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私は合唱団のカナメ[2009第九:オケ合わせ編]

 ああ、やっぱり私はオーケストラの音が好き。オーケストラと一緒に歌うのが好き。本当は独唱をしたいけれど、それは贅沢というものなので、合唱で我慢する(笑)けれど、やっぱり、オーケストラとの共演(っつうの?)は、ワクワクします。

 それが今回の感想です。オケ合わせで一回、ゲネプロで一回、本番で一回。三回もオケと歌えるなんて、もう夢心地ですよ~。

 ああ今なら、オーケストラを持っている合唱団があったら入ってもいいや…という気分です。でも、たぶん、実際に入団すると、合唱そのものは、すぐにイヤになってしまうだろうけれど(大笑)。

 と言うわけで、第九のオケ合わせに行ってきました。

 オケとご対面する前に、合唱団だけで集まって、まずは声出しをしました。

 いつものS先生は、他のお仕事が入っているという事で、普段は見学オンリーの副指揮の先生(バスさんです:この先生もS先生となるので、ここでは副指揮先生という事にしておきます)が声出しに付き合ってくださいました。先生が変わると、練習のやりかたも変わるわけで、歌詞を使った音出しはなかなか面白かったです。

 いつものS先生は、ソプラノの音出しを丁寧にしてます(何しろメロディ担当だし、一番目立つし…)が、副指揮の先生ご自身が低音パートという事もあるのでしょうね、今回は低音パートの人たちの音出しを丁寧にやってました。先生が変わると、重点を置かれるパートが変わるのは、おもしろいなあと思いましたが…我がテノールの扱いは何?

 低音パートの人たちに言ってましたが「低い音程だからと言って、声を胸に落としすぎると、響きが減るので、低音になっても、常に響きは上にキープするように」だそうです。低音パートがそうなら、高音パートの私なんかは、いつもいつも「響きは上」ですね。反省です(汗)。

 声出しも終わり、オケのみなさんがいらっしゃる大ホールに向かいました。まずはオケ合わせなので、合唱団もフリーダムに舞台に入って、フリーダムに立って、フリーダムに立ち位置を確保して、オケ合わせです。私はオケのフルートさんたちをよく見たかったので、フルートさんがよく見える立ち位置をゲット! やったね。ですから、自分が歌っていない個所は、これでもかーってくらい、フルートさんを頑見してました(笑)。

 フルートさんは、1stさんが木管銀メカで、2ndさんが色の濃いゴールド[メカも金]でした。3rdさんはフルートをケースにしまったままで、ピッコロ(総銀だと思う)を吹いていました。たぶん一番高価なのは2ndさんの楽器じゃないかな…。たった三人しかいないフルーティストさんでしたが、会場に響き渡る音で高らかに笛を鳴らしていましたよ。別に、無理に聞こうとしなくても、自然にフルートのフレーズが耳に入ってくる感じで『やっぱり、オケのフルートはいいなあ…』と、うっとりしちゃいました。

 それにしても、細かくて早いフレーズが、第九のフルートにはありますね。フルートを見つめながら『ありゃ大変だな…』と心配しちゃいました。でも、さすがはプロだね。全然トチらない(当たり前)。すごいすごい。あと、フルートもピッコロも、演奏のスキを見つけては、まめにスワブを楽器に通していましたね。やっぱり、水分取りって大切なんだな。

 ちなみに、ここのオケ、打楽器は全部、パールで統一されていました。パールはフルートも作っているけれど、やっぱり、大手打楽器メーカーだよね。私は打楽器メーカーとしてのパールを応援しているので(最初に愛用していたドラムスがパール製品だったんです)、ティンパニとかバスドラムとかに、パールのロゴを見つけると、思わずうれしくなって顔がほころびます。

 久しぶりに大ホールという広い場所で、それも合唱で、歌いました。いやあ…、自分の声が全く聞こえないので、ちょっと焦っちゃいました。ちなみに、妻も同じ事を言ってましたね。おそらく、二人とも、キング先生のご指導のおかげで、ソプラノ、テノールとして、以前よりもずいぶん上達しているので、声が体の中に残らずに、ほぼ全部、外に出ちゃっているんだと思います。

 発声が上手でないと、体の中に残る声があるので、それを頼りに歌えるのですが、きちんと発声すると、声のほとんどが体からスーッと出てしまうんですね。ソロなら、ホールの反響で自分の声を確認するんですが、合唱だとそれもかなわないので、結果として『自分の声が聞こえない』って事になるんです。

