昨日は、総銀フルートに銀メッキをする話をしましたが、今日は、総銀フルートに銀メッキ…を離れて、一般的に、フルートにメッキをかける事について考えてみましょう。
例えば、洋銀フルートに銀メッキをかけること。これはとても大切で必要な事だと思います。なぜなら、洋銀は金属アレルギーを引き起こす原因となる物質を含んでいるからです。それに対して、銀はアレルギーを引き起こしにくい金属です(それゆえに食器に用いられます)。この洋銀フルートに銀メッキをかけることで、少しでも金属アレルギーを防げるなら、それに越したことはありません。誰でも、安心安全に音楽を楽しみたいものですからね。
洋銀フルートに金メッキをするのも同じ理由で良いことだと思います。
ただし、洋銀フルートの場合は、銀メッキがしてあっても、金メッキがしてあっても、電蝕の影響で必ずメッキの下の洋銀が錆びますので、常に丁寧な手入れが必要です。
では総銀フルートに、高級素材である、金メッキやプラチナメッキはかけるのは、どうでしょうか?
安心安全面から言えば、メッキをする理由は全くありません。銀も金もプラチナも、金属アレルギーとは縁遠い金属ですからね。
では、音色的な問題で考えてみましょう。総銀フルートに金メッキをすると、ほんのちょっとだけ、音色がゴールド風味になるとか、プラチナメッキをすると、プラチナの音がすると言います。科学的な証明ができるかどうかは微妙だと私は思いますが、多くの人が口をそろえて言いますし、確かに同じ作りの楽器にメッキをかけると音色も若干変化する(ムラマツやアルタスで確認できます)ので、単なるフラシーボ効果とは違うような気がします。ただ、あくまでも“~風味”と言った感じのマイルドな音色変化だと思います。
それに、金メッキ…これは我が愛するアルタスが、最近は力を入れている分野です…おそらく金メッキフルートは売れるのでしょうね。それだけ需要があるというわけです。
音色の件は別にしても、この不景気ですから、たとえメッキでもゴールドフルート(に見えるフルート)を安価に所有したいという人が増えているのだと思います。それはそれでいいんじゃないかと思います。金メッキを施すことで、楽器に高級感が生まれ、それでオーナーさんが精神的に幸せになるなら、端で文句を言う筋合いではないでしょう。なにしろ、ゴールドフルートを購入するよりも、金メッキフルートを購入する方が、お財布に優しい事は論を待ちません。
プラチナメッキになると、もっと現実的な問題が生じてくるでしょう。何しろ、銀は無垢であれ、メッキであれ、錆びるものです。一方、プラチナは、極めて錆びづらい金属です。ですから、このプラチナを総銀フルートにメッキしてあげることで、現実的にはほぼ“錆びない”フルートになり、いつでも購入時のピカピカが保たれます。プラチナには、そういうサビ止め効果は、間違いなくあります。
一方、銀メッキが錆づらいとはよく聞く話ですが、それは銅(簡単に錆びます)と比べて“錆びづらい”というだけで、銀もやはり錆びやすい金属である事は間違いないです。
よく聞かれる「銀メッキの銀は、純度の高い銀を使用しているので、錆びません」と言うのは、昔の話です。銀の場合、純度が低いと、合金として含まれている銅の成分が増えますから、錆びやすくなるのは事実です。その裏返しとして、純度の高い銀は錆びづらく、その純度の高い銀をメッキすると普通のフルートよりも錆びづらくなる…と、かつては言えました。でもこれは、フルート本体に、純度の低い銀を使用していた頃の時代の話で、現在の国産フルートに使用されている銀は、どれもこれも十分純度の高い銀をです。今となっては、銀無垢と銀メッキとでは、錆びやすさ(錆びにくさ)に有為な差はないはずです。
ちなみに一般的に錆びないと思われがちな金メッキですが、24Kメッキならともかく、フルートで一般的に使われている9K~14K程度の金メッキだと、実は銀や銅を多く含んでいますので、錆びます。
