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舞台で衣装を身につけて歌うことについて考えてみた

 先日、発表会で二重唱を歌ったわけだけれど…。もちろん、歌は練習を重ねて準備をして、当日は全力を尽くして歌いました。もちろん色々あったわけだけれど、それなりに頑張って歌ってみたわけです。まあ、歌に関して言えば、同じ曲で、まだ次のチャンスも、その次のチャンスも一応考えているので、更なるパワーアップを目指しております。

 なので、歌の事はさておきで、今回は衣装について考えてみました。

 次とその次の時は、同じ二重唱を歌うにしても、たぶん、今回のような衣装は身につけずに歌うつもりです。いわゆる“演奏会形式”って奴で歌うつもりなのです。だから、衣装はつけず、小道具は持って、スタンディングで上半身だけの小振りな演技を付ける程度のスタイルで歌います。

 ですから、次に本格的に衣装をつけて歌うのは、来年の門下の発表会になる予定です。

 『来年の話をすると鬼が笑う』とありますように、実際のところ、来年の事なんか、まだまだ先の話なんですが、それでも色々と思惑とか希望とか願いとか…あるわけです。私も、来年の発表会に向けて、先生に提案したい事とかあるわけです(まあ、却下されるだろうけれどね)。私の提案が通れば良し、通らなければ、また妻と二重唱をすれば良いわけだし、それに他の門下生からの提案があって、そっちの方向になるかもしれないし…まあ、あれこれあれこれ考えてみたりしています。

 どっちにしても、来年の発表会では、今年以上に気合を入れて、衣装やらなんやらを揃えていきたいなあって思ったわけです。

 今年のネモリーノの衣装は、昨年の発表会の衣装と一緒でした。昨年の衣装は、デュエット相手のNさんと相談して決めたのですが、時代設定を20世紀の前半に(つまり100年前って設定ね)し、場所もアメリカ南部の農村地方って決めて、衣装もそれに合わせてみました。いわゆる“オペラの現代的演出”って奴だ(笑)。とは言え、オリジナルの設定が、19世紀後半のスペイン・バスク地方だから、21世紀の日本人から見れば、大した違いじゃないかもしれない(笑)。

 大切な事は、若い農夫と、地主の娘という事が、衣装で分かる事…そんなところです。なので、ネモリーノとアディーナに関しては、衣装をそれ風にしておけば、舞台は遠目で見るわけだし、まあなんとかなると言えば、なんとかなるわけです。

 で、問題は次なんですね。来年、何を歌うかは…心づもりはあるけれど、まだ決定していないし、変更になるかもしれないし、予想外の曲を歌うことになるかもしれないけれど、あれこれと予想と言うか、覚悟というか、準備なるものを、ボツボツとしているわけです。

 で、その準備の一環として、衣装はどうしようか…は、もちろんなんだけれど、来年は衣装だけでなく、化粧とかカツラとかどうしようか…と悩むわけです。と言うのも、私、化粧なんてした事ないし、カツラもかぶった事ないから、心配で心配で(笑)。

 考えてみれば、舞台に立って、芝居をするんだから、衣装と小道具だけでなく、化粧もカツラも必要なのは、当たり前って言えば、当たり前。今までは、たまたま化粧とカツラの不要なモノばかり歌ってきたわけで(例えば『愛の妙薬』のネモリーノでしょ。『オペラ座の怪人』の怪人さんも化粧もカツラも不要だし『椿姫』のアルフレードなんて、衣装すらいらない:笑)、来年もそんな化粧もカツラもいらない役を歌うとは限らないわけです。

 例えば、今、候補に上がっている役の一つが黒人なんだけれど、黒人の役を歌うなら、当然、褐色のドーランを顔に塗らないといけないわけだ。当然、顔を黒くしたからと言って、それだけで黒人になるわけないから、目とか鼻とかに影を入れて、彫りを深くしないといけないだろうし…。髪型だって、黒人ならば、黒人っぽい髪型ってのがあるわけで、アフロは極端にしても、黒人が七三分けなわけないもんな。かと言って、マンガチックな化粧をすれば、やれ人種差別だとか言われるだろうから、そっち方面の化粧はできないし…。

 逆にヨーロッパの貴族とか王子様なんてのも考えているわけで、デブデブの日本の親父を、どうすればヨーロッパのお貴族様に見せられるか、考えてしまうわけです。金髪のカツラは必要なのか? ちょうちんブルマにタイツは履かないといけないのか? あごひげとか付けないといけないのか? やっぱりカラコンを入れて瞳の色は変えるべきだろうか? 手に持つ刀は日本刀じゃマズいだろうけれど、サーベルなら何でもいいのか?…などなど、ちょっと考えると、わけ分かんなくなるわけです。

 『さて、困った』とか悩んでいるわけです。

 で、昔なら、困ったところで煮詰まってしまうわけだけれど、今はインターネットの時代ですから、困った事をあれこれググると、ネットに色々なヒントが転がっているわけです。便利な世の中になったわけです。

 舞台用の化粧品もネット通販で買えるし、化粧の仕方も(簡単な初心者向けのモノだろうけれど)ネットで教えてもらえるし、カツラとか小道具なんて、アマゾンでも買える(笑)。現物を見たければ、東京の専門店を尋ねればいい。その気になれば、かなり本格的にできそうだ(そこまでの本格的にするつもりはないのだけれど)。

