ブログなどを見ていると、よく見かけるのが「お腹がすいて、歌えなーい」という叫び。大人の趣味って、忙しいですよね。仕事や家事で日々忙しい中で、時間をやり繰りして、練習したり、レッスンに行ったり、本番の準備をしたり、それこそ“てんてこ舞い”な日々を過ごしています。なので、ロクに食事もせずに、歌う場面というのもあるのでしょう。そういう時に聞こえるのが「お腹がすいて、歌えなーい」という叫び。
確かにお腹はすいていない方が歌うにはいいのですが、ツラツラと考えるに、お腹がすいているからと言って「歌えないというのはいかが?」というのが、私の本音です。ま、私がデブだから、そこまで切実なエネルギー不足にならない(体内にエネルギーを備蓄しているため)ということもあるのだろうけれど(笑)。
私の場合、お腹がすくと不快だし、なんか体に力が入らないような気はするけれど、歌えないって事はないような気がします。いや、むしろ、胃袋がカラッポな分だけ、呼吸が楽になる気はするし、無駄な力も入らないので、結果オーライのような気がするんです。
むしろ、気をつけないといけないのは満腹状態の方です。
ついつい、歌う前に食事をしちゃって、うっかり満腹(腹八分目を含む)になってしまうと、歌えなくなります。歌うために横隔膜を下げようとすると、胃袋が圧迫されて、苦しいし、ゲップは出るし、食べたものが出ちゃいそうになるし、眠くなるし、体が重くなるし、動きもにぶくなります。皆さんはどうですか?
プロ歌手さんたちは、本番に備えて、数時間から数日、絶食状態にして、体の中をからっぽにして、精神を研ぎ澄ませてから本番に臨むという方も少なくないそうです。その気持ちはよく分かります。そういう人は、その反動で、本番のあとは、ドカ食いのやけ食いに走ってしまい、結果として太ってしまうのだろうと思われます。
私ですか? 私は食いしん坊なので、2~3日前からの絶食は無理にしても、24時間程度の絶食なら可能。それでも十分、お腹がすくわけで、お腹がすいて、神経がピリピリした状態で本番というのも、なんかプロっぽくて、かっこいいんじゃないかと思います。
理屈で考えると、何事も中庸が肝心ですから、歌う前に、ほんの少しだけ食べて、それをきちんと消化し終わってから歌うのが一番良いという結論になりますが、空腹時だけに感じる、あの神経の張り具合もなかなか捨てがたいものがありますので、本番の時は空腹の方が、私には良いような気がします。…でも、あくまでも“本番”の時の話です。
普段の練習の時は、空腹のままでは不快感に負けるので、やっぱり食べたいなあ。満腹でなくても、おやつでもいいのだけれど、少しはお腹に入れたいです。それもできれば、甘いもの(はぁと)。“あんパン”とか“あんまん”なんて最高だよね。“たい焼き”や“今川焼き”も捨てがたい。特につぶあんだといいね。なお良いね。
歌えなくなるほどの空腹って、どんな感じなんだろ? きっと、悲しくて、せつなくて、情けないんだろうなあ。
コメント
私は空腹だとフルートが吹けません。
だって息を吸うたびお腹がグーグー鳴って気になって気になって。
体質なのか分かりませんが、空腹じゃないのにレッスン中にもグーグーなることがあります。かなり恥ずかしいですよ~ (;´д`)トホホ…
>ディアさん
お腹って鳴るものじゃないの? 私は毎日、きちんと定時になるとお腹が鳴り始めます。だいたい、午前6時くらいとか、10時くらいとか、午後4時くらいとか。もうお腹がぐーぐー鳴りますが、もう気にしても仕方がないなあと割り切ってます。
確かに以前は、お腹がなるのが恥ずかしかったです。それで、お腹がならないように、絶えず飲食(おやつ程度)をしていましたが、今はなんかもう、そういうものにこだわるのも面倒なので、鳴りっぱなしに放置することにしています。放置していると、やがてお腹の虫の方が諦めるみたいで、しばらくすると、腹の虫も止みまず。
あ、ちなみに私の場合、お腹は鳴りますし、ぐーぐー言いますが、比較的小さめな音です。もちろん、他人から聞こえる程度の音量ですが、衆目を集めるほどではないです。
ちなみに、今もお腹がぐーぐー鳴っていますよ(笑)。
空腹でふけなかったもの:ユーフォニアム、フルート
空腹でも弾けるもの:ピアノ
変な力が入るみたいで、豊かな音がならなくなります。反面、繊細な表現はやりやすくなったような気がしますが。普段出せない音がでたり。修行がたりないのかも。合唱もやってたことあるけど、空腹との関係はいまいち思い出せません。
