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私たち世代は早死するのかしら?

 私が子どもの頃、誰も彼も、食品の安全性なんて、あまり考えていませんでした。当時の食材とか加工食品とかには、食品の腐敗を防いだり、見栄えや味を整えために、いわゆる“食品添加物”が山盛りに添加されているのが常識でした。防腐剤とか人工甘味料とか化学調味料とか合成着色料とか…ね。
 冷凍冷蔵技術も今ほどではなかったし、缶詰はあったけれどレトルトなんて無かったし、乾物はあったけれどフリーズドライなんて無かったし…。それどころか、たまに食品に毒が混入して世間で話題になったりしてました(粉ミルクにヒ素が混入していたりとか…)。食品どころか、水も空気も汚染されていて、水道水が臭くてまずかったり、空気が臭かったり、そこで生活しているだけで喘息になったり、今考えると、ほんと、散々な生活環境だったなあと思います。
 我々が成長してしばらくしてから、食品の安全性とか生活環境とかについて考えるようになって、水も空気もきれいになり、食品に変な化学物質が添加される事はなくなり、子どもたちがクチにするものが安全であると言えるようになりました。
 でも、それは今の子どもたちの話であって、我々が子どもだった頃はそうじゃなかったわけです。
 チョコを食べると、舌が赤くなったり青くなったりするのは当たり前だし、ジュースと言うのは、色付きの砂糖水の事であって、果汁なんてほんの申し訳程度にしか入っていなかったし、肉の入っていないソーセージやハンバーグなんて当たり前だったし、それどころか石油から作られた人工肉とかが重宝されていたりして、ほんとクレイジーな社会だったと思います。
 そう言えば、あの頃って、食べ物とか料理って、不味いのが当たり前だったような…。油ものの油は何度も再利用されて古くて臭いのが当たり前だし、素材の臭みを消すために砂糖も塩もたっぷり使っていたし、料理店も不味くて潰れるなんて普通にあったし、家庭料理だって、当時の主婦は下ごしらえからやっていたから、料理の腕の差は歴然で、料理上手な主婦がいる家は良かったけれど、そんな家は少なかったから、大抵の家庭料理は美味しいとは言い難いものが大半だったね。
 ウチも母は料理が苦手だったから、複雑な料理はめったに作らなかったし、頑張って作っても、残念な事にたいてい不味かったよ。焼き魚とか、煮魚とか、葉物のおひたしとか、しらす干しとか、ふりかけとか、梅干しとか、漬物とかが、夕食のメインの食材だったね。食事というのは“ご飯”と言うように、とにかく標準価格米(当時はそんなモノがありました)をガツガツ食べていたね。栄養状況を考えるよりも、とにかくお腹いっぱいになることが優先されていました。
 そんな、食品添加物に囲まれて、ひどい食料事情の中、我々は子どもから大人に成長して、今を迎えているわけだ。
 あの頃、よくマスコミで有識者たちが「こんなに食品添加物ばかりを子どもの頃から摂取している今の子どもは、きっと長生きできないだろう」って言っていたけれど、まあ何とか還暦まで生き延びました。還暦まで生きていれば、生物としては十分長生きだよね。なにしろ、暦を一周しちゃったわけだし。
 きっとあの頃大量に食べた食品添加物の多くは排泄されてしまったろうし、排泄されなかったモノは、しっかり血肉になって我々のカラダを構成しているわけで、あの頃の有識者さんたちに「案外人間ってタフだから、そんなに心配しなくても平気だよ」って言ってやりたいです。
 たぶん、食品添加物うんぬんよりも、衛生状態とか医療環境とかの方が、長生きできるかどうかに大きな影響を与えるんじゃないかしらと愚行いたしております。

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