 もっとお手軽に考えるなら“コスプレでいいじゃん”って気になってきます。

 “舞台で役を演じて歌う”=“コスプレして歌う” なら、舞台専門店に行かなくても、都会のアニメイトとか、いっぞ池袋の乙女ロードに行けば、いくらでも安価で質の良いコスプレ用品が揃っているわけで、そのあたりで手を打っちゃう事だって可能なわけだ。

 こういう事って、やり始めるとキリがなくなるんだよね。それに、演じ手のこだわりについて、聴く方は、どこまで受け入れてくれるのかも心配。気合が入りすぎて、客に引かれても困るし、衣装や化粧にばかり注目が集まって、歌を聞いてもらえなくなるのも、なんか残念な気がするし。

 まあ、今すぐ、どうこうというわけではないので、今のところ静観しているわけだけれど、これが切羽詰まってくると、あれこれ心配になってくるわけだけれど…こうやって悩んでいる時が、一番楽しい時なのかもしれません。

 たぶん、私が一番似合うのは、執事のコスプレだろうけれど、執事の恰好して歌うテノールのアリアって、あったっけ? フランス語が出来れば、軍服着て、カルメンのホセを歌えるんだけれど…フランス語はチンプンカンプンなんだよね(笑)。

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コメント

  1. おぷー より:

    R.シュトラウスのオペラ「薔薇の騎士」に執事が出てきますよ。
    テノールです。

  2. おぷー より:

    だけど、アリアはなかったな…

  3. すとん より:

    おぷーさん

     『薔薇の騎士』の執事ですか? うわー、記憶にないなあ。『薔薇の騎士』は数回見ていますが、記憶にないです。それに、フランス語ほどじゃないけれど、ドイツ語も苦手な私(かと言って、別にイタリア語が得意というわけではありませんが)には、『薔薇の騎士』は縁遠いかも。

     でも、脇役テノールって、歌ってみたかったりするんですよね(変わった趣味だな)。ちょっと、興味しんしん。

  4. おぷー より:

    伯爵夫人の執事さんですよ。
    ちょっとコミカルな役です。面白いかもしれません。

  5. おぷー より:

    もとい。元帥夫人の執事とファーニナル家の執事が2人出るんです。
    どちらもテノールの脇役です。
    https://www.classica-jp.com/program/detail.php?classica_id=U3366

  6. すとん より:

    おぷーさん

     テノールって、なかなか味のある脇役が無くてね…。まず、たいていのオペラには脇役テノールはいないし、いても、本当にチョイ役で「コーラスの誰かがやればいいんじゃないの」って感じのものばかりで、美味しい脇役が無い、悲しい声種なんですね。

     『薔薇の騎士』の二人の執事は、楽しそうですね。私がドイツ語の歌が歌えれば、興味深い役かもしれません。

     実は私、密かに、ピエロ・デ・パルマが大好きだったりします(知ってますか?)。彼は有名な脇役専門テノールなんですが、実に味があるんですよね。彼の歌うパルピニョール(ボエームのオモチャ売り)なんて、最高ですよ。でも、脇役テノールの曲なんて、全曲版でも買わない限り手に入らないので、なかなかハードルが高かったりします。

  7. アデーレ より:

    衣装は大事ですね!歌は衣装、女性ならドレスを着てなんぼです!普通の服で歌って、と言われたって、その気にならないですもんね!歌も衣装も含めての舞台ですよね!メークやカツラ、必要ですね!オペラはだから、楽しいのよね!!すとんさんはなにに化ける?!のかしら、、楽しみですね!頑張って!!

  8. すとん より:

    アデーレさん

     そうそう、女性は、メイクとかドレスアップとかの楽しみがあって、うらやましいですよ。男は基本的にノーメイクだし、ドレスアップ? いつもタキシードの着たきり雀ですって。だから、オペラのシーンを歌う時は、衣装を着るから気合が入るのかな?

    >すとんさんはなにに化ける?

     いやほんと、何に化けるんでしょうね。自分でも楽しみです。次のレッスンで、先生に色々と提案してみようと思ってます。

  9. wasabin より:

    ふむふむ、もう来年の事考えてる・・・私もだけど・・・と読み進むと、
    例えが沢山で面白い事~、その内、「・・・日本刀・・」迄来たら、吹き出しちゃいました (^O^)

    「コスプレ流儀」か「演奏会流儀」かは曲目に依っては悩みどころですね。
    前者はウチの教室はひと握りですが。

    実際のところは見に行かないとわからないんですね~
    音源のみのUPなので。

    コスプレ・・にしたら、映像もUPおねがいしいますっ m(__)m
    私の楽しみが一つ増えますから~ (*^^*)

  10. すとん より:

    wasabinさん

     いやあ、私、湘南に住んでいるから、鎌倉がすぐ近くでしょ。鎌倉の土産物屋に行けば、日本刀の模造刀なんて、ゴロゴロ売っているから、入手が容易なんだよね。それでまあ、連想しちゃったわけだ(笑)。

     ウチの発表会も、二重唱は基本的に演奏会形式が多いですが、Y先生もF先生も、それがあまりお好みではなく、演奏会形式にも関わらず、ガンガン動いて演技しながら歌うので、先生は白熱の演技で、その隣の生徒さんは棒立ちという、なかなかシュールな光景が普通に見れますよん。

    >コスプレ・・にしたら、映像もUPおねがいしいますっ m(__)m

     えへえへ、アップしない~。だってね、誰が好き好んで、ハゲデブジジイの画像なんて見たいと思う? 私、声だけならイケメンかもしれないけれど、リアルな容姿は、なかなかに微妙なのよ。だから、アップしない。

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