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アゲハは魔笛になれるか?

 今日は、全くのオカルト話です。オカルトな話が苦手な方は、また明日、お越しください。

 では参ります。

 いきなりで申し訳ないけれど、私は管楽器には魂が宿っていると固く信じているタイプの人間です。特に、リードなどを使わずに直接楽器に息を吹き込んでいるフルートは、かなり濃いめの魂が楽器に宿っていると信じている次第であります。

 「単なる道具でしかない楽器に魂が生まれるのか」と言われると、それは「生まれるわけないじゃん」と答えます。私はこれでも一応、理性の人なんです。そんな無茶苦茶なことは申し上げません。ただ、魂は“生まれる”わけではないけれど、魂は“宿る”ものだと思ってます。

 「え? 誰の魂が“宿る”の?」と聴かれると、「フルートを吹いている、あなたの魂が“宿る”のよ」と答えます。

 「どうやって、魂が宿るんだい?」と尋ねられれば「それは、あなたの息と一緒に魂が吹き込まれるんだよ」と答えます。

 聖書の中にある、人類誕生のくだりに、こういう文章があります。

 主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。[新共同訳聖書 創世記2章7節]

 人が単なる土の固まりから、命を持った生き物になれたのは、その鼻に、神様からの命の“息”が吹き込まれたから。息は命…つまり魂を運ぶものなのです。

 私達が日々、フルートに息を吹き込んで曲を演奏してますが、実は息と一緒に私達の魂も吹き込んでいるのです。

 だからフルートは、吹き込むほどに、良い音を奏でてくれるようになると思います。そして、さぼっていると音が出なくなります。それはフルートが、人の魂を糧にして音楽を奏でる楽器だからです。

 フルートから良い音を出すには、フルートに良い魂を吹き込めばよいでしょう。毎日毎日、良い魂をたっぷり吹き込んであげてください。良い魂をたっぷり吹き込んでもらったフルートは、どんどん良い音色になり、やがて“魔笛”になるのだと信じてます。人の魂を揺さぶる音色の魔笛になるのです。なぜなら、フルートに宿った魂が、その音を聴いている人々の魂に語りかけ、共鳴するからです。

 私は日々、アゲハに良い魂を吹き込めているか? アゲハは魔笛になれるでしょうか?

 魔笛、魔笛と書いてますが、マテキじゃないよ、魔笛だよ。念のため。あ、モーツァルトとも関係ないからね。どっちかというと、魔鏡とか魔剣とかの類の話だよ。

 以上、オカルトな話でした。ちゃんちゃん。

コメント

  1. こしひかり より:

    おはようございます。フルートに魂がやどる…
    なるほど。私の場合、魂というか、気を感じます。イライラしているとそれが音に出たり、反対にリラックスした状態だとよい音になるみたいです。すとんさんが愛情をこめてアゲハさんを吹いていると、その気持ちに応えてくれると思いますよ。

  2. smilekumi より:

    朝からいいお話を読ませて頂きました。
    「魂を吹き込む。」素敵な表現ですね。
    これからのフルートに対する姿勢が変わるような気がしました。
    技術的なことはおいおい。でも気持ちだけは自分次第ですものね。変な魂吹き込まないようにしなきゃ(笑)
    オカルト系は苦手なので明日来ようかと思いましたが読んで良かったです。

  3. 橘深雪 より:

    すっごい期待して読んでしまいました(オカルト大好きなので)。

    私もすとんさんと同じ意見です。魂は宿ると思います。
    というのも、製作する側はとても神経を使っているのです。「良い音になるように」と心を込めて。でも、楽器だけが良ければ良い音は奏でることは出来ません。演奏する側もまた心を込めて演奏しないといけないと思います。

  4. Cecilia より:

    フルートに魂が宿っている・・・と感じた経験としては左の最近のトラックバック欄の「室内楽コンサート」ですね。(TBしようとしてすでに別な記事にしていたことを思い出しました。)
    あの時は本当に霊媒のように思えました。
    そういえばメノッティの「霊媒」もご覧になったのでしたっけ??

