先日、秋葉原の町をウロウロしていたら、メンデルスゾーンのフルート協奏曲のCDをゲットしました。メンデルスゾーンはフルート協奏曲を作曲していたっけ?って、してませんよね。その正体は…かの有名なヴァイオリン協奏曲をフルート用に移植した曲です。ま、一種のアレンジものですが、メンコンファンである私としては、ついつい衝動買いをしてしまいました。
あ、メンコンってのは「メンデルスゾーンのヴァイオリン・コンツェルト」の略語です。
帰宅してアマゾンを調べたら、アマゾンでも売ってました(笑)。おまけにアマゾンの方か安い(大笑)。でも、いいや。アキバで売ったCDというのが良いのです(負け惜しみ)。
さっそく聞いてみました。フルートを吹いているのは、アンドラーシュ・アドリヤンという人です。私は知りませんが、きっととても上手な方なのでしょう。原曲も聞き比べないといけないだろうと、CDラックから、若き日のアンネ・ゾフィー・ムッター(指揮はカラヤン)の演奏のを取り出して聞き比べました。
楽器の違いはあれ、どちもいいですねえ…なんて書きたかったけれど、聞き比べたら、ヴァイオリン圧勝。フルート惨敗でした。いやあ、これだけ気持ちよく叩きつぶされたら、フルーティストも文句ないでしょう。
もちろん勝負は、プレイヤーの演奏力とか、編曲者の腕前とか、そういうところ以前の、ヴァイオリンという楽器の特性と、フルートという楽器の特性の違いで決まってしまったと思います。
最初の1分間のそれぞれのソロを聞くだけで、趣味とか好き嫌いとかを超越した、本質的な違いというのが浮かび上がります。ああ、なんて、メンデルスゾーンというのは、巧みな作曲家なんだ。あの印象的なメロディーは、ただただ、ヴァイオリンで演奏されるためだけに書かれている事が分かります。だから「ヴァイオリン対フルート、ヴァイオリンの勝ち~!」って話ではなく、相手がフルートでなくとも、ピアノでも、トランペットでも、サクソフォーンでも同じこと。あのメロディーはヴァイオリン以外の楽器で演奏してはいけない、それだけの話なのです。
それにしてもヴァイオリンという楽器は、たった一つの音の中にどれだけのものを内包しているのか、その凄さを知らされました。さすがは大作曲家がヴァイオリンという楽器を想定して書いただけあります。ヴァイオリンの美点をこれでもかーっと言うくらい、たっぷり引き出してくれます。
そんな「ヴァイオリン専用曲」をフルートで吹いても、そりゃあ、美しいし立派だと思うけれど、それだけの話。ヴァイオリンが到達した音楽の高みには到底届かない。すごいよ、メンデルスゾーン。
ああ、それにしても、こんな名曲があるヴァイオリンがうらやましいですな。悲しいけれど、フルート音楽にはこの曲に匹敵できる名曲は…たぶん…ない。そこがフルートの悲しさだと思ってます。
フルートの悲劇は…やはり、ロマン派の時代に、大作曲家たちから、独奏楽器として、軽くスルーされてしまった事なんだろうと思う。フルートは時代に合わなかったのだろうね。悲しいな、でも、仕方ないな。うんうん。
コメント
コメント連続投下、ごめんなさい [E:coldsweats01]
でもあまりに面白い話題が続くもので、つい…
私もこの曲のフルート演奏版、ブダペスト交響楽団版で持ってます。
元のヴァイオリン協奏曲は、すとんさんと同じく
カラヤン氏とムター女史の最強タッグ版CDを。
この曲は無駄にスコアを持ってるくらい 大好きです(笑)
>ヴァイオリンという楽器の特性と、フルートという楽器の特性の違い
まさに言い得て妙ですね。
楽器による特性を再認識できるのが、こういった
「元は違う楽器の曲を、さらに違う楽器主役で演奏してみる」
といったお楽しみ演奏ではないかと思います。
私が持っているCDでは「ヤーノシュ・バーリント」という
フルーティストさんがソロを吹いてらっしゃいます。
