フルートのレッスンに行ってきました。二週連続して休んだので、三週間ぶりのレッスンです。いやー、ほんと、久し振り。
姉様のレッスン中にお教室に入った私です。いつもなら、姉様のレッスン直後に姉様と二人(たまに先生も加わって三人になる事もありますが)でロングトーン練習をするのですが、姉様が「今日はひどく疲れているので…」とおっしゃって、ロングトーン練習をせずに帰宅されました。
あれ? もしかして、私、フラれたの?
とにかく、先生と二人きりでロングトーン練習をした私です。しかし、オーバーホール以降、ロングトーンが楽しくなってきた私です。おそらくレンタちゃんで「ビシッと音程が合う世界」をかいま見る事ができたの原因の一つかな? なので、アゲハが手元にあっても、レンタちゃんとの世界を再現しようと詰めていく事で、音程もバッチリになってきたような気がします。
そういう意味では、レンタちゃんは私の恩人(恩笛)かもしれません。
さて、アルテ15課9章です。さすがにこの三週間、自宅でバッチリ練習してきた(大本営発表)ので、最初は『Fis-durのロングトーン』はミスブロー無しで、さらっと終了。問題は、1番の「音階準備練習」です。
三週間の自宅練習の成果もあって、低音域~中音域ではミスらずに吹けるようになりましたが、やはり高音域は、多少なりとも指が踊るし、アゲハ自体、オーバーホールから戻ってきて、そろそろ三カ月にもなるので、あっちこっち鳴らなくなってきているので、ちょっと苦労してしまいましたが…それらを差っ引いた感じで合格をいただきました。ああ、感謝です。
それにしても、ほんと、アゲハは鳴らなくなりました。調整が必要だなって事で、楽器店に調整の予約を入れたら…なんと一カ月先になってしまいました。お店にいらっしゃるお二人のフルート職人さんのうち、お一人が倒れてしまった上に、夏はコンサートが少ないので、笛吹きの皆さん方が一斉に調整を申し込んだ、と言う事もあって、いつもならすぐに予約が取れる調整が、一カ月待ちになりました。
…あと一カ月、この状態のアゲハとつきあうのか…。
閑話休題。1番の「音階準備練習」が合格したので、2番の「アルペジオ基本練習」と3番の「トリル練習」、4番の「Fis-durのスケールとアルペジオ」、5番の「Fis-durのクロマチック」までが宿題に出されましたが「忙しいようなら、ここ(3番)まででいいよ」とおっしゃってくださいました。先生に気を使わせて申し訳ないっす。
で、先生、2番の「アルペジオ基本練習」を指さしながら「これ、ブリチアルディキーを使っていいからね」とおっしゃいました。え? ブリチアルディキー? だって、Fis-durって、#系の調じゃないですか? それなのにブリチアルディキー?
「アルペジオの時は、ブリチアルディキーを使っていいよ。でも、スケールの時はダメだからね」と釘を刺されました。
で、ミニヨンエチュードは20番です。はい、またも不合格となりました。なにしろ、先生の前で吹くたびに、ダメが増えるんですもの(汗)。
今回のダメ出しは二ヶ所。一つは「指を滑らせてはいけない」事です。
この曲に何度も出てくる、十六分音符の下降音形。ほぼスケール通りだったりするので、私、一気にピャーって感じで吹いてしまうんですが、それがダメなんですね。1音1音意識して吹いているのではなく、一連の指の動きとして吹いているため、指が滑ってしまっている…とまあ、先生はおっしゃるわけです。
たとえ細かい音符の連続であっても、たとえほぼスケールどおりの下降音形であっても、たとえスラーでつながった音形であっても、1音1音、しっかり意識して吹く事。それをしていれば、絶対に指が滑る事はない…とまあ、おっしゃるわけです。
H先生がいつもいつもクチを酸っぱくしながらも何度もおっしゃる“指の動きで曲を覚えてはいけない”って奴です。“頭をカラッポにして演奏してはいけない”って奴です。それらをすると、指が滑ってしまうって事らしいのです。
なので、1音1音意識して吹くようにします(頑張ろう)。
もう一つのダメ出しは「強拍を感じて吹く」事です。これは、下から3段目あたりから出てくる、十六分音符のあたりの話です。スラーでつながった音の場合、最初の音は強めに吹き、後に続く音は弱めに吹くわけですが、だからと言って強拍を無視して良いわけではないのです。つまり、ここは音楽の自然な流れとフレーズの自然な流れがズレている箇所であって、そのズレを意図的に吹く事で、音楽として面白くなるわけなんです。
