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久しぶりにちょこっとだけ秋葉原を散歩してみた

 私はヲタクです。種族としては“パソコンヲタク”という人種で、今はだいぶ落ち着きましたが、以前は秋葉原に入り浸って、パソコンのパーツをニタニタと見ては、ニヤニヤしていたタイプの人です。なにしろ、あの頃、パソコンのパーツなんて、秋葉原の雑居ビルの中にある怪しげな店に行かないと手に入らなかった時代ですからね。

 今は地方都市の駅前の電器店でも、パソコンのパーツは買える時代ですし、ネット通販を使えば、手にはいらない物はない時代です。私もいつしか、秋葉原に行かなくなり、あっという間に時間が流れてしまいました。

 最近では、東京に出ても、秋葉原には行かず、銀座ばかりに行く始末です。たまに秋葉原に行っても、それはJRからつくばエクスプレスに乗り換えるためだったりします。

 私にとって、秋葉原って、アキバって、そんな程度の町になってしまいました。

 それが先日、ちょっとした時間的な余裕があって、短時間だけれど、アキバの町を散歩してみました。

 電気街口から出たら、驚きました。

 なんと、秋葉原デパートがアトレになってました(驚愕)! 当然、実演販売のアトラクション(笑)もありませんでした。代わりに、メイド服を着た女の子たちがビラ配りをしていました。秋葉原も駅舎が大幅に変わって、慣れるまでだいぶ時間がかかりましたが、変わったのは駅舎だけじゃなかったんですね。

 さらに歩けば、ラジオ会館が小奇麗になっているじゃありませんか!。もちろん、第一家庭電気はありません(倒産したんですよね)。あっちこっちにあったソフマップの看板もめっきり見かけなくなりました。バスケットコートのあったところには、なにやら黒くて大きなビルが建っています。

 それよりも何よりも驚いたのは、ザコン(ラオックスのザ・コンピューター館)がなくなり、そのビルは、アニメート(アニメグッズ販売店)とか、らしん盤(同人誌販売店)とかが入っている、オタ系雑居ビルに変貌していた事です。いやあ、驚いた。我々、パソコンヲタクのシンボルだったザコンが、今やオタ系雑居ビルですよ。ほんと、時代も変わるものです。

 ちなみに中に入ってみたところ(私、これでもアニオタに理解があるんですよ)、時代は変わり、ビルに入っているテナントも変わったけれど、そこにいる人々は、今も昔も変わらない若いヲタクたちだったので、ちょっと安心しました。ただ、ビルの上の方の階で、とても美しい若い女性を見かけました。とても外見はヲタクには見えない、素敵な感じの女性だったんだけれど、きっと彼女もヲタクなんだろうね。一人っきりでキビキビと意志的に動いている様は、とてもニワカには見えませんでした。私の時代にはいなかったタイプの女の子でした。とても残念です。あんな美女なのに腐ってしまうから、日本は少子化が進むんだよなあ…。

 そう言えば、私の時代は、秋葉原で食事をするのが困難でした。とにかく、アキバって食べ物屋が少ないというイメージしかありませんでした。秋葉原デパートの1階と、じゃんがらラーメンとベンガルとキッチンジローと…後は何があったっけ? だから、肉の万世に行ったり、駅の反対側の昭和通り口の方まで行って食事をしたモノです。それなのに、今は街中のあっちこっちにどこでも見かけるようなチェーン店系の飲食店がたくさんあります。なんかね…。

 飲食店だけじゃなく、昔はパチンコ屋もカラオケも無かったんだよね。その代わり、本当にたくさんの電気屋さんがあったものです。秋葉原というと“電気街”ってイメージなんだけれど、今は電気屋さんの大半が撤退しちゃったみたいですね。

 昔よく特殊電池を購入していた店はなくなり、ジュースの自販機が並んでいました。メモリを買いに行ってた店は、LEDの専門店になってました。通りにならんでいたワゴンやパラソルの露店は全く見かけなかったです。

 代わりに見かけるようになったのが、アイドル系の店とフィギュア店。小さな劇場らしいモノがあっちこっちにありました。ああ、いわゆる“地下アイドル”と呼ばれる子たちは、こういうところでライブをやっているんだな…と思うと同時に、その頂点に立つのがAKB48なんだなって思いました。そりゃあ、ちょっとやそっとのアイドルでは、AKB48に勝てないのも道理だなっ思いました。

 フィギュアを売っている店もたくさんありました。お店に各種フィギュアが並んでいるのを見た私は、不謹慎だけれど、仏具屋に並ぶ仏像さんたちを思い出しました。

 たぶん、仏像とフィギュアって、ルーツは同じなんじゃないかなって思います。両方とも、人の心の理想を三次元化した信仰や愛情の対象物と言った点では全く同じだものね。違うのは、年月の経過と骨董品としての価値の違いぐらいでしょ?