フルートとしては、流石にプロだな~ [E:shine]
という演奏です。
でもやっぱり、この曲は「ヴァイオリンの為」に作られた曲ですよね。
切なく透き通るような出だしのムター女史のヴァイオリンの音色は、
もうもうまさに完璧です [E:heart04]
ベームさんがもっと早く生まれて、もっと早く
当時のフルートを改良してくれていたら;;
きっと素晴らしい「フルートの為の」曲も誕生した事でしょうに。
本当に惜しいです。
これからの、現代作曲家の皆様のお仕事に期待致します。
>はむはむさん
フルートの改良がロマン派以前に行われていたら…という、もしもの話は、私もフルートを吹く人間としては、思わないでもないです。たとえば、ベートーヴェンが、ブラームスが、チャイコフスキーが、メンデルスゾーンが、フルートの曲を真剣に気合を入れて書いてくれたら…と思わないでもないです。
でも、存在しないものは仕方がないです。
>これからの、現代作曲家の皆様のお仕事に期待致します。
まあ、そういうことになるのでしょうが、いくら現代作曲家の方が頑張られても、それはあくまで“現代音楽”であって、クラシック曲ではないんですよね。クラオタである私にとっては、“クラシックのフルート曲”が欲しいです。たとえ、編曲ものであっても。
そういうわけで、メンコンのフルート版には、ちょっと期待していたんです。単独で聞けば、なかなか良い曲だと思いますが、やはりオリジナルと比較すると…。
編曲をするなら、やはりオリジナルを越える編曲をして欲しかったなあ…とちょっぴり残念な気分なんです。
すとんさんは面白い方ですね。異論を述べたコメントに根拠のない理論でむきになって反論なさったり、今度はご自分のお聞きになった演奏の評価をすべてのフルーティストが納得するようなことを書いてみたり。
「私の言うことは全て正しいんだ」と言う新興宗教の教祖様のようですね。私は「すとん教」には馴染めませんので、これにて失礼致します。
アドリアンもやっていましたか。
有名フルーティストの名前は覚えておいた方が良いですね。
私もバーリント版を持っていますが、まだ聴いていません。
チャイコフスキーのは最近ブリヤコフの実演を聴きました。一部ですが。
比べるのは無理でしょうね。
テクニックがあって吹けるというのは素晴らしいと思います。
こうした演奏は元々ヴァイオリンに対抗しようとしているわけではないので、そもそも比較するべきものではないのでしょう。
ハチャトゥリアンのコンチェルトはランパルが作曲者に編曲を依頼したところ「自分でやってみたら?」と言われたそうです。
メンデルスゾーンの画集がアマゾンかな?にあったなぁ(水彩画が半端なく上手いですよね…って言うかプロ…&結構何でも出来る人だったみたいですね)…とググっていたら今年は生誕200年なんですね〜。
でも40才まで生きなかったのかぁ…と。
ムターは200年記念コンサート?演奏?やってますね。
バイオリンと言えば、宮本笑里さん、“情熱大陸”御覧になられましたか〜?(もうYOUTUBEにも出てます)
あんなに綺麗で、でも実は天才というより努力の人…。
ファンになりました。
すごく細いのに手が不釣り合いなくらい大きくて…。
>はじめさん
見苦しいですよ。
何が気に入らないのかは知りませんが、記事とは関係のない中傷コメントをつけて、楽しんでおられるとは…。結局、いつも、あなたは、他人を見下し、中傷し、でも自分は何一つマトモに対応しない。…楽しいですか?
ここに来る人、誰もがあなたにからまないのは、なぜだと思いますか?
結局、笑われているのは、私ではなく、あなたです。お分かりですか?
人間とは、自分の発想の中にある言葉しか使えません。私の事を新興宗教の教祖のようだと、持ち上げてくださるのは感謝ですが、そういう発想は私の中にはありませんでした。考えてみれば、あなたはいつもそうでしたものね。裸の王様は楽しいですか?
