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『ドン・カルロ』を見てきた

 先日、横浜の鶴見で行われた“ヴェルディの声研究室”による上演で、ヴェルディ作曲のオペラ『ドン・カルロ(4幕版)』を見てきました。久しぶりの生のオペラで感激しました。
 スタッフとキャストは以下の通りです。
指揮:奥村秦憲
制作/演出:堀内士功
ピアノ:河崎恵
合唱:ドン・カルロコーラス
フィリッポ2世:西山栄治(バリトン)
エリザベッタ:堀口加奈子(ソプラノ)
ドン・カルロ:渡辺文智(テノール)
エボリ公女:巖淵真理(メソソプラノ)
ロドリーゴ:堀内士功(バリトン)
宗教裁判長:高橋雄一郎(バス)
テバルド/天の声:高部さち(メゾソプラノ)
 パッと見て分かる通り、オーケストラではなくピアノ伴奏による上演でした。何しろ、入場料は、たったの3千円(全席自由)という、とてもお手軽な値段ですから、オーケストラは使えないのも当然でしょう。座席数が約600席の中ホールで行われました。客の入は…だいたい7割前後…ってところでしょうか? 補助金や協賛金等は無いみたいですから、赤字になっていないか、他人事ながら心配です。
 で、感想ですが。とにかく、歌がすごかったです。歌唱はプロにしても、なかなかの高レベルだったと思います。会場が小さい事もあって、声が直接響いてくる感じは最高です。なので、私は大感激です。コーラスの人も含めて、皆さん、素晴らしい歌唱だったのですが、とりわけエリザベッタの堀口さんの歌唱は絶品でした。もう、ビンビンに突き刺さる感じで、こういうのって、生歌ならではの感覚で、スピーカー越しの音だと感じられないよね。ああ、日本にも、こんな素晴らしいソプラノ歌手がいたんだねえ…。
 こんな素晴らしい歌唱を、3千円というリーズナブルなお値段で聞けた事は、とても幸せなのです。
 確かにピアノ伴奏は、本来のオーケストラ伴奏と較べてしまうと、残念で仕方ないのですが、オペラは歌がメインディッシュと割り切れば、なんとか受け入れられます。衣装がちょっぴり残念でも、小道具がアレアレって感じでも、歌が良いのですから、無問題です。あえて苦言を言えば…合唱がもう少し人数が多いと嬉しかったです。
 そうそう、大道具も見る側の想像力にかなり頼る部分があって微笑ましかったのですが、スライド投影による電子書割は、歌詞の字幕翻訳を兼ねていて、これはグッジョブ!だと思いました。経費的に厳しいオペラ団は、どんどん電子書割を導入をすればいいのだと思いました。
 とにかく、歌唱が良かったのです。この上演よりもチケット代が高くても、市民オペラとかになると、ここまでのレベルの高い歌唱はなかなか聞けませんもの。主役だけ歌えても、オペラって白けちゃうんだよね。主役も脇役もコーラスも…全部が高いレベルってのがいいんですよ。
 やっぱり、オペラは声の饗宴なんだよな…って強く思った私でした。
 機会があれば、また“ヴェルディの声研究室”によるオペラ公演を観に行きたいものだと思いました。
蛇足 やっぱり『ドン・カルロ』は5幕版で見たいなあ。カットされた本来の第1幕が無いと、ストーリー的に説得力がなくなるんだよね。でも5幕版って、ワーグナーの楽劇並に長時間上演になってしまうから、演者さんたちにすごく負担が掛かるんだろうなあ…。
蛇足2 休憩がどこに入るのかは、事前に知らせてもらえると、うれしいです。1幕と2幕の間、2幕と3幕の間に休憩が入るなら、当然、3幕と4幕の間にも休憩が入るって思うじゃないですか? 最後の休憩の時に食べようと思っていたドーナツが食べられなくて、ちょっぴり残念な私でした。
蛇足3 エリザベッタの堀口さんの声が素晴らしすぎです。褒めても褒めても、褒めたりません。

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