かようにフルートは錆びる楽器ですが、日々のお手入れを丁寧にすることで、サビサビになるのを遅らせることはできるでしょう。特に総銀フルートでピカピカを保ちたいなら、そこは肝心です。“銀の食器は毎日磨いていないとすぐ曇る”というのと、一緒です。
あと、メッキの種類ではなく、メッキそのものの効用として、メッキフルートは、銀無垢のフルートと比べて、メッキを塗った分だけ、菅厚が増して、音が少しだけ重くなるのが良いという人がいます。これは事実だと思います…が、ならば、最初から菅厚モデルのフルートにすれば…と私は思いますが、おそらくそうでなく、メッキ程度の厚さをプラスするのがいいんだと言う事なんでしょうね。
一方、フルートにメッキをかけるマイナス面は、オーバーホールの時に磨きがかけられないので、錆びてしまった銀メッキフルートや金メッキフルートは、元通りのピカピカに戻らない事が言えるかな? もし、元通りのピカピカにしたけれど、再メッキになります。無垢のフルートなら、磨けば元通りなので、そこはちょっと違いますかね。
また、プラチナメッキは、再メッキが難しいとも聞きます。磨きも再メッキもできないプラチナメッキフルートは、扱いをより丁寧にしないと…ね。
あと、メッキはやはり、悲しい事ですけれど、いずれは、はがれてしまいます。昔と比べて、メッキの技術も向上し、以前ほど、はがれやすいわけではないそうですが、それでも地金と一体化しているわけではないので、時が経ち、演奏しているうちに、結局、はがれてしまいます。プラチナメッキや銀メッキでは、メッキがはがれたとしても、メッキと地金の色があまり違わないので、それほどメッキのはがれは、目立たないだろうけれど、金メッキはメッキがはがれると…すごく目立ちます。それはとても悲しい事です。なので、金メッキフルートは、扱いに関しては要注意でしょうね。
でも、メッキフルートのマイナス面って、正直、この二つくらいでしょうね。
このように考えてみると、メッキをかける事の、プラス面は多々あるけれど、目立つマイナス面はあまり無いのだから、メッキフルートも大いにアリアリだなあと私は思います。
それにしても、フルートにメッキをかけるというのは、いつ、どこから始まった事なんでしょうね。
コメント
フルートのことはわかりませんが、中学生の時に使っていた学校のサックスの話です。
私が使っていたアルトサックスはメッキが少々取れかけていましたが比較的綺麗でした。
先輩のアルトサックスはまったくメッキが取れた状態でくすんでいました。
いや、メッキ加工されていたのかどうか疑問です。
まったくメッキの跡はありませんでした。
古くなった真鍮(ブラス)があんな色ですが、すごく汚く見えました。
マウスピースは金属ではないのでかぶれることはないと思います。
楽器でかぶれるなんて考えたこともなかったのですが、すとんさんのブログでそういうこともあるんだなあと思いました。
まあサックスの場合は洋銀でも銀でもないので関係ないですか?
真鍮は新品の色が好きです。
良い音色の真鍮の熊鈴を購入し(熊よけのためではないですが)、作った方と何度かメールをしましたが、古くなった真鍮の色も良いです・・・と言われました。
でも私はやっぱり新品の綺麗な状態が好きかも。
熊鈴のおかげで少しだけ鋳物の知識が入ったような気がします。
そういえば、サックスのキー(?)が取れたことがあったのですが、指導者である音楽の先生がご自分で半田鏝でくっつけてしまいました。
楽器屋さんに頼むほうが良いのでは・・・と心配でした。
とりあえず音は大丈夫でしたが・・・。
きっとお金の問題でそうされたのでしょう。(苦笑)
>Ceciliaさん
