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帯状疱疹日記 その14 もしかするとプラセボ?

 入院2日目の夕食時です。

 音楽を聞きながら夕食を食べている時は頭痛もしないのに、食べ終わって、ほっとしていると、痛みって忍び寄ってくるんだよね。食後にカロナールを飲んでいるにも関わらず、痛みに耐えかねて、21時頃にロキソプロフェンを飲みました。

 ロキソプロフェンを飲んで1時間くらいすると、痛みが和らいで活動が再開できます。家に電話を掛けて、しばし妻とおしゃべりです。就寝時刻を過ぎているので、大部屋なら電話なんて御法度ですが、そこは個室なので自由に電話できます。電話を終えたら、コンビニに行って、夜食を買い込みます。お茶と野菜ジュースとゆで卵とチーズです。で、夜食を食べて、パソコンをやったり、タブレットで本を読んでいるうちに、23時になったので、本日最後の点滴をします。

 初日の夜はハイになっていた事もあって、ロクに寝られなかった私ですが、この日は眠くて眠くて、点滴が終わったら、朝まで熟睡しちゃいました。

 で、入院3日目、11月16日(水)がやってきました。

 朝の点滴が6時からだったので、目覚ましを1時間早くセットして5時に起きたのだけれど、ちょっと早すぎたみたいで、結局寝不足もあって、一度きちんと起床したにも関わらず、点滴の時間にはしっかり眠くなってしまった私でした。翌日からは15分前起床に切り換えました。

 朝の点滴は…なぜかゆっくりで2時間も掛かりました。なので、点滴が終わると、すぐに朝食でした。食事は、相変わらず柔らかくて、相変わらず少ないです。量の不足も不満の一つですが、やはりそれよりも料理が柔らかいってのが空腹感につながっているんじゃないかと思いました。柔らかい食事って、あっと言う間に食べ終わっちゃうんですよね。だって噛まずに済むんだもの。飲み込むだけなんだもの。

 私が思うに、食事において“噛む”って行為は大切だと思います。噛む事で「今、私は食事をしているんだ」とカラダが感じるんだと思うんですよ。で、しっかり噛む事で満腹感が生まれてくると思うのです。だから固いものを食べるって大切なんだと思います。でも、ここでは何もかにもが柔らかくて、くったくったのドロドロなんです。なんかなー、固いものを食べたいよ。歯が浮いてきちゃいそう…。生のニンジンをボリボリかじりたい気分です。

 食事が終われば、シャワータイムです。シャワーが終われば、昼食まで自由時間…のはずでしたが、製薬会社の人がやってきました。午前中の昼食前の時間に治験を行いますと言いに来ました。さっそく、アンケートに答えて、採血をして、あれこれ準備をしていると、治験の時間になりました。

 治験の点滴は、昨日とほぼ同じです。アンケートに答えて、10分点滴の後、小一時間のバイタル計測です。何やらうまくいっていないのか、製薬会社の人たちが何となく暗い感じなんだよ。

 彼らが退室した後、主治医と担当医の二人がやって来て、私にアレコレ尋ねます。もちろん正直に答えました。先生方もあまり良い顔をしませんでした。

 製薬会社の人やお医者さんたちをガッカリさせてしまったのかもしれないけれど、私だってガッカリしているんだよ。未承認の薬を使った最先端の医療行為を受けて、劇的に回復するつもりだったのに、全然劇的じゃないんだもの。どっちかと言うと、治療を受けているのに、治っている感じがしないんだよね。痛みは相変わらず激しいし、発疹個所はかゆいし…。

 この時の私が思った事は、もしかすると私は実験対照群に選ばれているんじゃないかしらって事です。もしもそうだとしても、絶対に製薬会社さんは、医者にも患者にも、下手すると担当の製薬会社の人にも、その事を言わないだろうけれどね。

 どんな科学実験でも、被験者は対象群と対照群の2グループに分けて行われます。対象群の方には、今回のような新薬実験であれば、目的とする新薬を投与し、対照群には新薬ではなく、ただの塩水とか小麦粉とかを与えます。いわゆるプラセボ(偽薬)だね。新薬を投与したグループとプラセボグループの結果から、新薬の効果を証明するわけなので、実験には絶対に対照群が必要なんだな。

 だから私は、もしかすると対照群なのかな?って思うようになりました。それくらいに全然治療効果が見えないんです。

 あるいは、新薬を投与されているのだけれど、単純に期待された結果が出ていないだけなのかもしれません。そうなると…この新薬は全然ダメ薬って事になります。

 未承認薬だから、万人に薬効が現われるとは限らない…そういう事もあるよね。ある種の人たちには劇的な効果があるのかもしれないけれど、私には全然効かない…って事だってあるかもしれません。それを確かめるための治験なんだしサ。

 ただまあ、どんな薬であれ、毒は入っていないだろうから、通常治療の邪魔はしないだろうけれど…これが治験でなく、これが標準的な治療であったなら、もっとちゃんと痛みを抑えた治療が受けられたのかもしれないと思うと…いやいや、でも治験に参加する事でタダで入院できているんだから、やっぱり文句を言っちゃあいけないよね。うんうん。たとえプラセボでも甘んじて受けましょう(ちょっと涙)。

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