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フルートの支持について

 フルートの支持…つまり、フルートをどう持つかという話。むろん、演奏中の話ですが、基本は三点支持だと思います。

 三点支持…右親指、左人差し指付け根、下アゴ、の三ヶ所でフルートを支持する

 「なあんだ、当たり前じゃん」とおっしゃるけれど、皆さん、きちんとやってますか?

 私が初学者だった頃、盛んだった話題の一つに、フルートは三点支持と四点支持のどちらが良いかというのがありました。四点支持? はい、当時はそんな支持があったみたいですよ。で、話題的には、四点支持を押していた人の熱量もあって、四点支持が優勢だったような気がします。

 ちなみに四点支持とは、三点支持+右小指です。具体的には、右手の親指と小指でフルートをつまむように持って、それを左腕でくちびるに押し当てる…と言った支持方法です。

 おそらく、初学者や初心者の中には、知らず知らずのうちに四点支持をやっている人がいるような気がします。フルートを吹いていて、右の小指が痛くなる人、いませんか? そういう人は、おそらく四点支持をやっていると思いますよ。

 老婆心ながら、四点支持は止めたほうがいいと思います。理由ですか?

 1)カラダが痛くなるような持ち方は、そもそも間違っています。
 2)右小指を楽器の支持に使ってしまったら、低音ド~ド[E:#x266F]がうまく吹けないし、低音レを吹くと、楽器が落ちます(笑)。

 中音ド[E:#x266F](つまりほとんど押さえない)時でも安定して楽器が支持できなきゃダメなんですよ。

 さて、では三点支持なら何でも良いのかというと、違います。左の人差し指はほとんど使いません。そもそも左人差し指は運指で使っていますので、この指が気持ちよく動くためにも、左人差し指には力は入れないし、楽器の支持でも脇役でないといけないのです。

 三点支持の主役は、右の親指です。この指が楽器を支持する上での主役なのです。右親指は、適度に軽い力で、楽器を自分から離す方向に押していきます。

 左人差し指は、テコで言うところの支点になります。つまり、右親指の力を反対方向に変換するだけです。ですから、この指はあまり力を入れてはいけないし、動かしてもいけません。支点が動いちゃうテコなんて使い物になりませんからね。

 で、下アゴが作用点になるわけです。

 よく下アゴでなく下唇で楽器を受け止める人がいますが、それってどうなんでしょうね? 下唇で楽器を受け止めてしまったら、楽器で下唇を思いっきり潰してしまうことになりませんか? あと、下唇のある場所って、下の歯のある場所になるわけで、そこで楽器を受け止めていたら、歯や歯茎を痛めるし、骨格的にも凸な部分だから、楽器の安定も悪くなりませんか?

 私は、下唇のすぐ下の、下アゴにある、ちょうどフルートの太さにぴったりのくぼみでフルートを受け止めます。ここは下アゴですから、歯には負担がかからないし、凹な部分なので、楽器も安定するし、ここで楽器を支持すると、唇を潰すことなく、自由にフルートを吹けるでしょ? フルートに吹き込む息の距離や角度も、アゴを動かす事で簡単にコントロールできますし、唇を潰さずにフルートを吹くので、無意識にフルートをヒョイとアゴに当てれば、もうフルートが吹けるといった利点もあります。

 フルートは、下唇ではなく、下アゴで受けとめた方が、何かと便利だと思います。

 とは言え、フルートをどこで受け止めるかは、色々なやり方があるので、下アゴにこだわる必要はないと思います。

 例えば、人によっては(ランパルがそうだったので)頬で楽器を受け止める人もいますし、それもアリと言えばアリなんでしょうね。頬でフルートを受け止めるなんて、吹きづらくないでしょうかね? 特に頬を押さえてしまったら、循環呼吸がやりづらくて仕方ないんじゃないかしら? でも、その人がそのやり方でベストパフォーマンスを発揮できるなら、それが正解って事になるわけです。

 というわけで、フルートの支持方法としては、三点支持が標準的だし、特段の理由がなければ、三点支持でフルートを支持するのが良いと思います。

 

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コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。

    > 基本は三点支持

    仰る通りです。
    こちらは10代から個人レッスンついて(ブランクも長いですが)三点支持を直接教わったことありません。
    後日吉田雅夫の本を読むようになってようやくイシキするようになりました。
    先日現役プロオケ奏者の公開レッスンで、胴部管と足部管のポストを上に向けて管が前後に回転しない角度で三点支持するという話を初めて聞きました。
    この角度にするとトーンホールは斜め上向きで頭部管は今までよりかなり内向きになりますが慣れると楽になりそうです。今まで何やってきたんだかとおもう今日この頃です。

    失礼しました。

  2. すとん より:

    tetsuさん

     管体の向きというか角度についても、あれこれ流儀というか好みのようなモノはありますね。今の流行りは…たしか外向きじゃなかったかな? フルート自体、外向きの時に正しい音程になるように設計されているとかいないとか聞いた事があります。

     もっとも私はアルタスユーザーなので、内向きがデフォルトです。アルタスは基本設計が内向きなんですよ。内向きと外向きでは、音程もそうですが、音色も変わってきます。

     要は、安定して持ちやすく、楽に演奏できれば、何でも良いというのが私の答えですが、それが音程や音色と関係するなら、そこにこだわる人もいるでしょうね。実際、私自身は、何でも良いという模範解答を出しながら、心の何処かで「内向き、さいこー!」と思っていたりするんです(笑)。おかしいでしょ? なので、足部管のポストとDホール(右の小指を離した時に開くトーンホール)の間ぐらいが真上になります。ううむ、かなり内向きだな。

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