金管楽器(厳密にはサックスは違いますが、ここでは含んじゃってください)については、私はそれほど詳しいわけではありませんが、金管の場合は、メッキも多少はあるものの、その多くはラッカー仕上げなんだそうです。金色でピカピカしているのはラッカー仕上げです。つまり、地金の色を生かして、透明つや出し塗料を塗ってピカピカにしているわけです。一方メッキは、銀メッキが多いそうですから、銀色のトランペットとかが、それになると思います。
金管楽器の多くは材料として、真鍮を使っています。真鍮は銅と亜鉛の合金なので、金属アレルギーの人には大変危険な金属です。ですから、ラッカーであれ、メッキであれ、表面加工をしている事は大切なことです。
>古くなった真鍮(ブラス)があんな色ですが、すごく汚く見えました。
表面加工が取れてしまって、サビサビになってしまったんでしょうね。
どんな楽器であれ、直接人体と接する部分の金属は、貴金属にするか、貴金属でメッキするかが必要なことだと思います。だから、シロフォンとか、パイプオルガンのパイプとか、ベルとかは、人が直接触れることはあまりないですから、どんな金属でできていても良いのですが、金管楽器などは、人体に直接触れますから、マウスピースはもちろんですが、キーだってきちんとメッキしていないと怖いです。
…取れちゃったサックスのキーは…やっぱり楽器屋さんのリペアに頼むのが良いと思いますが、おっしゃる通り、お金の問題で先生が直しちゃったんでしょうね。実際に、学校現場に入ると、音楽の先生が楽器の修理を担当しているケースってたくさんありますよ。それだけ学校備品の楽器は故障や調整不足のものが多いということだし、修理や調整にはお金がかけられない、ハコモノ予算の弊害って奴なんだろうと思います。
楽器購入は学校予算で、修理調整費は部費で…なんて学校も少なからずありますよ。
サックスは、古くなるほどいい音が出ます。ノンラッカーのサックスがありますが、ワザと腐食させて渋い音を好む人がいます。またビンテージ物のアメセルは200万円位の値が付いています。そこへいくとフルートは新品のピカピカのキンキラキンがいいですよね。[E:happy02]
フルートにメッキ、というよりブラスにメッキ、は割と昔からあるような。理由はやっぱり、さびさびがかっこ悪い、からなのでしょうか。でもブラスにメッキはそれ以外の面では最近はあまりよしとされないような。
ファゴットなどの楽器は無垢の木だといい音がするけどオケなどの演奏には響きがたりないのでラッカーをかけるそうです。ラッカーの色は好みらしい。(ファゴット奏者が演奏会で話していた。)
純度が高いから、ではなくて、サビを極力押さえたメッキというのは存在するようですね。楽器でそれを使っているかどうかは分からないですが。確かにわたしの楽器、みがけてないところもさほど硫化銀色になってないです。吹奏楽時代の学校楽器も、銀メッキされている楽器はさほど変色していなかった。
しかし、単に変色防止なら、ロジウムをコーティングすればいいだけな気がします。(宝飾品の銀・プラチナ・ホワイトゴールドにはロジウムメッキをします。地金の色とちがうのだけど。)
ちなみに銀アレルギーはわりとふつうにあります。わたしの妹も銀はダメです。金やプラチナになると数はぐっと減りますが、やっぱりあります。銀アレルギーだから金の楽器、という人は、多くはなくてもいるかもしれないですね。
追伸:ロジウムはえらい高いんだった・・・
>はっチャンさん
>サックスは、古くなるほどいい音が出ます。
ほう! なるほど。確かに、サックスのラッカーをわざわざ剥がしてサビサビにして使うプレイヤーが少なからずいらっしゃるのは、そういう理由なんですね。渡辺貞夫氏は古い楽器がお嫌いで、常に新しい楽器に持ち替えるという話を聞いて、サックスは新品ほど良いのかなっと思ってましたが、これはどうやら誤解のようですね。渡辺氏の趣向が「新品大好き」なんでしょうね。
>そこへいくとフルートは新品のピカピカのキンキラキンがいいですよね。