>これにて失礼致します。
はい、どうぞ。結局、話題をすり替える事と、私を中傷する事と、ここのみなさんに笑われる事以外は、何もできませんでしたね。次に来る時は、いつも使われているお名前でいらっしゃってくださいね。私はいつでも、あなたを許してあげます。
>センニンさん
>こうした演奏は元々ヴァイオリンに対抗しようとしているわけではないので、そもそも比較するべきものではないのでしょう。
全く、おっしゃる通りです。すぐに比較するのは、クラオタ、とりわけディスク系のクラオタの悪い性癖です。まあ、そんな奴だと今回は勘弁してやってください。
私はメンコンという曲自身が大好きなんですよ。それゆえに、期待値が高まりすぎていたキライはあるでしょうね。ヴァイオリンとの比較さえしてければ、このディスクの演奏は、それはそれとして面白いと思いますもの。
でも、やっぱり、そうは言っても、無意識に比べちゃいます。ああ、度し難いなあ、クラオタ(ディスク系限定)は!
>YOSHIEさん
今年はメンデルスゾーン・イヤーなんですね。「歌の翼に」でもレッスンつけてもらおうかしら?
私にとってメンデルゾーンの想い出と言うと、一生懸命サラった、オラトリオの「エリヤ」が結局、歌えなかった事が、一番の想い出です。ちょうど、合唱から声楽に乗り換える時期に練習していたので、そうなってしまいました。
情熱大陸って…全然知りません。宮本笑里さんは、最近がんばってらっしゃる新進のヴァイオリニストさんですね。
>あんなに綺麗で、でも実は天才というより努力の人…。ファンになりました。
私は宮本さんの事は存じあげませんが、プロアマ含めて、すべての、音楽を演奏する人は、基本的に努力の人だと思ってます。ただ、プロともなると、その努力の量は半端なくすごい量なんだろうなあと…私のつまらない人生経験から、そう判断してます。才能だけでは、プロとしてやっていけないと思ってます。
ここの管理者は前々から「事前検閲制」とかいう言葉を堂々と載せているようですが、この点ひとつをもってしても、いわゆるブログ上での世間一般で笑いものになっているのはどちらかがお分かりかと思いますが・・・。
結局、見苦しいのはあなたのほうですよ。
(最後に本日の投稿がお気に障り、気にいらぬようであれば、どうぞいつでも「強制削除」してください。)
>・・・結局、笑われているのは、私ではなく、あなたです。お分かりですか?
>人間とは、自分の発想の中にある言葉しか使えません。私の事を新興宗教の教祖のようだと、持ち上げてくださるのは感謝ですが、そういう発想は私の中にはありませんでした。考えてみれば、あなたはいつもそうでしたものね。裸の王様は楽しいですか?
(これにて失礼致します。)
>はい、どうぞ。結局、話題をすり替える事と、私を中傷する事と、ここのみなさんに笑われる事以外は、何もできませんでしたね。次に来る時は、いつも使われているお名前でいらっしゃってくださいね。私はいつでも、あなたを許してあげます。
↑ 以上、この記事の粘着かつ嫌味で延々と続く自己的な書き方、
ここの主さんのこの文章を読み直してみて、あることを感じました。最近ブログ上の投稿で教えていただいたのですが、昔(数年前?)、ソネブロ上において各ブログの非難合戦というか荒らしトラブルがあったそうです。もちろん私は当事者でもないので具体的なことは知らないのですが、多くのブログが閉鎖、休止、削除に追い込まれたなかで、今もネット上にあるトラブルの一方側のブログを見ることができるようですが(ただしソネブロ検索では非表示措置、グーグルのみ検索できるようですが)、そのなかの文章で非難されている記事が、まさにここの管理者のこの文章とそっくりなのですね。そのやりとりブログに付けられたタイトルに倣って、私もこのブログに称号を献じようと思います。 「湘南発・ブログの中でだけ威張る男」