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結局、すとんさんは自分に甘いんですよ

 声楽のレッスンに行ってきました。一緒にレッスンに行っている妻の声帯結節の具合がちーとも良くならないので、その分、私はたっぷりめのレッスンを受けました。

 最近のキング先生(もちろん普段は優しい人なんです)は、ちいと要求が厳しいのです。「私は鬼になる!」と宣言されていますが、声のポジションのちょっとした違いや、音程やリズムの違い、イタリア語の発音の違いの細かいところに、一つ一つチェックが入ります。

 と言うのも、私が痩せてしまった(と言っても、100Kg切りをしただけですが)ので、マジメにオペラアリアに向けての練習が始まったからなんです。

 とにかく、今の私の状態では、オペラアリアなんざぁ、100年早いぜぇって状態なんですが、それを半年かけて、年が明けたらオペラアリアのレッスンを開始させるための基礎力アップをしてくださっているわけなんです。ありがたい事です。落ちこぼれないように、しっかりついていきます。

 さて、発声練習です。とにかく「常に、奥で上へ」を忘れないようにと言われました。
 とにかく、声は奥から出します。それも(ポジション的に)上の方から出します。だから「奥で上へ」なんです。

 一声出すごとに、その発声は正しいか、正しくないかと尋ねられます。正しい時もあれば、全然ダメな時もあるけれど、常に私は正しいつもりで自信満々にやっています。ところが、そういう態度ではダメなんだそうです。結果として、間違っている時があったり、正しい時があったりしても、常に気持ちとしては「まだまだ不十分」「ちゃんとできているとは言えない」「もっともっと良くなるはずだ」という気持ちでやらないとダメと言われました。

 私の欠点、それは「自分に甘いこと」です。確かに、そうですね。

 私は基本的に、常に自信満々な態度で生きている人間です。もちろん、自分が完璧だとは思ってませんが、それでも、まあまあいい線行ってるんじゃないかと思いつつ、生活しているわけです。ま、セルフイメージが良いんですよ。現状に幸せを見つけて、幸福感の中で、はんなりと生きているわけです。

 基本的に、私は満たされた人生を生きているつもりです。

 そういう人間性が、歌の時にも見えてしまうのだそうです。で、それは歌い手としては全然ダメなんだそうです。なぜなら、ちゃんとできてなくても、何となくできていればOKにしちゃったり、全然できてなくても方向が正しければ、それで満足してしまったりと、歌に対する向上心というモノが不足しているように見えるのだそうです。つまり「全然ハングリーじゃない」って事です。

 そんな現状に満足している人間に歌は歌えないのです。歌う人間は、常にハングリーでないとダメ。いつも不足感がないとダメ。常に更なる高嶺を目指していないとダメ。そうでなければ、歌など歌えないし、オペラアリアなんて、ムリムリムリ~の世界なんです。

 言われてみれば、そのとおりかもしれません。私の日々のライフスタイルは変える事はできませんが、歌に対する態度は、確かにこのままではいけません。もっと、貪欲に、もっとハングリーでないと。

 もっともっともっと…という気持ちがなければ、いつまでもハイトーンが出せないままなのも分かりますし、ハイトーンのないテノールなんて、存在価値ないです。

 もっと貪欲に歌に取り組まないと、オペラアリアは確かに歌えないでしょう。

 そのためにも、まず、声は「奥で上へ!」です。とにかく声のポジションの事だけを考えていればよいそうです。「奥で上へ!」です。大きな声を出そうとか、高い声を出そうとか、そういう欲は一度全部捨てて、ただひたすらにポジションキープだけを考えるように。それが今の私の課題です。

 それに先生がおっしゃるには、声の事は当面考えなくても、私の生まれ持った声とノドは十分強いので、しばらくの間、何もしなくても、すぐにどうにかなると言うものではないそうです。それよりも、今は声のポジションのことを常に考える。「奥で上へ」と意識すること。声の入り口と出口の距離をうんと取ること。ここがポイントなんだそうです。

 さて、次の私の欠点。それは音程が怪しい事(涙)。その原因の一つとして考えられるのが、舌根が高くなっていて、声が自分の頭の中で反響して側鳴りになってしまって、声が飽和してしまい、歌っている私自身が、肝心の音程が分からなくなっていると言うのがあります。つまり「自分の声がうるさくて、体の中で声が混じり合って、単なる騒音になってしまい、そこから音程を感じ取る事ができない」って事です。確かに、私は自分の声がうるさくてたまりません。歌い始めると、自分の声しか聞こえないもの。伴奏のピアノとか、本当に聞きづらくいですが、そういう状態で歌っているから、音程が怪しくなるのだそうです。

 まず、声は遠くに飛ばすこと。体の中に声を残さないこと。自分の声を自分の体の中から聞くのではなく、壁から跳ね返ってかえってきた声を聞くこと。そうやって音程を感じるようにすること。そのためにも、舌根を下げる必要があるのだそうです。