  5. すとん より:

    >こしひかりさん

     なるほど“気”ですか。それは私も感じます。気とか魂とか、ややこしいものを感じさせるほど、フルートは演奏する人間とのシンクロ率が高めの楽器なんだということだと思います。「フルートは自分の一部である」と明言する奏者の方もいらっしゃいますが、さもありなんとも思います。

     私もしっかり“気”を入れて、フルートの練習をすることにします。

  6. すとん より:

    >smilekumiさん

     別に私はオカルト好きというわけではありませんが、かと言って、すべての事柄が理詰めで分かるかというと、そうでもないなあと思っている人間なので、時折この手のオカルト話がアップされますが、ご了解ください(笑)。

     おっしゃるとおり、技術はさておき(大笑)、気持ちは自分次第。一流のプロ奏者のような気持ちで、愛情を持ってフルートに接してゆきたいものです。

     なんだかんだと言っても、自分のフルートは自分のもの(日本語が変?)。自分次第で良い笛にもそうでない笛にもなるというものです。がんばって、フルートを育ててゆきましょう。

  7. すとん より:

    >橘さん

     実際にフルートの製作やメンテナンスに関わっていらっしゃる方から、ご同意をいただけると、自分の感覚はまちがっていなかったのだなあと、とてもうれしくなります。

    >でも、楽器だけが良ければ良い音は奏でることは出来ません。演奏する側もまた心を込めて演奏しないといけないと思います。

     これは自分の腕不足を楽器のせいにしてしまいがちの、アマチュア奏者全般が心に刻まないといけない言葉ですねえ。

     「だって、この楽器、安いから」とか「〇〇製の楽器だから仕方無いよ」とか、自分の楽器をさげすむような発言をする方が、たまにいらっしゃいます。事実、そうなんだろうと思わないでもないですが、そんな安物の〇〇製の楽器も、あなたの楽器なんですよ、と思うことがあります。

     製作する側は「これは〇〇円の楽器だから…」と拝金主義的な態度で製作しているわけではないと思います。フルートの場合、価格差のほとんどは、原材料と製法と製作国と製作職人の雇用形態と製作日数から生じるものと考えてます。職人の手間賃という意味では、スクールモデルもハンドメイド品も大きく変わらないのではないかと思ってます。

     だから、普及品だからと言って、それが手抜きの低レベル製品とは限らないのでは? でも、そうは考えない人もいて、そういう人は自分の楽器をさげすむのだと思います。悲しいですね。

     まずは自分の楽器を愛すること、ここが良い演奏の出発点なんでしょうね。そのためにも、心を込めて演奏しないといけないと思います、例えアマチュアであっても。

  8. すとん より:

    >Ceciliaさん

     メノッティの「霊媒」はまだ見てません。なかなか上演もしてくれないし(涙)。

     実際にコンサートに行くと、時折、神がかる奏者がいますよね。たぶん、あの瞬間、その奏者、または楽器に、確実に神様が降りてくるのだと思います。それはレコードにはない、生演奏だけの楽しみだと思ってます。そういう瞬間に味をしめ、コンサートに足を運ぶようになるのだと思います。

     だから、音楽ファンはCDだけを聞いていたんじゃ、ダメだと思います。青年よ、iPODを捨て、コンサート会場に行きたまえ!

  9. 橘深雪 より:

    私のブログにすとんさんの記事関連を掲載させて頂きました。
    もし不都合ありましたら御連絡下さい。

  10. すとん より:

    >橘さん

     いえいえ、不都合どころか、大歓迎です。引用していただき、まことにありがとうございます。

  11. ダリア より:

