私のフルートにおける弱点とは……まず下手くそな事。次に才能がない事。でも、これを言い出したら“全面否定”になってしまうので、とりあえず、この二点については、目をつぶる事にして、別の弱点について考えてみよう(笑)。
私の第一の弱点は…『経験不足』かな? 何しろ、オッサンになってフルートを始めたわけだし、始めてからのキャリアだって、まだまだ短い。練習してきた時間も短ければ、本番と言われるものだって、ほとんど経験がないわけだし、誰がどう見ても経験不足は否めない。やはり、ある程度の練習量をこなして、初めて見えてくる世界と言うものがあるわけだし、本番を重ねる事でしか学べない事だってある。学生の頃からやっている人は、練習量も豊富だし、本番経験だって豊富だからね。グチを言っても詮ないことだけれど、スロースターター的には、後悔ばかりが先立ちます。時間というものは、逆さまには流れないものだからねえ…。
私の人生は幸せな人生だったと思うけれど、悔やむ事は多いです。これでも悔いる事の無いように生きてきたつもりだけれど、今の視点から見ると、悔やむ事ばかりです。フルートの件にしたって、そうです。もしもタイムスリップできるなら、若者だった私に、色々とアドヴァイスをしてあげたいです。
閑話休題。次の弱点は、経験不足とも関連するけれど『アンサンブル能力の欠如』かな? ってか、そもそもフルートでアンサンブルなんて、ジャズバンドの人に数回遊んでもらった程度だもの。いわゆるアンサンブル能力なんて、私には、ほぼ無いに等しいです。
『読譜力が極端に低い事』 まず、初見は厳しいですよ。初見が利かないようでは、セッションでは遊べません。初見能力は必須なのに、全然低いのは問題です。
さらに言うと『参考音源を聞いても、全くメロディーのイメージが浮かばない事』 いや~、そりゃあ見事なくらい、ノーイメージなんです。楽譜を見ながら、音源を聞いて、ようやく『???』が『?!?』になる程度、楽譜も読めなきゃ、耳も悪いってわけです。
たぶん、私は、そんなに“フルート音楽”そのものが好きではないんだと思います。好きではないから、いくら聞いてもメロディがカラダに入ってこないんだと思う。少なくとも、イアン・アンダーソン以外のフルート奏者の音楽は、私のカラダに入ってきません。アンダーソンの演奏だけは、なぜか心惹かれるし、すぐに音楽がカラダに入ってきます。あ、あと、ボブ・メッセンジャーのフルートも大好きだよ(笑)。もう耳タコだよ。
ま、アンダーソンやメッセンジャーの事は横において、きっと私が好きなのは、笛ではなく歌なんだよね、少なくとも聴衆って立場になると、圧倒的に歌が好きで、笛は眼中に無いです。じゃあ、なんでフルート吹いているの? って話になると…笛の神様に呼ばれたから…でしょうね。笛の神様に呼ばれたので、なりゆきで何となく吹いている…って感じです。あと、フルートの音色は好きですよ。
さてさて、弱点の話に戻ると『暗譜ができない事』って、かなりの弱点ですね。「暗譜できない奴は、現場じゃ全く使えない」って以前、ヒイロ先生に言われたな。曲演奏って、楽譜を暗譜したところがスタート地点だって教わりました。まずは暗譜なんだそうな。
あと、暗譜ができないから、結局、マトモにフルートが吹けないんだと思います。暗譜能力って、大切な能力だと思います。
『耳コピ能力が皆無な事』 「耳コピのできない奴は、現場じゃ全く使えない」って以前、ヒイロ先生に言われました。ジャズの世界って、クラシックの世界と違って、楽譜がない事が多いんですよ。だから、音楽も口移しで伝えたりするんで、それを聞いて、すぐに演奏できない奴は使えないんだそうです。はは、私、全く使えない(凹)。
『リアルな世界で笛仲間がいない事』も弱点かな? それでも以前は、笛先生とそのお仲間さんたちに遊んでもらってましたが、先生が変わって以来…基本的にぼっち…です。ぼっちは寂しいけれど、だからと言って、吹奏楽をやりたいとは思わないし、フルートアンサンブルもパス。もっとも、私がやりたいと希望しても、あちらさんに断られるだろうから、結果的には同じ事ですけれどね。
ああ、ジャズ、やりたい…。あれ? 何が楽しくてフルートやってんだろ、私?