あ、ごめん。そこは私とは違う。もちろん、ピカピカの楽器がイヤというわけではなく、やはりピカピカは好きなんですが、フルートの場合は、錆びて真っ黒になったモノの方が音が良いと聞きます。実際、黒サビフルートの音って、なんともいい感じに私には聞こえます。
アゲハを調整に持って行くたびに、楽器店の方やアルタスの営業さんたちがアゲハの胴内を見ては「いい感じに黒ずんできましたね…。これからドンドン音が良くなっていきますよ」と言われると、ああ、早く錆びて真っ黒にならないかなって思っちゃいます。
銀は錆びると硫化銀という物質に変わるのですが、これが真っ黒で硬くて重い金属らしいです。この硫化銀に自然メッキされた総銀フルートは音が良いと言う人がいるんですよ(半分くらいは都市伝説かもしれまんが…)。で、私はこの、音が良くなる作用があると言われる硫化銀による自然メッキで、黒々したフルートに憧れているんですね。なので、私は錆びたフルートが憧れなんですよ。ただ、硫化銀の黒さって、まるで炭のようなツヤ無し黒でお世辞にも美しくはないので、いっそ、中は漆黒のままのサビサビにして、外側はオーバーホールの度に磨きをかけてもらってピカピカにする…なんて線を狙っています。
>神音さん
銀アレルギーの方がいらっしゃる事は知っていましたが、数はとても少ないと学びました。でも、お身内に銀アレルギーの方がいらっしゃると、とても他人事ではないですね。私は金属アレルギーで、ニッケルとか銅とは亜鉛とかは得意ではなく、そんなのに触っていると、すぐに手の皮がボロボロ剥けちゃいますが、銀は全然平気です。
金属アレルギー仲間(と言うのも妙ですが)も大抵、金とか銀とか白金とかはOKですね。あとチタンもOK。なので、腕時計も私は皮革バンド(時計本体の部分でアレルギーを起こすのでベストチョイスではないです)のものか、チタンボディ(こっちがベストです)のものを使いますよ。
銀アレルギーがあると、外食が不便でしょうね。レストランの食器はほとんどが銀食器でしょ。あと、最近は、防臭剤とか殺菌剤にも銀を入れるようになってきたので、意外なところでアレルゲンをもらいそうです。日常生活でも油断ならないですね。ご苦労、お察しします。
>銀アレルギーだから金の楽器、という人は、多くはなくてもいるかもしれないですね。
私自身が、金属アレルギーなので、洋銀系のフルートを避けて、いきなり総銀フルートに走ったのと同じ理由で、銀アレルギー(と言うことは、銅やニッケルはもっとダメでしょうね)の人なら、いきなり18Kフルートに走る…って、確かにいないとは断言できませんね。アレルギーって、生死をかかわる大事な問題ですからね。
…ロジウムって、プラチナのお仲間の貴金属ですね。そりゃあ、高いよ。楽器の銀メッキに使っているのかな?
でも、錆止め加工を施した銀メッキって、あってもいいとは思いますが、もしそういうメッキを使っていたら、メーカーが大々的に宣伝するはず(当社の銀メッキだとフルートが錆びません!とかね)なので、それがないと言うことは、普通の銀を使ったメッキなんだと思いますよ。
一応、リンクしておきます。
メッキとは関係ないですが。
アルミニウムのフルート
http://goferjoe.bygones.biz/uebel.htm
カーボンファイバー(管体)のフルート
非常に現代的
http://www.matitflutes.com/index.html
全体像
http://www.matitflutes.com/06reach.html
そう言えば、このMatit、
キーにスプリングを使わずに、
磁石を使って反発させているようです。
その他、詳細は英文を読んでください。
>ひょっとこさん
見ました。二つともなかなか、特徴的なフォルムのフルートですね。
アルミ(銀メッキですね。アレルギー予防でしょうか)の方は太くって、フォルム的には木管ぽくっていい感じです。ただ、アルミというと“軽い”という印象がありますが、532gなら、それほど軽くないですね。やはりメカや頭部管が銀なので、そんなに軽く仕上がらなかったのでしょうね。
