声楽のレッスンに行ってきました。
前回は呼吸のチェックとお腹の支えを確認しましたが、今回は立ち姿のチェックからレッスンが始まりました。
私の立ち方の悪いところ……それは「お腹で立っている」というところ。デブはみんな、多かれ少なかれ、お腹で立っているんだよねえ。やせている方は想像もつかないだろうけれど「お腹で立つ」と言うのは「お腹を突き出して、そっくり返って立っている」あの姿です。これが声楽的には良くないわけです。
直されました。まずは、足の裏全体ではなく、しっかり足の親指で立つことを確認。接地面積が狭くなって、身体がぐらつくので、重心をしっかり下げて、安定を計る事も確認。とにかく、しっかりと立つ事が必要。
足が決まったら、次は腹。お腹はどんな時でも胸よりも後ろにあるようにする。絶対にお腹が胸よりも前に出てはいけない。常にお腹は、引く引く引く~!
足と腹が決まったら、次は頭。頭はその頭頂部に本を載せて、安定したまま、歌が歌えれば良ろしい。まるで昔のモデルさんのようだけれど、こんな古典的な事が実は大切。難しいね。
それにしても、立ち方をきちんとするためには、相当にインナーマッスルが強いことが必要。私は格闘技をしていた事もあって、アウターマッスルはかなり強いのだけれど、インターマッスルは凡人以下しかないので、厳しいです、はい。
立ち方の確認が済んだら、次は発声練習です。今回のテーマは「鼻腔共鳴をやってみよう」でした。
私は今まで口腔で共鳴する声を中心に歌ってきました。鼻腔共鳴は、最近数回トライしてきましたが、どうもうまく行きませんでした。そこで今回は「徹底的に鼻腔共鳴」って感じでした。
それにしても、鼻腔共鳴は難しいですね。結局、分かったような分からないような感じになってしまいました。先生の指示に従って、色々な声を出し、その度にアタリ、ハズレを判定してもらって、なるべくアタリが多く出るような発声に修正していく。その積み重ねで、ようやく正解にたどり着きました(つまり独学で鼻腔にたどり着くのは…たぶん無理だと思う。私の場合、一歩間違えると鼻声になってしまうだけだから)。
鼻腔共鳴は、一度たどり着くとわかります。声が鼻腔で共鳴し始めると、頭の、鼻と耳をつなぐ線よりも上の部分が、ビビビビ~と振動しはじめます。百聞は一見に如かず、と言うか、体験がすべてを凌駕すると言うか、そんな感じ。
問題は、鼻腔共鳴に入ってしまうとよく分かるけれど、どうやってそこに入ったら良いか、一人だとよく分からないというところ。ほんと、悩ましいです。
一度、鼻腔共鳴に入ったら、今度はそこで共鳴させたまま歌う。これまた、難しい。さらに、その次の段階は、より響きを大きくするため、鼻腔を(感覚的に)広げていくのですが…これは失敗しました。私には鼻腔を広げるのは、まだまだ無理でした。
とにかく、鼻腔ですよ。鼻腔共鳴。鼻腔に声を響かせる。これって以前キング先生が「音程は上から取る」の「上」ってのが、この鼻腔だったわけです。それに気がつくまで、ずいぶん時間がかかりました。
鼻腔に声を共鳴させたまま発声練習をしたところ、Asまで音が当たるようになったそうです。口腔共鳴だけでは、そんなところは絶対に無理ですから、鼻腔共鳴なかなかのものです。初日でそこまでアタれば、もう十分でしょう。先生がおっしゃるには「Asが安定して当たるようになると、いくつかのオペラアリアが歌えるようになります」だって。いやあ、アリアだよ、アリア。すげえなー。オペラアリアにチャレンジできるようになりたいです、マジで。
ちなみに、鼻腔に十分に共鳴した表声を頭声というのだそうです。はは~ん、納得。だって、鼻腔に共鳴すると、頭や顔がビリビリと振動するので、頭が振動する声だから「頭声」って言うんだろうね。こんな感覚は始めてでした。ううむ、この声が出せなかったから、今まで音域が足りなかったのだろうなあ。
とにかく、鼻腔共鳴を使いこなせるように早くなりたいです。
で、レッスンの最後は歌。Lascia Ch’io pianga です。
