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部屋も楽器

 たぶん、ポピュラー音楽の人には分からないと思うのだけれど、演奏する場所も楽器の一つなんだと、私は考えてます。場所が変われば、同じ演奏をしていても、随分と聞いた変わるわけで、だからこそ、クラシック系の音楽家は演奏場所にシビアになるわけです。
 部屋も楽器…と考えるならば、演奏する場所は、適度な広さが必要です。これは部屋の壁や床の材質との関係もあって、壁が木で出来ているならば、広すぎず狭すぎずぐらいの広さが良いですが、壁が石で出来ている場合は、天井がかなり高い方が良いです。布で覆われたような部屋は楽器としては、あまり良くない部屋になります。
 私の感覚だと、左右の広さよりも前後の長さの方が大きいほうが演奏しやすいし、それよりも天井が高い方が、もっと嬉しいです。
 要するに反響音(残響音)がどの程度返ってくるのか、どれくらいの時間で返ってくるのか…が問題になるわけです。
 ポピュラーの世界なら、そのあたりの問題は、P.Aで解決しちゃうでしょ? クラシック系の音楽はP.Aを使わない分、部屋の残響にこだわるわけです。
 で、残響は、程度問題になるけれど、基本的には残響がある程度豊かな方が演奏しやすいです…って、残響が乏しい部屋では、つまらない演奏しかできないし、歌なら、声をつぶす可能性が出てきます。残響の無い部屋で歌うのは、本当につらいのだから。
 そんなわけで、クラシック系の演奏は、俗に言う“音楽ホール”と呼ばれる、特別な場所で行われるのは、そんな理由からなのです。
 逆にポピュラー音楽の場合、残響はP.A.でコントロールするから、部屋の残響自体は、むしろ無い方良いのだよね。そんなところも、クラシック音楽とポピュラー音楽の違いと言えば、違うんだよね。

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