対して、カーボンファイバーのフルートは、おもしろいです。カーボンなら、アレルギーはないでしょうし、なんとなく音も(木管ぽい音が)期待できます。キーがバネでなく磁力というところがちょっと気になりますね。キータッチはどうなんでしょうか? 柔らかすぎたりしないのかな? あと、磁石が砂鉄やゴミを寄せてしまうんじゃないかと、ちょっと心配です。ほら、私“砂まじり”な場所に住んでますから、そこらに砂鉄が散布されているような場所なんですよ。あと、磁石とパソコンって相性が悪いそうだし。
でも、ちょっと興味ありますね。特にカーボンファイバーの方は。
>銀は錆びると硫化銀という物質に変わるのですが、これが真っ黒で硬くて重い金属らしいです。
硫化ですから、汗に硫黄分が多い人は早く黒くなるらしいです。
それ以上に早く黒くしようと思えば硫黄泉の近くに持っていくとてきめん黒くなるそうですよ。昔温泉に営業に行ってフルートが真っ黒になってしまったとおっしゃっているプロがいらっしゃいました。本当にびっくりするくらい短期間で黒くなったそうです。あとは自動車の交通量が多い地域も、排気ガス中の硫化物の影響だと思いますが黒色化が早いとか。
おっしゃる通り、自然硫化銀メッキは表面が硬くなるので、音色に影響すると思います。硫化銀より硬く重いプラチナでメッキをした楽器を使っていますので、科学的根拠がなくても言わせていただきます(笑)。そうでないとせっかくの出費が無意味と認めてしまう事になりますし(笑)。
冗談はさておき、科学的な説明は出来ませんが硫化銀やプラチナで表面を硬くした楽器は、音の輪郭がハッキリするように私は感じています。PTPは、カタログに書いてあることが本当ならADにプラチナメッキした物です(今のPTPはDSにプラチナメッキですが、私の楽器はAD世代なので)。本当にただADにプラチナメッキをかけたものなら、ADは何本か試奏した事があるので比較できるのです。PTPの方が明らかに音がハッキリしていて、レスポンスも早いと感じます。
外観については確かにプラチナメッキはいつまでたってもピカピカですね。年に一度だけお手伝いに行く楽団があるのですが、そこでは行くたびに毎年のように「また楽器買ったの?」と訊かれます。いくらなんでも毎年新品のフルートが買える訳はないでしょう、去年と同じ楽器ですよと毎年答えるのですが、見るたびに新品に見えてしまうらしいです。
木管の素材って、乾燥に長い時間(20年くらいでしたか?)をかけるので、将来のことを考えて新素材の研究をしているのだとききました。
金属も同じくメッキを含めて研究しているのでしょうね。
メカもそうでしょうね。
新しい楽器を選ぶ奏者(ナベサダさんや大山日出男さん)は、その技術を買っているのでしょう。
アメセルマーク6は有名なプレーヤーが使用しているので、素朴な感覚として憧れます。
(セルマーリファレンスは、どうなんだろう?)
ラッカー剥離中(剥離剤を塗ったところ)の画像をみましたが、透明なものがメラメラと浮き上がっていました。
おもしろいですね。
ラッカーなしの楽器を希望する方は、新しいラッカーなしの楽器を買うのではなく、そういう方法もあるそうです。
ググってみると、剥離後に塗装している人のサイトが出てきました。
銀無垢のフルートを持っていると、メッキや塗装なんてことは考えられません(私の場合)
金属劣化や硫化による音色の変化があるのなら、時間をかけてそれを楽しみたいです。
NHK BS1で、今日、2/9 (火) 21:10 ~ 22:00に
「合唱団(クワイア)を作ろう」なんていう
番組が放送されますね。
イギリスのドキュメンタリーとのことです。
イギリス的な皮肉もあるのかななんて
とりあえず見てみようかと。
面白くなかったらごめんなさい。