 そこで宿題その1です。毎日10分、鏡を見ながら、舌根を下げ続けること。ただし、舌の筋肉が釣ったら止めても良し。ちょっとやってみました。連続で舌根を下げられるのは、現在のところ、せいぜい15秒程度です。これを毎日10分ですか? 10分行く前に、絶対に舌が釣るなあ…。

 さて、コンコーネです。6番です。三回目に突入かな? 発音練習で指導されたのと同様に「ドミソ~」の部分(3~4小節など)の「ソ」は声を奥に置いたままで上を開けて歌うこと。上を開ける時に、上へ通じる道も一緒に開けること。そうしないと「ソ」は出ません。やってみると、実にしんどいです。腹筋地獄です。それに、へんなところ(奥の上…って場所なんでしょうね)から声が出る感覚が、結構気持ち悪いです。

 またフレーズには中程度の跳躍が頻発しているけれど、下の音程に飛んだからと言って、絶対にポジションは変えない。これも結構しんどい。腹筋がちぎれるかも?って思うほどです。

 ポジションキープを考えながら歌っていると、とにかくシンドイです。必ず途中でバテてしまって、最後まで声が持たないのです。ほんと、ダメだなあ。

 そこで、宿題その2。毎日、たっぷり歌ってくる事。私の場合、歌う体力が本当に少ないので、すぐにバテてしまう。合唱なら休み休みでもいいし、疲れて落ちてもどうにでもなるけれど、ソロはそうはいかない。まずは歌を最後まで歌いきる体力を身に付けないといけない。そのためにも、日々、たっぷり歌ってくる事。ラジャーです。

 それと、妻から「無駄に力が入っているんじゃないの? いかにも熱唱してますって感じに聞こえるけれど、もっと楽に自然に聞こえる歌い方の方が良いんじゃないの?」と言われました。 確かにそのとおりです。しっかりと支えを入れながらも、無駄な力を抜いて、楽に歌わないと、ダメですね。

 そんなこんな含めて、宿題その3です。コンコーネを可能な限り、ずっと先まで譜読みをして来ること。ちなみに、過去の例では、可能な限りずっと先まで譜読みをして来いと言ったら、10番先までやってきた生徒がいるそうです。はは、プレッシャーですね。

 つまり、宿題その2と合わせて考えれば、自宅でコンコーネをたっぷりやって来いってことですね。はい、そうさせていただきます。

 さてさて、トスティ歌曲で「もう一度(ancora)」です。

 まずは一回、通して歌ってみました。よく勉強していますねと、本日始めて誉められました(ぶいっ!) しかし、ブレス多すぎと注意されました。もっとブレスの回数を減らして歌うことと、ブレスの箇所をきちんと指定されてしまいました(かなり少ないです)。こんな少ないブレスで歌えるかと、表情に出したら、先生がやおら歌いだしました。「ほら、人間技でなんとかなるでしょ」 はい、そうですね。

 言葉の解釈で一カ所、指摘を受けました。二番の「Baciar(口づけをする)」はもっと優しく歌うべきでしょうとのこと。私の解釈では切望しているのだから、激しくBaciarなんですが、ここはBaciarではなく、その後の「Ancora(もう一度)」に歌のピークを持っていった方がいいでしょうとの事。「もう一度、口づけを」ではなく「もう一度、くちづけを」なのね。納得です。

 と言うわけで、宿題その4。次までに、この曲を暗譜してくること。次回のレッスンでの歌唱は、録音してブログにアップすること。そのつもりで練習してくること。

 この手の曲を暗譜するためには、まず、歌詞を詩としてきちんと暗記暗唱すること。何となく、口癖で覚えないようしてください、と言われました。

 それと、この歌は、きちんと仕上げたら、私のレパートリーになるそうです。どこかで「一曲歌ってください」と言われたら、この曲を歌うと良いそうです。それくらい、この曲は、今の私を生かせる曲なんだそうです。そうですか、がんばります。

 歌と直接関係ありませんが、服装の注意を受けました。やせてきた(約10Kg減)のだから、服装を変えて、もっとピチっしたものを着てくださいとの事。私は基本的にダブダブのルーズな服装が好きなので、痩せたのをこれ幸いって感じで、今までの服をだぶだぶにして着ていましたが、それはNGって言われました。普段から、体の線が見える服装にすることは大切だと言われました。なぜなら、体の線が見える服装だと、姿勢が悪いと格好悪く見えるから、常に姿勢に気をつけるし、お腹が出ていたらみっともないから、常にお腹を引っ込めているでしょ。それが歌にとって、大切なことなんだそうです。

 それと、ヴァイオリンに夢中になるのは結構だけれど、ヴァイオリンを練習する時間があったら、もっと歌の練習をしなさいと、歌の先生として、当然の注意を受けました。もっともっと歌の練習をしないと、いつまでたっても、オペラアリアが歌えるようにはならない。必死で歌の練習をして、なんとか今年中にオペラアリアが歌える体を作る事をこころがけてください。そのために、これからもビシビシやっていきますとおっしゃられました。

 大丈夫です。こっちもそのつもりですし、ヴァイオリンは、元々、声が出せない時間帯で練習するので、歌には支障が出ないはずですから。

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