まずは通して歌ってみました。家でGが出ていることもあり、その感覚を大切に、力まず、軽く声を当てていく感じで歌ってみました。結果は…まあまあ? やっぱり自宅の練習と、先生の前で歌うのでは、ニュアンスが違うのか、力を入れすぎたり抜きすぎたりして、Gの個所もうまく行ったりいかなかったりで、ちょっと散々でしたが、この散々な状況が今の私の実力なので、仕方ありません。それでも結果は、前回のレッスンの時と比べれば、上々ってなもんです。ただ、音をアテに行っているので、表現がちょっと淡白すぎるのが欠点でしょうか。
一度、通しで歌ったので、今回は、Bパートの詩の解釈を確認。そして、感情込めてBパートを歌ってみる。実にうまく歌えている(笑)。結局、音程の事ばかりを考えて歌うと、妙に音程を意識してしまいます。感情表現を中心に歌ってみると、難しい音程のところもサラっと通り過ごして、バッチリな音程で歌っちゃえます。
最後にもう一回通して歌ってお終い。歌いながら先生に「お腹を支えて!」と言われて、支えるたびに、音程のふらつきが納まりました。お腹って大切ですね。
あとは、ブレスの位置(歌いだしの本当に直前にたっぷり吸う)と気持ちの切り換えについて注意を受けたっけ。
これで今回のレッスンは終了。その後、ある計画について、先生に相談しました。内容については、後日、本決まりになったら、ブログにアップする予定です。
最後の最後に、キング先生から「チェロやらない? 教えてあげるよ」って悪魔の囁きがありました(涙)。「なんなら、サイレント・チェロ、貸すよ」だって。ああ、やりたいやりたいやりたい…けど、断った。だって、一日は24時間しかないから(涙)。うへー。
コメント
鼻腔共鳴、初めての声楽レッスンの時からかなり時間をかけてやりました。
なかなかできるようにならなくて・・・。
今でも充分出来ているか怪しいものがあります。
大体顔がびりびり言わないです。
アリア・・・”Lascia ch’io pianga”も一応オペラアリアですが、いわゆるイタリアオペラのアリアのことですね。
私がキング門下ならチェロもやりたいけれど作曲とか教えていただきたいです。(作曲もなさるのですよね?)
>Ceciliaさん
Ceciliaさんも鼻腔共鳴で苦労したクチですか? 鼻腔共鳴は、簡単にできちゃう人もいるみたいなのですが、私は苦労しているというか、よく分かりません。特に切り換えの部分がなんともうまくできません。
どうにか、鼻腔共鳴がメインの音(Hi-Cよりも高い音)とか、鼻腔共鳴をあまり使わない音(五線の高い方のFとかFis)はすんなり楽に出せるのですが、その間の音がどうにもスムーズにできません。高いGが苦手なのも、そのあたりに原因がありそうです。
上から下につないでいくと、途中で声が落っこちてしまいますし、下から上だと、上手い具合に鼻腔共鳴にたどり着けません。
ま、焦っても仕方がないので、気長にゆっくりとマスターしていこうかなあと思ってます。
>アリア…”Lascia ch’io pianga”も一応オペラアリアですが、いわゆるイタリアオペラのアリアのことですね。
そうです、言葉が足りませんでした。いわゆるイタリアオペラの事ですが、具体的には、どのあたりを念頭に置いているのかまでは分かりません。おそらく、若い初学なテノールが習い始めに歌うようなアリアがあるんでしょうね。それの事です。
>私がキング門下ならチェロもやりたいけれど作曲とか教えていただきたいです。(作曲もなさるのですよね?)
はい、作曲もやられます。作曲の仕事も随時お受けしていらっしゃるようです。作曲か…趣味としてやるには、かなり濃いなあ…。
私も、お腹出して立ってるかも(笑)
で、なぜかかかとにばっかり体重かかってしまうんです。変な立ち方してると自分でも思いますが、足が悪いせいか直らないです(笑)
>橘さん
無くて七癖…なんですねよ。
カカトが減りますか? 私もそうです。私はカカトの外側が減ります。腹を突き出して、がに股で歩いているというわけですね。いやはや。
一番良いのは、靴の全面が同じように少しずつ減っていくのが理想なんだそうですが…そんな人、いるんでしょうか?