「錆」は酸化の事をさしますが、銀や銅が変色するのは硫黄イオンと結びつくためなので「硫化」と言わなければなりません。
また洋銀に含まれるニッケルが金属アレルギーの原因となる事は確かですが、銀でも体質によってはアレルギーが起こります。
洋銀に銀メッキをかけると電位差によって腐食(ぽつぽつと吹出物ができたような状態になる事)が起こる事は避けられません。ニッケルメッキならこうしたことは起こりませんが、金属アレルギーのある人は使えなくなります。
ちなみに白銅貨である五百円硬貨はやや成分が異なるものの洋銀(洋白)です。
>詩音さん
私はムラマツのDSとPTPを並べて置いて、交互に試奏した事がありますし、アルタスの1307とGTPも並べて置いて、交互に試奏した事があります。それぞれ、元の総銀と、それに単にプラチナメッキをしただけという関係のモデルですね。
吹いた感じは、確かに個体差以上の違いがあると思いましたし、元の総銀とは音の傾向が、それぞれガラっと変わった事が分かりました。私はメッキの力を信じてますよ。プラチナメッキの場合は、メッキをするとパキっとした音になります。ただ、この違いは、フルート吹きには分かるでしょうが、観客は客席で聞いていて分かるかと言うと、微妙だなって思いました。
あと、パキっとした音は、好みが大きく分かれそうな気がします。でも、遠鳴りはしそうな感じがしました。
>早く黒くしようと思えば硫黄泉の近くに持っていくとてきめん黒くなるそうですよ。
ははは、ウチの近所で言うと、箱根に持っていけば、てきめん真っ黒ってわけですね。なにしろ、ゆで卵も真っ黒になる場所ですからね、フルートなんて、本当にあっと言う間に真っ黒けのけでしょう。でも私は、そんな促成栽培的に黒くしたいわけではなく、じっくりと湘南の潮風で少しずつ黒くしてゆきたいので、箱根にはフルートを持って近づかないことにします。
>アリサさん
>新しい楽器を選ぶ奏者(ナベサダさんや大山日出男さん)は、その技術を買っているのでしょう。
あ、なるほど。楽器の世界も、その技術は日々進んでいますから、最新の技術で作られた楽器をチョイスするのも、プロならばアリですものね。
サックスは詳しくないのですが、実に色々な塗装のものがありますね。普通に金色や銀色だけでなく、青とか赤とかピンクとかのサックスまでありますからね。私は見たことはありませんが、もしかすると、絵を書いてあるサックスもあるんじゃないかって思うくらいです。
>銀無垢のフルートを持っていると、メッキや塗装なんてことは考えられません(私の場合)
実は私もそうです。別に他人のメッキフルートをどうこう言うつもりは全くないですが、私のフルートも銀無垢ですから、メッキや塗装よりも、じっくり硫化してくれるのをワクワクしながら待っています。
>ひょっとこさん
「合唱団をつくろう」はビデオに取ってます、後で時間ができたら、一気に見ちゃおうと思ってます。
今回のものは、月曜日(つまり昨日)は前シーズンのダイジェストで、火曜(今日)から新シーズンのはず(なにしろビデオに取っているだけで確かめてませんので、断言できません:笑)です。今週いっぱい放送しているはずです。一応、連続ものですよ。なので、明日も明後日も欠かさずに見ましょう(笑)。
前シーズンでは、結構、健気にマジメに真剣に合唱団を立ち上げてましたよ。今シーズンはどうなんでしょうね。私も楽しみにしているシリーズです。
>面白くなかったらごめんなさい。
いえいえ、少なくとも、前シーズンは、とびっきりにおもしろかったです。
>センニンさん
そうですか「錆び」という言葉は、「酸化」限定用語でしたか、それは不勉強でした。私たちの生活感覚では、金属が曇る事を一般に“錆びる”と呼びますので、まあ、そんな感覚で「錆びる」という言葉を使いました。厳密には「錆びる」ではなく「酸化する」「硫化する」というべきなんでしょうね。正しい知識をありがとうございました。
