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ビートルズ『Get back』を見た感想 その2

 長い記事になってしまったので二分割しました。今日はその後半です。
 さて、はっきり言っちゃえば、ジョージとリンゴは脇役です…ってか、ほぼほぼ舞台装置です。彼らはビートルズにとっては、交換可能な存在です。
 自分が交換可能な存在である事が許せず、なんとかして、先輩二人と肩を並べようとモガいているのがジョージ・ハリスンです。だから、いつもイライラしているし、寂しげだし、不満足なんです。見ていて、ちょっぴり可哀想です。なんか、空回りしているんだよね。
 リンゴ・スターは、よく言えば職人ですし、プロです。ずばり言えば、他人なんです。ジョンとポールとジョージは、先輩後輩であり、もっと言っちゃえば精神的な兄弟でしょう。でも、リンゴは他人。彼ら3人とは、距離がある存在です。だからリンゴって、いつも冷静だし、いつも白けているんです。
 他の3人はガキですが、リンゴだけは年齢相当のオトナです。
 でも、よく見ていると、リンゴの扱いって、結構悪いよね…。ジョージ以上に軽く扱われているし、無視されているし、見ていて「なんかなあ」っで思わないでもないです。
 彼らの仕事風景を見ていると面白いなあって思う事は、彼らは音楽家なのに、全く楽譜を使っていないんですよね。でも、明確に音楽へのイメージがあって、それらを話し合ったり、実際に演奏してみたりして、互いに伝え合い、それであの名曲たちが生まれるわけで、単純に「ああ、すごいなあ」って思いました。メロディを作るのは、誰か一人だけれど、それをアレンジしていくのは、グループ作業なんですね。
 あと、ビートルズにはキーボード奏者がいません。だから、今回、ライブのためにキーボード奏者であるビリー・ブレストンを呼んだわけだけれど、普段の彼らは、キーボード奏者無しで活動しています。なぜ、そんな事ができるのか思ってみたら、実は4人ともキーボードが弾けるんですね。驚きです。ビートルズでピアノと言えば、ポールのイメージが強いですが、ジョンもジョージもリンゴも、普通にピアノを弾いちゃうんですね。ちょっと驚きです。だから、レコーディングなら、オーバーダビングできますから、手の空いたメンバーがキーボードを弾けばいいので、キーボード奏者がいらないってわけです。
 さてさて、このドキュメンタリーの目玉となる屋上コンサートだけれど、『Get back』で配信されたものは(時間的に)フルバージョンらしいです。
 映画『Let it be』は映画だったので(当然時間的な問題からも)あっちこっちカットされたり繋ぎ合わされたりして、編集されていました。そういう意味では、今回はたっぷり楽しめたわけです。特に素晴らしかったのは、画面をいくつにも分割して、同時進行しているシーンを楽しめた事です。演奏者を右から写している画面と、左から写している画面を同時に見せてくれたり、ジョンとポールをそれぞれ別のカメラでとらえた画面を同時に見せてくれたり、屋上で演奏しているビートルズと、それを聞いている地上の人々の姿を同時にみせてくれたり…と、見せ方が今風で興味深くて面白かったです。
 まるでドラマ『24』みたい(笑)。
 なので、今までも色々なソースで散々見てきたコンサートなのに、新鮮な気持ちで見られたのは良かったです。
 最後の感想です。今回の『Get back』は、見る人を激しく選ぶと思いました。ビートルズのファン度が深いほど楽しいでしょうし、ビートルズを知らない一般人にとっては、退屈でたまらない作品だと思いました。
 ディズニープラスに加入をしてまで見る必要があるのか?という問いに対する答えも、ほぼ同様です。ビートルズのファン度が深い人はぜひ加入してみるべきでしょうし、そうでもない人は、DVD化されてから見てもいいでしょう。もはやゲット・バック・セッションは古典的な存在ですから、そんなに急ぐ事はありません。
 ただ、ディズニープラス自体は、今回のビートルズ『Get back』に限らず、面白いですよ。映画館で上映されない作品も配信しているし、DVD化されないドキュメンタリもあります。ディスニー本体が好きな人はもちろん、スター・ウォーズやマーベル作品が好きな人は、入って損はないと思います。
 個人的には、新設されたばかりの“スター”というコーナーにあるドラマ『吸血キラー 聖少女バフィー』は面白いし、オススメです。かつてFOXで『バフィー ~恋する十字架~』というタイトルで放送された海外ドラマで、全7シーズンだけれど、これは本当に面白いです。日本のドラマには無い、ダークファンタジー系ドラマだよ(テレ東でもシーズン2まで放送されました)。私ももう一度見直してみようかと思っています。ただ、全部で150話程度あるから、ちょっと二の足ふんじゃうんだよね。
蛇足 “スター”には、まだまだ海外の名作ドラマがあるようです。私は未確認だけれど“glee/グリー”も全シリーズあるそうです。これは音楽ドラマです。かつてNHKでシーズン3まで放送されましたが、その後の最終シーズンまで見た人っているのかな? 私は最後までDVDで買い揃えたけれどね。へへへ。
蛇足2 同じくディズニープラスで、2021年12月22日から『マッカートニー 3,2,1』というドキュメンタリーが配信されます。全6話で、ボールが自身の楽曲制作にまつわる秘話を語っていくというものです。ううむ、こちらも楽しみだね。
蛇足3 ドラマ『ホークアイ』が始まったよ。マーベルのアヴェンジャーズ関係のドラマです。今やっているフェイズ4というシーズンは、すべてを映画で展開していたフェイズ3までとは異なり、いくつかの主人公の物語は、映画にせずに、ディズニープラスのドラマでの配信だけになってます。今までも『ワンダ・ヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』『ロキ』がディズニープラス限定で配信されていますので、今回ので4作品目って事です。マーベルファンなら、見るしかないよね。

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コメント

  1. オペラ座の怪人の怪人 より:

    この3日間で、
    録画・録音もの(レコード、CD”“DVD”“配信音源”“YouTube画像” 等々)と
    ビートルズの前編・後編、を拝読し、書き込ませていただきますと、
    どんなに望んでも、
    どんなにお金を積んでも、
    今、2021年、生きている、実物のビートルズの、
    「ライブ」に参加することはできず、
    録画・録音で楽しむのみ、
    ハイフェッツ、マリアカラス、ホロヴィッツ、カルーソー等々は、
    ライブ演奏には接することができないけど、
    (録音状態は悪いけど)録画・録音に接することができる、
    でも、ショパンやリストのライブ演奏に接することはできず、
    彼らには、録画・録音もない、
    テクノロジーさまさま、
    テクノロジーありがとう、って感じる私です。
    ある演奏家(名前は書かないでおきます)が書いたSFで、
    バッハ自身が演奏している(としか思えない)海賊版レコードがありまして、
    というお話、がありまして、
    いやあ、とってもいいお話でした。
    脈絡がなくて、すみません。
    おしまい

  2. すとん より:

    オペラ座の怪人の怪人さん
     確かに録画・録音の技術には感謝してもしきれません。と同時に、それらから派生的に生まれてきたPA技術にも感謝です。現在のポピュラー音楽は、PA技術がなければ成り立ちませんからね。ポピュラーのヴォーカルとかエレキギターとか、PA技術の産物だもの。
     テクノロジー、ばんざい。

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