませんでした。
漫画、いいですね。
はだしのゲン、これも最近、全巻、読んでみて、
うーん、残念。ちょっと、私には、でした、、、、、。
operazanokaijinnokaijinさん
『はだしのゲン』は悪趣味なマンガだと私は思います。原爆の悲惨さを伝えるには、その悪趣味が良い方向に働いていると思いますが、感受性豊かな子どもたちに読ませるのは、情操教育的には大きな疑問を感じざるを得ません。なのでまあ、自分で色々とモノを考えられるようになった青年期あたりに読むのなら、まだマシかなって気がします。しかし、物語後半は、左翼思想に凝り固まった、天皇蔑視の犯罪助長マンガに変貌してしまうので、こちらは読みたい人だけが読むべきマンガであって、決してオトナが子どもたちに読むことを薦めるべき書物ではない、と個人的には考えてます。
>ああ、すとん様は、漫画、アニメもお詳しいのですね
いえいえ、全然詳しくないですよ。少なくとも、ここ20年ぐらいの作品はよく知りません。『ワンピース』や『ナルト』などの世界的な大ヒットマンガですから、よく知りません。まあ、両者とも長篇作品なので、今からでは追いかける気がしないという事もありますが(笑)。
高橋留美子作品はいいですね。『めぞん一刻』ですか、私も好きです。女性作家が女性名で少年マンガを連載した最初期の方でしたよね。始めてサンデーの彼女のマンガを見た時に、絵柄が全然少女マンガっぽくなかったので、軽い違和感を感じたほどです。「この人、女性の名前だけれど、本当は男性?」なんて思ったものです。
こんばんは。
リアルタイムでは知りませんでしたが、『ポーの一族』を当時の会社の同僚の紹介されて、萩尾望都にはまりました。「11人いる」とか「ウは宇宙船のウ」(これはブラッドベリの漫画化)あたりも大好きです。
最近の作品はわかりません。フジTVで放送されていた「ウゴウゴルーガ」(漫画作品ではありませんが)とか、さくらももこの「コジコジ」、あたりと書いていたら、マジ昔話しかできないオヤジですね。
相変わらず変な話題で失礼しました。
補足です。
小学生のころリアルタイムで読んでいたのは、少女マンガではありませんが、楳図かずおの「紅グモ」とかのホラー系あたりです。それより以前にTV放送でのウルトラQに感動してしまい、その後の勧善懲悪になってしまったウルトラマン系はパスしていました。少女マンガのジャンルを知ったのはかなりあとですが、当時はプチフラワーを買い込んでいました。
tetsuさん
tetsuさん、すごいなあ。私などよりも、よっぽどマンガにお詳しい。
萩尾望都は私も代表的な作品を読みました。彼女の作品は絵柄がいかにも少女マンガであって、無骨な男子にとっては、かなりハードルが高い作品ですが、読んでみると、なかなかに骨太のストーリーが魅力であったりします。
マンガも文庫化されるようになってずいぶんたちます。古い作品でも良いモノは文庫で読むことができるわけで、本当に良い時代になりました。その点、アニメやテレビ番組は、ケーブルテレビやDVDがあるとは言え、紙のマンガほど、手軽に古い作品に親しめないのが、残念かな。
ウゴウゴルーガは、すでにオトナになってましたが、リアルタイムで(時々)見てました(笑)。ああいうノリの作品って、結構好きなんですが、なかなかお目にかかれません。残念です。
楳図かずおも、当時的には少女マンガの範疇に入る作品群をたくさん書いてましたね。楳図かずおのホラーは、その絵柄も相まって、マジ、怖いです。当時、うっかり楳図かずおの作品(どの作品かは失念)を読んで、しばらく恐怖にとりつかれていた事があります(もちろん、子ども時代の話です)。
横レス失礼します。
何ヵ月か前にブックオフで『ポーの一族』の豪華版(?というのか?)一揃いがあって悩んだ末に買わなかった(爆)のですが…安かったのに。
きちんと全編通しで読んでなくて時系列も良くわかってないので「買えば良かったかなぁ…」と今少し思います。
くらもちふさこさんとかも好きだったけどやはり望都さんが「すごい」という点では私の中では一番だったり…(ものすごく読んでる方ではないのであまり詳しくないです)
で、望都さんのwikiを見たらなんかまた「どは~…!!」と。
映画『インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア』には「こんなんありか!?』と驚きました。
マンガはぜんぜん詳しくないです。特定の作家が好きなだけですし。少年ナンチャラ系の雑誌は幼少期の立ち読みだけで買ったことないです。
エヴァンゲリオンは当時の同僚にヴィデオ貸してもらってようやく追いついたくらいです。TV放送版の最終話は感動してしまいましたが、あれはあれでサイコーでした。
毎朝、ウゴウゴルーガを見て出勤するなんて、今からおもえば信じられない時代でした。シュールですね~~、はまだ頭に残っています。「タホイヤ」、「カノッサの屈辱」あたりは本まで買ってしまいました。
失礼しました。
何度もお邪魔してすみません。
最近、東京ガスの「ガスの仮面」シリーズのCMがシュールです。「ガラスの仮面」そのものは終わったのかどうかさえ知りませんが。TVで見れないようであれば、メーカーのWWWサイトでも見れます。
YOSHIEさん
『ポーの一族』って、エピソードが時系列に並んでいない作品じゃなかったかな? 今だと、そういう小説やアニメとかも結構あるので慣れましたが、あの頃は「え? これ、話がつながってないじゃん」とか不思議に思いながら読んでいた記憶があります。
>で、望都さんのwikiを見たらなんかまた「どは~…!!」と
言われて、私も見てみました。たしかに、すごい人ですね。うむうむ。この人は、少女漫画家と言うよりも、女流漫画家って言うべき人なんだろうなあ。とにかく、ホンモノですね。
tetsuさん
「たほいや」「カノッサの屈辱」ともに、フジの深夜番組だったでしょうか? 私は「カノッサの屈辱」もそうですが、その他に「TVブックメーカー」とか「カルトQ」とか「地理B」とか「アインシュタイン」とか、好きだったなあ。あの頃のフジの深夜バラエティ、大好きでした。
おそらく、今でも深夜では面白い番組がドンドン放送されているのでしょうが、寄る年波には勝てず、最近は全然深夜バラエティを見ることはなくなってしまいました。残念。
「ガスの仮面」のCMはたまに見かけます(笑)。なんとも怪しげでいいですね。
「ガラスの仮面」はまだ終了していませんが、ここ数年は、終了に向けて、作者が精力的に新刊を出してますよ、年1冊ぐらいの速度で(笑)。