>洋銀に銀メッキをかけると電位差によって腐食(ぽつぽつと吹出物ができたような状態になる事)が起こる事は避けられません。
そうなんですよ、実は我が家の寝室のドアノブが金メッキ(地金は不明)なんですが、こんな感じで電蝕しちゃってます。ま、かっこ悪いですが、ドアノブを取り替えるほどでもないので、放置してますが、あまり気持ちの良いものではないですね。
>ちなみに白銅貨である五百円硬貨はやや成分が異なるものの洋銀(洋白)です。
そうそう、五百円玉って、銅貨なんですよね。ちなみに、五十円玉も百円玉も銅貨なんですよね。私は銅貨って、五円玉と十円玉しかないと思ってました。で、五十円玉以上は銀貨だとばかり思っていたのですが、実は全部銅貨なんですよね。つまり、日本には銀貨・金貨は流通していないんです。何かの時に調べて、びっくりした記憶があります。
>日本には銀貨・金貨は流通していない
現時点では、そうですが、
明治には、金貨もあった(これは、観たことも、持ったことも無い・・;)
昭和にも、銀貨があった(鳳凰がら・稲穂がら、2種類)
鳳凰・稲穂、銀貨は、溜めましたです 現在は見かけません><
>ととさん
さっそく色々とググました。へえ、本当に金貨も銀貨もあったんですね。でも、リアルに見た覚えないです(笑)。銀貨の方は、Ag600だそうです(銀以外の成分は銅と亜鉛)。いわゆる“コインシルバー”ってこの程度の含有量なんですね。フルートで使われている銀が、おそろしく高純度な銀なんだって分かります。
しかし100円玉がAg600だなんて…、きっと材料費は100円以上になりそう。あ、だから、銀貨を辞めたのか! 納得。
通貨以外にも、記念貨幣が発行されています
昭和天皇の「天皇陛下御在位六十年記念金貨」も発行されました 銀行で金貨と現金を等価交換出来たのですが、勤務時間中で交換出来ませんでした(すとんさんより歳上??かなぁ? アハハw)
純金の記念貨幣で、差額は日本国の丸儲けだったはずが、偽金貨が大量に輸入され、国家の大損になったそうです(wiki:「記念貨幣」「天皇陛下御在位60年記念金貨大量偽造事件」より)
話それちゃって、すみません ペコm(_ _)m
>ととさん
「天皇陛下御在位六十年記念金貨」と、そのフィーバーぶりは知ってますよ。そうでした、これは金貨だったんですね。私には貨幣とか切手などの収集癖がないため、「天皇陛下の御在位60年を記念した10万円玉が発行されるらしいねえ…」「ふーん」で終了しちゃいました。
実は、当時はまだ大学で、研究者見習いみたいな生活をしていたので、お金に縁がなかったというのが、本当の言い訳かもしれませんね。なにしろ、私の中では赤貧な時代でしたから(笑)。
>話それちゃって、すみません ペコm(_ _)m
あ、気にしなくていいですよ。私も色々と学べました。むしろ、感謝です。
コインを集めていた頃を思い出します。
鳳凰の百円銀貨なんて昭和30年前後の話が出てきて、懐かしくなりました。
黒くなったのを傷つけずに磨くには、ゴムの消しゴムが一番でした。ピッカピッカになりましたよ!!
さすがにフルートを磨くにはメカに良くない力が加わりそうで危険ですが。
温泉にフルートを持って行って黒くする・・・ムラ無く均一に黒くなりそうでこれも魅力的な・・・・ハハハ
>河童さん
コインとか切手とか切符とかペナントとか絵はがきとかベーゴマとかメンコとかポケモンカードとか…。とかくコレクター気質の方は色々なものを、それこそマニアックに集めてますよね。そういうのを拝見して、はぁ~とため息をつきながら、すごいなあと感心するのが、私の立ち位置でしょうか? いや、ほんとに、私には収集癖がないんです。
ただし、収集癖が無いくせに、書籍とレコードとCDは、足の踏み場も無いほどにあります、不思議ですね(笑)。
>黒くなったのを傷つけずに磨くには、ゴムの消しゴムが一番でした。ピッカピッカになりましたよ!!
