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Fis-durって、汚い調?

 フルートのレッスンに行って…来れませんでした! せっかく先生に「練習不足でもレッスンに通いなさい」と言われていたにも関わらず、お教室の灯火が消える時間になっても職場にいたら、そりゃあレッスンに行けません(涙)。残念ですが、仕方ないです。

 と言うわけで今回のブログは、レッスン記事の代わりに、フルートエッセイでお茶を濁します。

 現在、私はアルテの15課9章でFis-durと戦っていますが、このFis-durが曲者なんです。何が曲者なのかと言うと『臨時記号が多すぎて、変化音が多すぎて、指が大変!』なのは、当然の事なので、そこはスルーとして(だって、練習すれば克服できる問題でしょ:笑)。それよりも問題なのは、何をどう吹いても、Fis-durって、汚い調にしか聞こえないって事なんです。

 いやあ、私個人の問題かもしれないのですが、私が演奏するFis-durって、たかが音階を順番に吹くだけでも、実に汚いんです。なんか、音に落ち着きが無いと言うか「これじゃ無い感」がムンムンとするんですね。ありゃ、一体、何なんでしょうね?

 気のせいにするに、私のFis-durって、あまりに汚い過ぎるんですよ。いやあ、悩みましたよ。私の吹き方が悪いんじゃないかってね。まあ、確かに上手に吹けないのは事実だけれど、でも、明らかに、C-durはもちろん、F-durやG-durと比べても、汚い。どう考えても、Fis-durは汚いんですよ。

 で、色々とググってみましたところ、一つ分かった事があります。それはFis-durって、C-durから一番遠くにある調だと言う事です。

 音楽の調性の関係に、五度圏と言うがあります。それは任意の音から、五度ずつ音程を上昇または下降させていくと、12音すべてを網羅して、最初の音に戻るという音の関係の話です。まるで山手線のような関係ね。具体的に言えば、C-durを五度ずつ上昇していけば#の調になっていくわけで“C-dur -> G-dur -> D-dur~B-dur -> F-dur -> C-dur”って感じになるし、同じように五度ずつ下降していけばb系の調になり“C-dur -> F-dur -> B-dur~D-dur -> G-dur -> C-dur”ってなります。で、そういう円循環的な関係の中で、C-durから一番遠くにいる調がFis-durなんだそうです。

 で、フルートって、ピアノと違って、平均律の楽器ではありません。もちろん、現代フルートは様々な調を演奏しないといけないので、純正律でもなく“平均律の要素を取り入れたC管の楽器”って感じなんだろうと思います。

 “平均律の要素を取り入れたC管の楽器”…つまり“基本の音階がC-durで出来ているけれど、その他の調でも演奏しても大きな違和感を感じないように作られている楽器”って事でしょ。まあ、他調にも対応したC-durの楽器って事になるわけだけど、そうであっても、やはり一番基本になる調はC管である以上、C-durであるのは当たり前、そのC-durの楽器で、一番遠いFis-durを吹けば、そりゃあ一番無理が生じるわけだね。その無理が「なんか音が汚い…」って感じるんだろうと思います。

 何をどう吹いても、Fis-durって、汚い調にしか聞こえない…という私の感覚は、まんざら間違っているわけでもないって事です。

 ちなみに、ピアノのように平均律な楽器だと、当然の話ですが、Fis-durだから言って、汚い調に聞こえる…ってわけではないそうです。だって「ネコふんじゃった」って…別に汚いわけでもないでしょ? ピアノだとFis-durとかGb-dur(この二つは表記が違うだけで、音的には全く同じ調です)でも、美しい名曲は山のようにあるそうです。まあ、フルートは平均律でもなく、純正律でもなく、その折衷型の楽器だからね。両方のいい所を取り入れた便利な楽器って言えるかな?