で、私の吹き方だと、フレーズの流れに乗ってしまって、音楽的には1/4拍、後にズレて聞こえるんだそうです。それじゃあダメって事になりました。
こちらの修正は…難しいです。今まで吹いていた吹き方に、強拍の強調を乗せればいいだけなんですが、それを使用すると、指がこんがらがります。ああ、私の演奏脳の貧弱さが露呈されるわけですな(涙)。とにかく、これって結構難しいです。
次回のレッスンまでに修正できないかもしれない…。
さて、今回の雑談は、季節ネタ、吹奏楽コンクールってやつです。
長年、吹奏楽コンクールの審査員を務めてきたH先生曰く「コンクールで勝つのは、簡単な事なんだよ。お金さえかければ、どこの学校でも優勝できますよ」なんだそうです。
つまり、お金をかけて、力のある指導者を揃えれば、コンクールは楽勝…だそうです。と言うのも「生徒さんは、どこの学校であっても、そんなに違わないでしょ? 違うのは指導者の腕前だけなんですよ」だそうです。
つまり、コンクールの結果というのは、学校や部活や生徒たちの努力に対してつけられるのではなく、指導者の力量に対してつけられるもの…なんだそうです。だから、コンクールに勝ちたければ、腕コキの指導者を揃えれば良しって話なんです。
まず各楽器ごとに専門のコーチを雇い、毎日指導してもらう事。もちろん“専門のコーチ”と言うのは、プロコーチであって、それもギャラの高い、実績のある人ほど良い…んだって。
楽器のコーチを揃えたら、次は練習指揮者にプロを迎え入れる事、なんだそうです。本番の指揮は学校の先生でも全然かまわないそうです。指揮者の仕事のほとんどは練習段階で終わっているからなんだそうです。とにかく、本職の指揮者をやとって、ばっちり音楽作りをする。学校の先生は、部活の練習内容にクチを出さずに、新入部員の獲得に命をかければ、それでいい…んだそうです。
それだけで、コンクールに勝てるようになるそうですが……実に、身も蓋もない話ですね。それだけ吹奏楽部にお金のかけられる学校なんて…一部の金満私立学校ぐらいでしょうね。大抵の学校では、吹奏楽部に、そんなにお金をかけられません。ただでさえ、楽器購入で金食い虫の部活なんですからねえ。
でもまあ、H先生のおっしゃる事も分からないわけではありません。音楽なんて、素人が口出しして、どうこうできるモノじゃないわけで、餅は餅屋じゃないですが、やはり、生半可な経験者による生兵法的な指導ではなく、きちんと専門教育を受けたプロコーチに指導を任せた方がいいに決まっているし、なんと言っても、プロはプロ同士の人脈って奴もあって、コンクールなんてモノの勝敗には、その手の人脈による影響力って奴も無視できないしね。
結局、強い学校もそうでない学校も、入部してくる生徒の違いって、あまり大きな違いはなくて、それを上手に育てられる指導者と、何もできない指導者の二種類の指導者がいて、上手に育てられる指導者のいる学校が強い学校になるわけで、結局は、その学校の強い弱いを分けるのは、生徒の努力や才能ではなくて、指導者の力量と顔なんだそうです。確かにそうかも。
ああ、ほんと、身も蓋もない。
ただし、アンコンとなると、また話は別で、H先生によると、アンコン対策はコンクール対策とはまた別なんだそうです。その話はいずれまた。
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コメント
身も蓋もない話ですが、好きです、こういう話。
本人のやる気があることは、もちろん大切ですが、
楽器も、勉強も、優れた指導者からキチンと指導される、
そのためには、お金をかけて、優れた指導者を招聘し、
その指導者がキチンと指導できるような環境を、
やはり、お金をかけて整備する。大切ですよね。
ここから、少し脱線しますが、
すとん様は、がっこの先生系のお仕事、と思います。
そのがっこが、私立か、公立か、わかりませんが、
上で、私、「楽器も、勉強も」と書きました。
楽器や音楽以外の、一般的な勉強も、
やはり、お金をかけて、優れた指導者を招聘すること、
すっごく大切だと思うのです。
すとん様、いかが、お考えでしょうか?
児童、生徒にとって、先生とのめぐり合い、めぐりあわせ、
ぶっちゃけ、先生の当たり外れ、って、すごく重要で、
私、かなりひどい先生にめぐり合ってしまった、との思いが。
すとん様は音楽指導者ではなくとも、
一般的な勉強の指導者でいらっしゃるわけで、
一般的な勉強の指導者は、いかにあるべきか?