 そこで、自分の声を確認するために、ムリムリに大声を出したら、非音楽的だし、ノドも壊れてしまうので、声が聞こえないままに、練習の時の肉体感覚を頼りに歌っていくわけです。「この体の使い方なら、この音程の声が、これくらいの音量で出ているはず」と信じて歌うわけです。あくまで「信じて…」歌うので、もしかすると、全然違った声を出している可能性は否定できません。ま、もっとも、全然違ったと言っても、声が不協和音になれば、周囲から浮いて聞こえるので、聞こえないというのは、ひとまず[和音的に]合っているという事なんだと思います(それでいいのか!)。

 それにしても、合唱団のみなさん、オケ合わせだと言うのに、指揮者を見ない見ない(笑)。オケを聞かない聞かない(笑)。だから、テンポが走るし、音程外すわけよ。『臨時結成の即席アマチュア合唱団なんて、そんなモノ』とも言えるけれど、指揮は見ようよ、オケは聞こうよ。それだけで、だいぶ違うよ。

 とにかく、波瀾万丈のまま、不安をたくさん抱えたまま、スリリングなオケ合わせは終わりました。

 オケ合わせ後、合唱団は居残りで、途中からやってきたS先生によるダメ出しが、タンとありました。その一つに「子音は強く言ってもダメ。子音を強調する時は、時間前に発声を始める事が大切」というのがありました。うんうん、そうだね。

 ダメ出しの後に、出入りの練習(&並び順の確定)をしました。なんと、私は先頭に決まりました。先頭と言うのは、ステマネの合図で一番最初に舞台に入る役の事です。私が舞台に入らないと、誰も舞台に入れない(笑)。ちなみに、一番最初に舞台に出るので、当然、舞台から掃けるのは、一番最後。立ち位置は、センターの一番後ろで、指揮者の真正面です。ふふ、ある意味、一番いい場所じゃん。指揮者もフルートさんもよく見える。合唱団のヘソと言うか、扇のカナメの位置に立つわけです。“みんなー、オレ様の歌声について来いよーっ!”って気分です(気分だけです)。

 おまけに前後左右に余裕の空間がたっぷりあって(一番後ろの列は実はスカスカなんです)、なかなかの好ポジションです。ありがとう、合唱の神様。私は狭いところとか、他人の後ろにくっついて動くのが大嫌いなので、とってもうれしいです。

 練習が終わって、お腹がすいたので、夕食は、ピザ屋に行って、食べ放題バイキングでグッタリするほど食べました。はは、だから太るんだな(汗)。“和風きのこスパゲッティ”がサイコーでした。

 次の日はいよいよゲネプロ&本番です。その話は、また明日ね。

コメント

  1. 橘深雪 より:

    オケと合わせるってなかなかないですよね。知り合いにも一人、第九に参加するのがいます。羨ましいです。(こちらはフルートで参加ですが)
    すとんさんがダイエット中でも食べちゃう気持ち、わかります。私もそうです。
    昨日も夜10時過ぎなのにカレーを食べちゃいました(一応夕飯ですけど)太るよね・・・と思いつつ(笑)

  2. すとん より:

    >橘さん

     おお、あの第九にフルートで参加ですか? 私はその知り合いさんを尊敬します。だって、第九のフルートって、結構難しくない? 特に、男性合唱の後のオケパートなんて、めまぐるしいフレーズじゃない。それにオケだと、吹奏楽と違って、一人で1パートだから、落ちたりスカったりするわけにもいかないじゃない。常に完璧でならねばならない(ま、理想ですが)じゃないですか。

     すごいなあ…。尊敬だよ。私は、合唱テノールは(ひとまず)歌えても、フルートじゃあ、てんでお呼びじゃないからなあ…。

     人間って不思議で、歌う前って、あんまりお腹が空かないんだよね。で、終わると途端に空腹感に襲われる(笑)。だから、歌い終わると、ドカ食いしたくなるんだよねー。きっと歌う時に、内蔵をグニャグニャ動かすし、横隔膜をヘコヘコ動かすので、いい感じにお腹が空いちゃうんだと思う(笑)。

  3. ダリア より:

    第九、おつかれさまでした。
    私もずーっと前に若いころ(半世紀近く前ですが)、まだ世間でこれほど年末第九が騒がれる以前ですが合唱でソプラノを歌ったことがあります。あのバリトンさんの歌いだしは感動的ですよね。続いて男声パートがソロに反応するところなんかゾクゾクします。
    ソプラノは悲鳴寸前なんですが、でもppでアルトさんとハモルとこはとってもきれいで好きでした。
    久しぶりですが来年ちょっと機会がありそうなんですが今の自分(ずっと歌からは離れています)大丈夫か、歌えるか・・参加するとみんなの迷惑になるんじゃないか・・・。
    と考え中なんですヨ。