 分かっていたけれど、ショックだったのは“T-ZONEミナミ”が“AKB48劇場”になってい事だね。“パソコンの街アキバ”が“アイドルの街アキバ”に取って代わられた象徴のようなものだからね。

 老兵は死なず、ただ立ち去るのみ。

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コメント

  1. のんきなとうさん より:

    お久しぶりです。
    なつかしく読ませていただきました。

    地方在住の自分も、40年前~20年前くらいのころは、東京に出ると必ずアキバに行ってました。
    自分は無線とオーディオのヲタクでしたので、このパーツはあの店、これはこっちの店、とひいきの店があったのですが、それも20年前ころからどんどん消え、10年ほど前に行ったとき絶望感を味わい、それ以来行っていません。(笑)

    いまはアイドルとアニメの街なんですね。
    それはそれで面白そうだから、行ってみよか。

  2. すとん より:

    のんきなとうさん

    >それはそれで面白そうだから、行ってみよか。

     今のアキバは、今のアキバとして、結構、面白いですよん。特に昔を知っている人間だったなら、自分が知っていた時と、今との比較をしながら歩いてみるのも、楽しいと思います。

     昔よくダベっていた、チムニーが無くなっていたのは、ちょっと悲しかったですよ。

  3. operazanokaijinnokaijin より:

    先日、秋葉原での凶悪事件の判決が確定しました。
    あの事件から7年。
    あの事件の頃、すとん様にとっての秋葉原は、
    よく行く街だったのでしょうか?
    既にあまり行かなくなった街だったのでしょうか?

    あの事件で、大怪我をした方。あるいは大事な人を亡くした方。
    犯人を憎む気持ちとともに、ご自分を責める気持ちもお持ちと思うのです。

    私は(あの人は)、なぜ、あの日、秋葉原にいたのだろう?
    秋葉原にいてしまったのだろう?

    家電が好きだから、アニメが好きだから、オタクだから、秋葉原にいた。

    家電マニアでなかったら、アニメファンでなかったら、
    オタクでなかったら、あの日、秋葉原にいなかっただろうに。

    私(operazanokaijinnokaijin)は、秋葉原に行ったことはありますが、
    家電もアニメもオタクも無縁で、秋葉原と言えば、あの事件を思い出すばかり。

    すとん様のエッセイに対して、全く申し訳ないことに、
    あの凶悪事件の被害者の方々の心中を察さずにいられなかったことを、
    どうか、今日も、すとん様、お許しください。

    おしまい

  4. すとん より:

    operazanokaijinnokaijinさん

     私がアキバでよく遊んでいたのは、20世紀ですよ(笑)。新世紀になってから、トンと足を運んでいませんでした。

     凶悪事件が起こった事は悲しいことだけれど、それは街のせいではありません。たまたま、あの事件がアキバで起こっただけの話であって、同様な事が渋谷や新宿や池袋で起こっても、全く不思議はありません。人間がたくさん集まる場には、色々な人がいるものです。善良な人もいれば、心を病んでいる人、暴力的な人、破壊的な人、犯罪予備軍…でも、それが都会ってモンです。それが都会で暮らすリスクというものです。

     実際、犯人はオタクでもなんでもなく、ただの地方出身者で、東京と言えばアキバしか知らなかったので、アキバで事件を起こしただけの話で、彼が知っている東京が新宿なら新宿で犯罪を犯したのだろうし、渋谷を知っていたなら渋谷で事件を起こしていただろうという事であって、アキバという街や、そこに集まるオタクと呼ばれる人は、単なる偶然のめぐり合わせによって犯人に選択されただけの話であって、それをアキバとかオタクとかのせいにするのは、かなり違う話だと思うし、それらの責任をアキバやオタクに被せないで欲しいと思います。責任は犯人にあるのです。

     事件の被害者の方々のご冥福をお祈りいたします。

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