なんか、弱点ばかり書いていると、気持ちが凹んで、フルートを辞めたくなるので、私の長所というか、良い点を最後に書いて、気持ちを鼓舞してみたいと思います。
私の長所(?)、まずは『練習する時間、教室に通う時間が捻出できている事』かな? 現役世代である私は、本来なら、音楽に限らず、趣味なんて持てないはずなんだけれど、今は自分で自分の仕事の量を、ある程度調整できる立場になれたので、仕事をアレコレと調整して、毎日の練習時間と、レッスンに通う時間を何とか捻出しています。それでも、たまにレッスンに行けなくなってしまう事もあるんだけれどね。でも、同世代の人から見れば、だいぶ恵まれた状況なんだと思います。
あと『良い楽器を持っている』ってのも良いでしょう。アルタスの1307だよ。中級者向けとは言え、総銀フルートです。それに中級者向けと言っても、それは価格の話であって、楽器のランクの話ではありません。アルタス1307は、良いフルートですよ。どこに持っていても、恥ずかしくない立派な楽器です。恥ずかしいのは、私の腕前だけです(笑)。
それと『家族の理解がある』のもいいでしょ。私がフルートを吹いている事を、家族(と言っても妻)は理解しているし、一応ルールも決めてあるので、そのルールの範囲内で、音楽の練習のためにヒキコモリになっていても、妻はきちんと受け入れてくれている。やはり、大人の趣味は家族の理解がないと厳しいよね。そうでないと、家庭が崩壊しちゃうよね。家族に遠慮しながら、音楽の練習をしなくて済むのは、本当にありがたい事です。
ま、長所って、これくらいかな? うむ、少しだけど、前向きな気持ちになれてきました。
コメント
すとんさんへ
お久しぶりです
フルート編はいつも面白く読ませていただいています
私も 老いた犬ですから
ここ2~3年で お腹で吹くことができて
まともな音(思っているのは自分だけかもしれないが)が
だせるようになりました。
「好きではない」…そうなんですよね、一番きらいなのはテクニック重視のエチュードですね。
曲だと、先生に「歌なんだからうたいなさい」といわれているうちに
少しは好きになります
好きになる努力も必要なんだなと思っています
県立四季の森公園でいつも欅の木の下で
歌謡曲をテナーサックスとフルートで演奏されているお二人が
おられて
フルートはほとんど「おかず」を(TSはメロ)やっておられます
「あなたもやりませんか?」と言われてやりますが、
「おかず」は、入る間合いとスケールが多いので
(「タラ タラ タラ タラ」と16分音符が並んでいます)
難しく うまくいくと けっこう はまってしまいます。
「北の宿から」とか「なんとかブルース」って聞きなれていたんですね
「ジャズ」…吹けたら いいな
You’d be so nice to come home to
なんか いいな
ボーカルに
それこそ おかず があって
アレンジがあって
しんじ
しんじさん
私、フルート音楽を聞くのはあまり好きではないですが、演奏する方は必ずしも嫌いとは限りません。でも、それって何かゲーム感覚に通じるモノで「この曲が吹けた、うれしい」って感じで、純粋に音楽そのものを楽しんでいるかどうかは、我ながら、ちょっと不安だったりします。しんじさんのおっしゃる『テクニック重視』の曲は、クリアできるとうれしいですが、なかなかクリアできないと、イヤになります。わがままな私です。
“You’d be so nice to come home to”…楽譜持ってます(笑)。いい曲ですね。久しぶりに遊びで、こういうジャズっぽい曲でも吹いてみようかな? でも、こういう曲こそ、ぼっちで吹くと寂しいんですね。ピアニストの友達が欲しいです。そうしたら、フルートもググっと楽しくなるんだけれどなあ…。
私は・・・笛に関しては早めに始めていればそれに越したことはない・・・
と思うのですが、ピアノに関してはすごく後悔しています。
一つに・・・小さい頃にやっていたのがエレクトーンだったので
ピアノで始めれば良かったことと、
もう一つに・・・当時練習は全くしなかったので、しっかり練習を
しておけば良かった・・・と言う点2点ですね。
後は・・・私自身の後悔も多少ありますが、