 ちなみに、以前、純正律(ハ長調)で調律したチェンバロを弾いた事、あります。黒鍵だけを弾いている時(チェンバロは白鍵黒鍵の関係がピアノとは逆です)は、実に美しかったのですが、そこに白鍵をまぜて弾くと、とたんに違和感バリバリになります。b一つのF-durでも「あれ?」って感じがしますが、b二つのB-durになると「これはナシだな」という気分になります。Fis-durは弾きませんでしたが、きっとすごく音痴に聞こえるんだろうなあ…。

 と言うわけで、私がFis-durをフルートで吹くと、とても汚く聞こえるんです。その汚い音階を毎日毎日吹いていて、なんかテンションがむやみに下がるんですよね。それが言いたかった事です。

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コメント

  1. だりあ より:

    五度圏の輪、って、おもしろいですね。
    私は学校音楽では習いませんでしたが、六、七年ほど前に、師匠に教えていただきました。転調のある曲のときに、法則みたいなことを説明してくださったときに「五度圏」って音楽用語をはじめて聞きました。
    最初はなんのことだかさっぱりわからなかったです。が、ちょっと慣れてくると、とっても合理的っていうか、宇宙的というか、大好きなバッハさまがどこかでかくれんぼをしていたずらしているようなおもしろさがあって、ちょっと好きになりました。
    音楽って、すごく科学的なんだなあ、と思いました。

  2. だりあ より:

    すみません追加ですが、
    >私がFis-durをフルートで吹くと、とても汚く聞こえるんです。その汚い音階を毎日毎日吹いていて、なんかテンションがむやみに下がるんですよね。それが言いたかった事です。

    すとんさんの言いたかった事、わかりますわかります。そのときはアタマを相対音感に切り替えていただいて、#ファをド、と思いこんで音階を吹けば、大全音、小全音のびみょーなピッチ差に合ってくるので大丈夫だと思いますがいかがでしょうか。

  3. すとん より:

    だりあさん

     五度圏の話は…私はヴァイオリンの先生から習いました。そして「暗記しなさい」と言われました。調性もそうだし、音程もそう、五度圏を踏まえている事で、アドリブに整合性が生まれるんだそうです。これ、モダンジャズの話ね。コードネームを見て、その構成音が一瞬で分かるのと、同じくらいに大切な事だって言われました。だから、一生懸命、暗記しましたよ。今でも、なんとなく、おぼろげに覚えているくらいにね(笑)。

     それと、ヴァイオリンって、弦と弦の関係が、五度なんだよね。うまくできていると思います。

    >そのときはアタマを相対音感に切り替えていただいて、#ファをド、と思いこんで音階を吹けば

     私は凡人なので、うっかり気を抜くと、そのように相対音感的に聞こえてしまいますが、それは先生に禁じられています(涙)。もちろん、スケール感覚とか和声感とか大切ですが、あくまで♯ファは♯ファであって、ドとは感じちゃダメなんだそうです。しかし、♯ファは♯ファなんだけれど、同時にそのFis-durの根音であると感じないといけなんだそうです。

     難しいね。

     たぶん先生は、音そのものは絶対音感的に捉えないといけないけれど、同時に調性感覚も大事にしろって言いたいんだろうと思いますが…私の感覚は、そんなに鋭くないので、うっかり気を抜くと、♯ファをドと感じてしまうのですが、そう感じた途端に、先生にダメを出されます。なんか、分かっちゃうみたいなんですね。なんでも、お見通しなんですよ、あの人。

     つまり、音程をピアノ的ではなく、オーケストラ的に感じろって事だろうと、私なりに解釈しています。当たっているのかな?

  4. めいぷる より:

    Fis-durってGes-durのエンハーモニックだから、楽器の特性として一番綺麗に響く調の筈なんですが、、、(^。^;)
    Ges-durで吹いちゃえば? 笑

  5. すとん より:

    めいぷるさん

    >Fis-durってGes-durのエンハーモニックだから、楽器の特性として一番綺麗に響く調の筈なんですが、、、(^。^;)

     そうですか? となると、やっぱり私の感覚が変なのかな? フルートなんて、演奏者の感覚がダイレクトに音になると思うので、吹いている私が「???」のまま吹いているがら、出てくる音が「???」になってしまうのかもしれません。

     実際、Fis-durって、ピンと来ないんですよね。もちろん、ピアノで叩けば「はは~ん、なるほど」とは思うんですが、フルートで吹くと「???」なんです。つまり、私の中に、Fis-durという調性が無い…って事なのかな? まあ、よく分からないけれど、今日も汚いままの、Fis-durを吹いてます(笑)。

    >Ges-durで吹いちゃえば? 笑

     最初をファと思うか、ソと思うかで、確かに音の響きやらなんやらは変わってくると思いますが…Ges-durは次の10章で出てくるので、楽しみに待つことにします。…Ges-durも汚く感じたら、どうしましょう。

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