でもそれよりも満腹は敵。まちがいなく。不思議ですね…
お腹が空いていると複式呼吸が出来ませんですね~!あ、それと二日酔いの時もです。(笑)
いつもは、軽い食事と言うか吹く1時間くらい前に済ましておきます。ついでに歯磨きも!。
私は満腹だと歌えないです。
大学時代、合唱の授業が昼休み後の三限だったりすると、「食べ過ぎないように」といつも思っていました(といっても、私は弁当女子だったので、オマケのコーンスープを買わないとか、それくらいの気をつけかただったのですが)
ピアノは空腹でも弾けますね。
でも生徒の前でおなかが鳴るとちょっと恥ずかしいかも…(逆もあり。生徒さんのおなかがなると、気まずい…)
声楽のレッスンは昼前じゃなかったので、大丈夫でした。
>神音さん
空腹だとユーフォニウムが吹けないと言うのは、何となく分かります。フルートは…気持ちはよく分かりますが、私は結構、吹けます。少なくとも、歌よりは全然楽。もっとも、男女の差とか、基本的な体力とか、体内エネルギー備蓄量の違いを考慮に入れた上での個人差というのがあるので、私はOKでも、他の人はNGという事も、もちろんあります。
でも、空腹だとフルートが吹けなくなるというのは、気持ち的にはよく分かります。フルートって、見かけは優美で女性的なイメージの楽器だけれど、実は軍楽隊出身楽器だし、ヨーロッパでは古来より男性の楽器とされているほど、体力勝負の楽器ですからね。
>でもそれよりも満腹は敵。まちがいなく。
ほんと、強敵です。私の場合、空腹は大したことのない敵ですが、満腹は実に強敵です。腹式呼吸が難しくなるのと同時に、眠くなりますし、集中力もそげます。いやほんと、満腹は強敵です。
>はっチャンさん
そうですか、二日酔いは敵ですか…。私は二日酔いの経験がないもので、そこのところはよく分かりませんが、確かにしんどそう…。
しんどいと言えば、花粉症もしんどいです。私は花粉症なんですが、鼻がズルズル言っている時は、歌も歌えなければ、フルートも吹けません。一応、それなりの備えはしますが、なぜ日本には“春”があるのか、うらみたくなります。
>ことなりままっちさん
確かに、レッスン中にお腹が鳴っちゃうと気まずいですね。それこそ「小腹がすいたら…」って感じで食べちゃうのが、腹の虫退治には良い方法ですが、これをやっちゃうと、すぐに太ってしまうのが欠点です。
ピアノ以外で、空腹でもなんとかなりそうなのが、打楽器? ドラムスとか体力が要りそうだけれど、こちらは空腹がどうのこうのではなく、疲労との戦いでしょうね。あと、ヴァイオリンを始めとする弦楽器? 特にチェロなんて、お腹が鳴っても、チェロの音と区別がつかないから、全然平気だったりして(笑)。
はじめまして。
空腹で音楽ができるかって
この間プロの歌手が話していましたね。
面白かった。
このブログも面白かった。
今日もスマイル
>kawazukiyoshiさん、いらっしゃいませ。
今日の記事を気に入ってくださったそうで、感謝です。「空腹で音楽ができるか」というのは、色々な意見があると思います。kawazukiyoshiさんがお聞きになった、音楽家の方は、どんなご意見だったのでしょうね? 「太った豚よりも痩せたソクラテスであれ」という考え方もある一方で「腹が減っては戦はできぬ」という意見も当然あると思います。
色々な意見があるのが、健全な社会だと思います。
今朝NHKに二胡奏者のチェン・ミンさんが出演して、二胡演奏のコツを話していました。
楽器は丹田にあてて体中にひびかせる。空腹でも満腹でも良い音がしない・・と
すとんさんの取り上げた話題が出てきたので微笑んでしまいました。
>河童さん
二胡ですか? いいですね、二胡。あの枯れた味わいの音は、結構好きです。
そうそう、話は直接関係ないのですが、実は、キング先生の声楽教室が行われている隣の部屋で、以前は二胡のお教室が開かれていたんですよ。でも、いつのまにか二胡のお教室が移動してしまいました。なんでだろうと思っていたら、我々声楽教室の歌声があっちの部屋に響まくって、全然レッスンにならなかったそうなんですね。それで場所を移動したそうです。
一応、こっちもあっちも、防音設備の整った鉄筋コンクリート作りのお部屋なんですけれどね。それに、こっちには、二胡の音なんて全然聞こえなかったけれどね。
妻は「あなたとキング先生のふたりが一緒に歌えば、そりゃ、二胡だって、逃げ出すでしょ」と言ってました(笑)。
ま、それだけ、二胡って繊細な音の楽器って事ですね(そうしておきましょう)。