    はじめてコメント差し上げます。はじめまして。
    同じアルタス吹きです。型番はすとんさんのほうがかなり上位機種をお持ちで、私のは1007ですが、アルタスをお選びになった経緯からなにから、そっくりでした。ブログを過去にさかのぼってどんどん読ませていただいているうちに、音楽やフルートについてお考えになっていることなどがまるでそっくりで、正直おどろきました。
    自分って変わり者かなあと思ってましたが、へーウェブ上には、こんなに似ている方もいらっしゃるのだナ、とお会いしたこともないすとんさんに妙に親近感を持たせていただいてます。

    私も声楽が基礎にあるタイプの音楽好きですので、その点もますます親近感の元となって愛読しています。今後とも楽しい話題をよろしくお願いします。

  12. すとん より:

    >ダリアさん、いらっしゃい

     私がアルタスの1307を購入した経緯についてはブログに書きましたが、経済的な話はしてなかったかな? 自分でも驚くほどのお値段のフルートを買ってしまいましたが、これも偶然に偶然の臨時収入やら何やらが重なった上での購入だし、ローンもかなり併用しているので、これが普段の私の経済力ではないので「へー、すとんさんってお金持ち」とは思わないでくださいね(思わないか)。

     それはともかく、アルタス、いいですよねえ。色々なフルートメーカーがある中で、わざわざアルタスをチョイスするという点で、私達にはすでに感性の共通点があるのだと思いますよ。でなければ、アルタスに行かないって(笑)。

     アルタスのオーナーさんは、ブログ世界でもリアルな世界でも、それほど多くはいませんので、もしよかったら、今後とも仲良くさせてください。お暇な折りには、コメントなどもいただけると、大変感謝感激雨あられでございます。

  13. たかさん より:

    >すとんさん

     あちらこちらの記事にお邪魔します。人の心を惹きつけて離さない笛の魅力(魔力?)は確かに存在すると思います。

     日本にもこんな話があります。今昔物語の一節ですが…。

     都の、とある門の上から夜になると、この世のものとは思われぬ程、妙なる笛の音が聞こえてくる。笛の名人が門の所へ行き、その笛の主と笛を交換する。その名人がその笛を吹くと誰もが聞きほれる。しかし、その名人以外、誰もその笛を吹きこなせない。実はその笛は鬼の笛であった。

     うろおぼえで恐縮です。

     私のアルタスは、あやうい魅力を持った笛になったかも知れません。他の人がこの笛を吹いても、まともに吹けなかったりします。専門家の方でも苦労したりしますから…。

     ただ、鬼の笛と違うのは、私が名人でないことですかね。でも私の笛は、練習で音を出すのに苦労するのですが、本番になると笛に助けられています。

     今まで何度も買い替えようとしながら、いざとなると、「やっぱりやめた!」となるのも、魔笛である証明かも知れません。

     アゲハも魔笛になる可能性は十分でしょう。

  14. すとん より:

    >たかさん

    >でも私の笛は、練習で音を出すのに苦労するのですが、本番になると笛に助けられています。

     鬼の笛ではないかもしれませんが、持ち主にしか吹きこなせない笛は、もう魔笛の素質がだいぶあるように思えます。それもかなりのツンデレ系の魔笛ですね(笑)。

     アゲハも相当のツンデレですよ(笑)。私の技量不足も否めないですが、それにしても、毎日毎日、私を惑わせてくれます。もし、楽しくって仕方がありません。たかさんも、ご自分のフルートを吹いていると、そんな感じしませんか? ツンデレな笛って、なかなかかわいいですよね。

  15. すとん より:

     この二つ上のたかさんのコメント中にある「今昔物語」うんぬんの話は、正しくは「十訓抄」の話だそうです。たかさん自身がご自分のブログ(http://yanai8713.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-e7bb.html)で訂正されていましたので、報告しておきます。

  16. たかさん より:

    >すとんさん

     ケースを直した後、私のアルタスに名前をつけようとして、鬼の笛の名前と同じにしようと、調べてみたら違っていたことがわかったのです。大変失礼致しました。

     

  17. すとん より:

    >たかさん

     葉二(はふたつ)って、鬼の笛の名前なんですか。魔笛ならぬ、鬼笛という奴ですね。おもしろい、おもしろい。

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