何に関しても言えることだけれど、発声に関しても、そうなんだろうなあ…と思います。
美しい声で歌うためには、美しい声とはどんなモノなのか知らなければいけません。
高い声で歌うためには、高い声とはどんなモノなのか知らなければいけません。
低い声で歌うためには、低い声とはどんなモノなのか知らなければいけません。
強い声で歌うためには、強い声とはどんなモノなのか知らなければいけません。
軽い声で歌うためには、軽い声とはどんなモノなのか知らなければいけません。
大きな声で歌うためには、大きな声とはどんなモノなのか知らなければいけません。
……エトセトラ…エトセトラ…。
つまり「A声で歌うためには、A声を知らなければならない」という事です。で、そのA声を知るためには…そりゃあもう“百聞は一見に如かず”なわけです。いや“百聞は一聞に如かず”なのです。
要は…理屈じゃないって事なのです。まずは知らなきゃいけないのです。ではどうやって知るか…まずは一流のA声を聞く事です。モノは、まずは知らなきゃ始まらないですからね。
発声で言えば、現役バリバリの一流の外国人オペラ歌手の歌を生で聞ければ、一番いいと思います。それも出来れば“浴びるほど”ね。
そうやって、一流の歌手の発声を浴びるほど聞き「これがA声なのだ」という感覚を自分の中に染み込ませる。そして、練習では、その染み込んだA声を目指していくわけです。
これは大切な事だと思います。
山に例えて考えるなら…自分が目指す先を知らなければ、遭難してしまうでしょ? 低い山頂を目指していたら、いつまでも低いままでしょ? 違う山を目指していたら、とんでもない事になるでしょ?
だから一流を知る事は大切なのです。
問題は、日本に住んでいると、なかなか一流を聞けない事です。まず“浴びるほど聞く”事は諦めないといけません。そこで、代替品として録音があるわけですが、録音された声って、食品に例えて言うなら「鮮度が悪い」んだよね。だって保存食だもの。レトルトなら、まだマシかもしれないけれど、多くはフリーズドライか、下手すると乾物だもの。干物よ、干物。録音だと、生だけが持っている瑞々しさが消えちゃっているんだよね。
だから若い人は、どんどん本場に留学に行くべきだと思います。で、あっちで一流を浴びてくればいいのです。
まあ、私のようなアマチュア爺シンガーは…多くを望まず、できる範囲でチマチマと理想を目指していくのが身の程に合っているとも言えます。
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