せっかく持っている絶対音感の精度が良ければ良かったのに・・・
と思います。
誰でも持っている能力だと思ったので特に磨こうと思わなかったのと、
当時は初級?と言うことでハ長調の曲ばかりが多く、
私の脳内の調性がハ長調寄りに固まっている事が後悔しています。
そう・・・#や♭が増えると感度が鈍くなるのです(^_^;)
弱点としては・・・どうやらリズムが弱いようです。
フルートでもピアノでもよくリズムに関する指摘を受けます。
私自身はハーモニーとかに結構重点というか関心が大きく、
どうしてもリズムが後回しになってしまうようです。
そういう意味でも・・・環境的・財政的に厳しいですが
リズムに強くなりたいのでドラムとかやってみたいんですけどね(笑)
そんなに卑下しなくても良いじゃないですか…
この間、大好きなヴァイオリニストさんの記事があったので勢いでその雑誌を買ったのですが、その雑誌に「音楽は若くないとできないのか?」って特集がありました。結論は「違います」です。どんなジャンルの曲も「気持ちがいい」が前提。聴いてて、演奏してて気持ちが良いものが音楽だと。その記事にあったのは礼の時の和音進行と長さでしたが、なるほど、もっとやわらかく考えて良いんだと思いました
スロースターターだからって諦めないで下さい。確かに厳しい面もあるかもしれません。でも、人生経験豊富な方はそれだけ色々な感性があると感じていますし、若者には敵わない部分も多々あります。クラシックピアノでは、ベートーヴェンのソナタは人生経験豊富な方の方が良い演奏をしています(相対的に)
何を書きたかったのかよく分からなくなってしまったのでこの辺にしますが、フルートを捨てたくなったら捨てていいと思います。やりたければまた戻ってきますから
蛇足。私の楽器(A1407)は、他のメーカーなら100万近くする楽器だそうで、その下(A1207)は80万が相場だと楽器屋の知り合いに言われ…
アルタスは値段を見てはいけないんだなって思いました(笑)
長々と図々しいコメント失礼しました
神楽坂雪華さん
時間は逆に流れませんから、悔いても仕方ないのですが、もう私はアラフィフですからねえ。私が源義経なら当然としても、織田信長や上杉謙信でも、とうに死んでいる年齢なんです(笑)。せめてアラサーで、少なくともアラフォーで音楽を始めたかったですよ。
ってか、実は二十代で一度音楽を趣味として本格的に始めたんだけれど…色々あって、音楽に嫌気が差して、その後20年ほど音楽から遠ざかっていたのがいけないって言えばいけないのですが…。
ピアノかぁ…それこそ19歳の時に一度始めたのですが、その時点でスロースターターである事を自覚して辞めちゃったんですよね。今思えば、実にもったいなかったです。
リズムかぁ…私もよく分かんないや。とりあえずボサノヴァのリズムなら何とかついて行けたけれど、モダンジャズのリズムは結局分からず終いでした。私はもう一度、ジャズの先生について、ジャズの勉強をしたいなあ…って思います。ジャズも勉強しないと分からない部分がたくさんありますからねえ…。
音羽響さん
卑下はしてないですよ(笑)。結構、冷静に見つめているだけです。ま、プロになるわけではないので、自分が楽しくやれれば、それはそれでいいや程度には思ってます。でも、根が真面目ですから、なんかこう“秘めたる向上心”って奴があるのですが、それを満たす事のできない不甲斐なさみたいなものがあるんです。
要するに、本音で言えば、ババンと上達したいんですよぉ(笑)。
>フルートを捨てたくなったら捨てていいと思います。やりたければまた戻ってきますから
うん、それは正解ね。でも、戻ってきた時に、捨てていた時間を激しく後悔するんですよ。そこで後悔するくらいなら、いやいやでも続けていた方がマシだと、この年になると、そう思うのです。あ、別にフルートをイヤイヤ続けているわけじゃないですよ(笑)。
アルタスは銀の楽器で勝負をかけているメーカーです。フラッグシップモデルも総銀フルートです。他のメーカーのように、ゴールドフルートをフラッグシップに掲げているメーカーとは、総銀フルートに込める気持ちと技術は、全然違うんだと思います。私は『総銀フルートならアルタスがベスト』と、勝手に思ってます。