よく聞く言葉に「フルートは、今は金属でできているけれど、昔は木でできていたから、木管楽器なんですよ」って奴。
フルートは、確かにトラヴェルソまで逆上れば木管だけど、ベーム式をもって現代フルートの鏑矢とするならば、フルートは最初から、銀製品であって、木管ではないです。
だいたい『木でできているから木管楽器』なら、サクソフォンなんて、ただの一度も木で作られたことがないのに、木管楽器でしょ? 一度も木で作られた事がない楽器を木管楽器と呼称しているサックス奏者って詐欺師ですか?って話です。
つまり、木で出来ているかいないかなんて、どうでもいい話で、木管楽器は、木でできていなくても木管楽器なんだと言うこと。つまり“木管楽器”という言葉そのものが、ある意味、間違いなんだね。
では、木管楽器の共通点ってのは何かと考えると…リードを使用して音を出すという点でしょ。リードを使用して、リードが原音を作り出し、その音を管体で調性して楽音を奏でる楽器であるということ。
だから、クラリネットもオーボエもサクソフォーンも皆リード楽器でしょ。クラリネットやサクソフォーンがリードを一枚だけ使用するシングルリードの楽器で、オーボエはリードを二枚使用するダブルリードの楽器です。
フルートはリードを使わないじゃん?…って思いますよね。フルートの場合は“エアリード”と言って、葦やプラスチックではなく、空気そのものリードとして活用しているだけです。
だから、木管楽器というのは、本来、リードを使用しているリード楽器って程度の意味でしょう。
対して、金管楽器は、ほぼ全部、真鍮製なので「金属でできているから金管楽器」と言っても間違いではないと思います。ただし、木管楽器との対比で考えるなら、マウスピースを使ってクチビルを振動させ、その振動音を増幅させる楽器の総称と言うことができるでしょう。
ちなみに、木でできた金管楽器って…アルペンホルンがありますが、これは民族楽器なので、例外的な扱いにしてもいいと思うので、この上の段落では『金管楽器は、ほぼ全部、真鍮』と書きました。
まとめです。
リードを振動させて音を出す楽器…木管楽器
クチビルを振動させて音を出す楽器…金管楽器
おそらく、木管楽器、金管楽器という、日本語の呼称が不適切なんだと思います。日本には、元々、“笛”と“ラッパ”っていう、正しい日本語があるんだから、木管楽器と呼ばずに笛、金管楽器と呼ばずにラッパと呼べば、誰も誤解なんてしないのに。Woodwind instrument と Brass instrument の訳語を作る時にヘマッたんだと思います。
コメント
裏とってないですが…
木管はリード楽器、すなわち振動させた空気を管体で増幅してるんだったかな。
金管はブラスが語源だけど、管体そのものを振動させて増幅するんだったような。
弦楽器は弦を振動させて躯体で増殖する。
嘘だったらごめんなさい。遠い記憶です。
しかし、笛、ラッパ、でいいと私も思う。
>かのんさん
木管と弦に関しては正解だと思います。もっとも、フルートは管体というよりも、頭部管のほんのちょっとのテーパーだけで増幅しているので、微妙と言えば微妙ですが…。ま、だから、音量が小さいと言えますが(笑)。
金管は…私自身があまり詳しくないので、なんとも言えませんが、アレって、管体そのものの振動で増幅しているのかな? 私は単純にマウスピース取り付け口と、音の出口の管の太さの差で増幅している(仕組み的にはメガホンと一緒)のかと思っていました。あと、やたらと長い管長も増幅に関係しているかもしれませんね。ま、私も、このあたり、自信がありませんが(笑)。きっと、詳しい方が補足説明してくださると信じてます(他人まかせでごめん)。
ラッパ類は「クチビルを振動させて」でうまい表現ですが、
笛となるとどうもしっくりこないところがありますね。
私的には笛類はやっぱエアーリードって思いこみがあります。
パンフルートetc
>河童さん