みたいなご意見を、お聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか?
やはり、お金をかけて、優れた指導者を招聘するべきか?
いやいや、音楽指導と一般的な勉強指導とは、少し(あるいは大いに)違う、
というようなご意見を、お聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか?
長文ですみません。もし、失礼なフレーズがありましたら、ごめんなさい。
おしまい
operazanokaijinnokaijinさん
うーむ、ケース・バイ・ケースになるかなあ…。
一般的な勉強の場合、優秀な生徒に対しては、教師は邪魔な存在でしかないんですよ。だから、先生などはいない方が、むしろ良いのです。優秀な生徒は、自分で勝手にドンドン学んでいきますから、それを邪魔しないようにする事と、脇道に逸れそうになったら、そっと軌道修正をしてあげるぐらいで十分です。先生不要論ですね。
一方、自分で学べない生徒に対しては、先生が必要だと思います。ただし、優秀な先生と言うよりも、面倒見の良い先生が必要かな? 手間隙かけて愛情を注いでやれる教師が、自分一人では学べない生徒には必要だと思います。
学校の勉強と言うのは、教科書に書かれている事項を、理解し、それを用いて問題を解け、時には暗記できれば良いだけなので、教えてくれるのが、人であっても、モノ(教科書とか参考書)であってもかまわないのです。最低限、生徒の足を引っ張らなければ、それだけで良い教師と言えるのかもしれません。
>やはり、お金をかけて、優れた指導者を招聘するべきか?
たぶん、一般的な勉強において、その差が出てくるのは、大学以上の高等教育になってからじゃないかな? 研究者になろうと思ったら、自分の師匠はしっかり選ばないといけません。師匠選びを間違えると、人生、棒にふりますからね。
そういう点では、芸事ってのは、高等教育に匹敵するような、深い学習なんですね。
すとん様、素晴らしいご回答をありがとうございます。
>>脇道に逸れそうになったら、そっと軌道修正
>>教科書に書かれている事項を、理解し、それを用いて問題を解け、
>>時には暗記できれば良いだけ
>>差が出てくるのは、大学以上の高等教育になってから
これらは、私も全くその通り、と思います。
反対意見の方も多いと思いますが、私は、すとん様に大賛成です。
例えば、暗記、に対しては、否定的な方が非常に多いのですが、
中高生レベルの勉強というものは、ぶっちゃけ、試験でいい点が取れれば、
それでいいのだから、暗記で切り抜けたって、いい、と思うのですが、
暗記なんて、だめだ、だめだ。自分の頭が考えることが大事なんだ。
と反対されることが多くて、私は悲しく思っていました。
が、すとん様に、励まされたような気がします。
さて、吹奏楽のお話ですが。
中高生に対する一般の勉強は、すとん様のおっしゃる上記の通りであり、しかし、
中高生に対する吹奏楽指導は、一種の芸事で、高等教育に匹敵するような、深い学習と
私も思います。
すとん様、お忙しいところ、素晴らしいご回答、本当にありがとうございます。
今後も、時々、色々とお尋ねしますが、意見が異なる場合には、少し、
議論を吹っ掛けたりするかもしれません。そこはそれ、よろしくお願いします。
(ロ_ロ)ゞOperazanokaijinnokaijin(オペラ座の怪人の怪人)
operazanokaijinnokaijinさん
吹奏楽は、本来は芸事なんだと思いますよ。だから、素晴らしい師が必要なんです。でもね、多くの学校では、素人教師が片手間で部活の指導をしているのが現状なんです。顧問自身が学生時代に吹奏楽をかじっていたら、もう本職扱いなんです。
音楽科の教師が顧問をしていたとしても、素人に毛が生えたようなものなんです。と言うのも、音楽科の教師って、たいてい、ピアノか声楽を専攻していて、管楽器の事なんて、ちっとも知りませんから。まあ、多少は指揮ができるのが、本当の素人とは違うところかな。でも、それくらいなんです。
そういう意味では、日本の吹奏楽って、指導者に恵まれていないんですよ。きちんと、管楽器なり、指揮法なりを学んで、吹奏楽部の顧問になっている人って、本当にマレなんだし、そういう先生がいると、常勝だったりするんですね。
まあ、これは、実は吹奏楽に限らず、日本の部活動に共通する、問題なのかもしれませんね。