姿勢の矯正というのは、意識しないとできないようです。少しずつ、ポイントも一つずつに絞って、直していくのが良いそうですよ。私はひとまず…腹を引っ込めて歩くところから始めようと思ってます。
私、最初のころは顎に入ってばかりだったんです。
それを矯正するのに時間がかかったという感じです。
もちろん本当に鼻腔共鳴ができているか不安だからというのもあるのですが、今でもまず第一にするのは鼻腔共鳴のための発声です。(練習というほど大げさじゃないかも。)
やっぱり猫のまねとかいいんじゃないでしょうか?
あと声楽レッスンを始めて2年目くらいのころ、今では声楽家の知人(バリトン)から「もう鼻に集める(だけの練習の段階)は終わりじゃないの~?」みたいに言われたことも。(カッコ内は私の補足です。そういうニュアンスだったということで。)
まあもちろん彼はバリトンだったし、どこまでソプラノの声がわかっていたかというと疑問ですが。(今ではもっとわかっていると思います。)
大好きな米良さんが発声指導をしている番組ですがおもしろいですよ。(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=IvnGz-nXm9c&feature=related
>Ceciliaさん
アゴですか? 「アゴに入る」という感覚は、私には全く分かりません(分からなくてもいいんだと思いますが)。それこそ、人によって癖がだいぶ違いますね。
私は鼻に入ってました。鼻腔ではなく、鼻。場所が近いだけに、時間がかかっちゃったのかなあと思います。
>やっぱり猫のまねとかいいんじゃないでしょうか?
猫ですか? 猫は確かにいいかもしれませんね。
私の中では、猫よりも、ウミネコなんですね、あの海鳥の。土地柄、ウミネコの鳴き声はよく耳にしますので(笑)。それに哺乳類の猫よりも、海鳥のウミネコの方が、パワフルなので、ビンビンきますよ。だいたい、私はネコほど、かわいくないですから。キャラ的にも、目つきの悪いウミネコの方がお似合いかもしれない。
>まあもちろん彼はバリトンだったし、どこまでソプラノの声がわかっていたかというと疑問ですが。
確かに、声種による、色々なテクニックの違いってのは、確かにあるでしょうね。その違いをゴッチャにしてはいけないと思います。私がゴッチャにしてたら「それは、違うと思う」と遠慮なく言ってやってください(笑)。
>>チ・ェ・ロ!!
ふっふっふっ・・・・
弾きながら歌っちゃう?
でも実際のところ日記を読んでいると声楽ならフルートをやる方が相乗効果がありそうですよね。
すとんさんの声ってどんなんでしょうね?日本人の(多分)テノールって錦織健さんくらいしか知りません。ジョン・ケン?ヌッツオさんもテノール?
>YOSHIEさん
いやあ、実際、時間があったら、ぜひチェロをやりたいです。教えてくださるのが、我が師匠のキング先生なら、渡りに船というものですし。でも、今はやっぱり、まだ無理だなあ…。今ですら、声楽とフルートでアップアップだもの。これに加えるにしても、合唱とか、フルートアンサンブルとか、せいぜいサクソフォーンくらいまでだな。今やっているものの延長線上にあるものまで。チェロは全然違う世界で、もしやるとなると、ゼロからのスタートになりますから、厳しいです。
一応、これでも堅気な社会人やってますから、私。
>すとんさんの声ってどんなんでしょうね?
はい、こちらへどうぞ。
http://stone.tea-nifty.com/blog/2009/06/post-3cc0.html
フルートと違って、歌はなかなか自宅録音というのができませんので、アップしているものがこれ一つなので、ちょっと申し訳ないくらいです。一応、これで、私の歌声がどんなものかは、お分かりかと思います。
ジョン・健・ヌッツォさんも、ハーフですが、日本国籍のテノールですね。