エアリードの笛は、フルートやパンフルート(葦笛ですね)だけでなく、例えば、尺八もそうですし、口笛だってそうだし、リコーダーやケーナもそう。だから「笛類はエアリード」と言うのは、分かります。
私は、リード楽器であるクラリネットやオーボエやチャルメラも“笛”だと思っていますが、これは感覚の問題なので「リード楽器は笛じゃないよ」って言われれば、大人しく引き下がります。
でも、そうなると、ますますフルートなどのエアリード楽器は、木管楽器ではなくなってしまうと思います。というのも、やはり木管楽器の主流って、リード楽器の事だと思うからです。
となると、管楽器は「金管」と「木管」と「笛」に分かれる? 私は別にこれでもいいです(笑)。
ご参考までに、トランペットは、マウスピースだけで音階を出す(曲を吹く)ことができます。
管体に発音体がついてるかついてないか、なんてのもありました。
たしかに、マウスピースで自分の唇を振動させなければただの管ですね。
>かのんさん
>管体に発音体がついてるかついてないか、なんてのもありました。
発音体が付いているのが木管で、付いていないのが金管って事? となると…エアリードのフルートは金管? 金属製だし(笑)。
私の妄想(?)ですが、金管楽器は、もともとブラスだからひとくくり。それ以外は、主に木製だったから発音のしくみにかかわらずにひとくくりにされた。
ブラス製のサックスが出てきたけど、発音のしくみが違うから、金管からは除外された。
そういう理由での分類のように思います。
横レスです〜。
マウスピースだけのバズィングで音階をやるのは、どこの学校の吹奏楽部で最初に教わりますね。
でも、そのまま楽器をつけると変な音になってしまう(抵抗がぜんぜん違うので)ので、最初のきっかけにはいい練習ですが、ずっとそういう練習を続けるのは意味がないそうですよ。
最近は、マウスピースの音出しをはぶいて、すぐに楽器で練習している学校が多いのではないでしょうか?
全ての学校にきいてみたわけではありませんがw
すみません、横レスの連投です。
少し語気が荒いと感じるかもしれませんが、この方がわかりやすく書いてくださってます。
ご参考まで〜。
http://chichiya.seesaa.net/article/28237357.html
>アリサさん
妄想による木管金管の分類、私も同意しますよ。案外、事実は、この辺にあるんでしょうね。
で“マウスピースだけで音階を出す”件ですが、リンク先を読みました。今まで、ウヤムヤだった事がこういう風に明解に書かれていると気持ちいいですね。
マウスピースだけの演奏は、楽器のほんの入門初期の“慣れ”の部分(アリサさん風に言えば“きっかけ”)のごく短期間にのみ有効な練習法だろうとは、私もウスウス感じてました。それにしても“マウスピースによる曲芸”“ウソ”…ですか、言葉はちょっとキツいけれど、正解だろうなあ。私もそれに近い感覚がありますね。
それにしても、バズィングの状態では、音が鳴らないのが正しい演奏法とは…、私は金管は全くの門外漢なので、ちゃんとした人に尋ねてみないと分からないものですね。いや、勉強になりました。
…? って事は、マウスピースだけで音階が出せちゃうというのは…もしかすると…間違った演奏方法…なのかな? え? これって、マズイでしょう。んでもって、そんなことを若い人に教えて、強制したら、負の連鎖ですか? ヘタが感染する? いや、マズイでしょう。
あ、文句があっても、私やアリサさんにかみついちゃイヤよ。リンクを貼ってあるので、リンク先を直接読んで、あちらの方に尋ねてくださいよ(私は、金管に関しては、本当に素人ですから)。
ただ、ピッコロに関して言えば、頭部管のみで演奏する曲(曲名は失念しました)が、現代曲にあります。この曲のために、頭部管のみで曲練習をする…というのは当然あるんでしょうが、これは例外中の例外でしょうね。
ああ、それにしても、マウスピースのみの練習には、全く意味がないのか…。同じ事は、フルートでも言えそうだなあ…。