  4. すとん より:

    >ダリアさん

     来年の話なら、今から準備していけば、十分間に合うのでは? とにかく健康でありさえすれば、練習期間もあるでしょうから、なんとかなると思いますよ。ただ、長く歌っていなかった場合は、音域が変わっている可能性がありますから、一応、チェックしておいた方が良いかもしれませんね。声がアルトに近づいていたら、いっそアルトで歌っちゃうというのも、手ですよ。

     歌は、聞いても楽しいですが、歌うと、もっと楽しいですよ。せっかくのチャンスなら、しっかりつかまないとね。「運命の女神には後ろ髪がない」ですよ。

  5. 詩音 より:

    >フルートもピッコロも、演奏のスキを見つけては、まめにスワブを楽器に通していましたね。

    歌の記事なのに楽器の質問で恐縮なのですが、お教え頂ければ幸いです。

    私もピッコロは、クリーニングロッドに巻き付けた包帯(スワブだと嵩張って素早く楽器に通せないため)を懐に忍ばせて演奏中にもこまめに水分を取っています。

    プロの方は、フルートはどのようにされていましたでしょうか?
    私は、フルートにも楽器を組み立てたままスワブを通すために、ロングクリーニングロッドなる物を持っているのですが、長すぎてステージに持って出て置いておくのはためらわれるような代物ですし、楽器に通すにも少し時間がかかってしまいます。頭部管を外して紐付きスワブを通すというのも手ですが、そのたびにチューニングが狂ってしまうのも困りますし、悩んでおります。

  6. すとん より:

    >詩音さん

     ええと、記事の中では、ごく簡単に“スワブ”と書きましたが、実際はスワブではなく、ヤマハのロングクリーニングロッドでしょう。というのも、あの緑色のクロスが巻いてあったからなんですが、どうも、そのあたりにノウハウがありそうなので、簡単に“スワブ”と書きました。

     まず、クリーニングロッドにクロスを単純に巻いたのではなく、ロッドとクロスがすでにきちんとキレイに一体化していました。そして、その太さも、おそらくフルートの太さとジャストサイズか、やや細めになっている思われます。もしかすると、ロッド自体にすでに何か綿のようなものが巻かれているのかもしれません。で、その上にクロスが巻かれているような…遠目なので、はっきりしませんが、単純にロッドにクロスを巻いた状態とは、ちょっと違う印象です(私も、ロングクリーニングロッドは持ってますし、使ってます)。だいぶ柔らかそうな印象でした。

     使用法ですが、フルートは一人の奏者につき、座席が二つずつ用意されていて、その一つに自分が座り、もう一つにこのスワブとか楽器ケースとか、その他小物が置かれていました。で、演奏しながら、ちょっとの合間に、パッと右手を離して、右脇に置いてあるスワブをつかんで、サッとフルートの中に突っ込んで、ササッと動かして、パッと抜いてスワブを右脇に置いて、何食わぬ顔で、また演奏…というパターンでした。もちろん、フルートは長いままです。それで、ササっです。本当に短い時間で、水取りを何度もしてました。

     で、演奏が終わって、楽器をケースにしまっても、スワブは長いまま、手に持って、楽屋にお帰りでした。(ちなみに持ってくる時も長いのをそのまま持ってきます)。お二人いるフルート奏者さん、両方とも同じものを同じように使っていたので、こっちのプロオケでは、それが、ごく普通のやり方なのかもしれませんね。

     私はすでに一体化している部分に、何か仕掛けがあるんじゃないかとにらんでます。当日、気がつけば、チャカチャカ行って「これ、何?」って質問したんですが…、残念です。

  7. 詩音 より:

    なるほど、やはり長いクリーニングロッドをお使いになっていたのですね。

    緑色のクロスということなら確かに、私も使っていますがヤマハのロングクロスだと推測できますね。

    でも、かなりうまく巻かないとさっと通すのは難しいですし、そんな無造作に扱えばだんだんほころびて使いづらくなってしまいます。すとんさんのおっしゃるように、巻き方と、巻いた状態をキープするために何か工夫をしていらっしゃるのかもしれませんね。
    研究してみます。

    ありがとうございました。

  8. すとん より:

    >詩音さん

     おそらく単に巻いてあるのではなく、巻いた状態で固定されているのかもしれないし、心棒はクリーニングロッドではない可能性もあります。とにかく、何らかの工夫というのが施されているようでした。

     秘密にするような事では、たぶん、ないと思うので、調べれば分かるような気もしますが…。

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