消しゴムだと消しカスが残りますか、今なら「化学スポンジ[メラニン・スポンジ]」がいいんじゃないでしょうか? いわゆる「ゲキオチくん」って奴です。あ、でも、やっぱり傷が付くかな? あのスポンジってかなり固そうだもんね(笑)。
現在日本で発行されている硬貨の成分は次の通りです。
一円:アルミニウム。
五円:真鍮(黄銅)。
十円:青銅(通常の青銅《銅と錫》に亜鉛が加えられている)。
五十円、百円:白銅(ニッケルと銅)。
五百円:ニッケル黄銅(ニッケル、銅、亜鉛)。
「錆」はもっと正確を期するなら「鉄が酸化する事」です。銅が酸化すると緑色になります(緑青が生じる)が、これを「錆びる」とは通常言いません。
ひょっとこ さんのコメントにあります Uebel はオリジナルではないですね。オリジナルの材質はアルミニウムでなくアルミ合金で、表面をアルマイトで処理してあります。うちに一本ありますよ。これと同じ銀メッキにされてますが。
http://music-1000.blog.so-net.ne.jp/2009-01-27
この記事の前に Matit も掲載しています。
http://music-1000.blog.so-net.ne.jp/2009-01-26
>センニンさん
十円玉は青銅なんですね。ちっとも青くないですけれど。いや、むしろ赤いけれど、あれで青銅と言う名称なのはおもしろいです。きっと、何か理由があって、あの赤い金属を“青”銅と呼ぶのでしょう。興味深い話です。
「錆び」は厳密に言えば、センニンさんがおっしゃる、鉄の酸化還元作用のうちの酸化現象の事を言うのが正しいのですが、日常レベルでは「黒サビ」「白サビ」「青サビ」「赤サビ」などの言葉があります。また、これらによって金属から腐食生成されるモノも「サビ」と呼びます。これらの言葉は科学的には正しくないのかもしれませんが、日常レベルの言葉として容認してくださると感謝です。
それはさておき、センニンさんが色々なフルートを持っていらっしゃるのは、なんとなく想像してましたが、あのアルミのフルートもご所持でしたか。吹き心地や音色はいかがですか? ほんと、色々なフルートがあるものですね。私は物好きなので、そういう変わった笛、珍しいフルートを触ってみたい、吹いてみたいという欲があります(コレクション欲はありませんが)。なんか、話を聞いているだけで、ワクワクするんですよ。
カーボンフルートもどんな音がするんでしょうね。それと、マグネットが仕込まれているキーシステムは、通常のバネのシステムと比べて、レスポンスに不安はないのでしょうか? 色々と気になって仕方ありません。もっとも、私が気にしても、詮ないことだとは百も承知していますが…。
> それにしても、フルートにメッキをかけるというのは、いつ、どこから始まった事なんでしょうね
単に表面保護と光沢が、主眼点ではないでしょうかw
おもいっきり例が古くなりますが、陶磁器に上薬(彩薬)をかけるとか、家具に漆を塗って仕上げるとか。。。。。。。
人は、太古から光るものに憧れてるんじゃないかなw
(宝石もキラキラしてるし)
竹の笛(篠笛・能管など)も漆を塗って本体を保護してます フルートについても、同じ発想ではないでしょうか?
(木管フルートはどうなってるのかしりません・・)
あ! フルートでは、ないのですが、世の中ガラスの横笛も作られています 品名:「ホール クリスタルフルート」(強化ガラス)んと、指穴が7つ(左手3、右手4)D管・G管(fl音域)・C管・D管(ピコロ音域) 柔い好い音です
ここで、演奏が聴けます
http://crystalflutes.at.infoseek.co.jp/m.htm
>ととさん
>単に表面保護と光沢が、主眼点ではないでしょうか
まあ、メッキの役割って、たいていソレなので、やっぱりそうなんでしょうね。あと、フルートにメッキをかけ始めた時代は、まだフルートに高純度の銀を使用することが無かった時代なのかもしれませんね。昔のフルートなら、銀は高級品(今でも本来そうなんですが…)で、プロ奏者ですら、洋銀や真鍮のフルートを使っていたわけですから、その時代に銀メッキと言うのは、とても大切で意味深い事なのかもしれません(あくまで、私の推測ですが)。
漆はメッキというよりも、ラッカー仕上げのようなものだと思います。つまり、金管楽器にラッカーを塗ってピカピカにする…あれですね。あと、木管フルートは…現物を見る限りでは、丁寧にヤスリがけをしてオイルで塗って仕上げる…ような気がしますが、実際のところは、どうなんでしょうね。
クリスタル・フルートは、興味はありますが、フルートとは似て非なる楽器であると私は理解してます。つまり、ファイフとかリコーダーなんかと同じ位置づけです。まなじ似ているので、近づくと火傷しそうな気がするので、私は敬して遠ざけることにしています(笑)。いやあ、下手に近づくと、ドツボにハマりそうで怖いです。