“レコード”と書いてますが、これは私が昭和の人間だからであって、これを“CD”“DVD”“配信音源”“YouTube画像”とかに読み替えても問題ありません。つまりここでのレコードと言うのは、生演奏を直接聞ける演奏会以外の演奏、あるいは、記録された演奏音声の事を指しています。
レコード。とても重要な音楽アイテムです。地方在住者にとって、とりわけクラシック音楽に親しむとなると、それはほぼほぼレコード再生になるわけです。レコードを通して、クラシック音楽に親しみ、レコードの演奏に音楽的な喜びを得るわけです。レコード、大切です。
今でも『レコード芸術』なんて雑誌があるくらいだし、私も30年ぐらい前は大いにお世話になったものです。
レコードの恩恵は計り知れません。いつでも気軽に、世界の名曲や名演奏を聞くことができますし、遠い外国の演奏家の演奏も、すでにこの世を去ってしまった名演奏家の演奏だって聞くことができます。私などは、もしもレコードが発明されなかったら、音楽ファンにはなっていなかったでしょうし、今のような趣味満喫生活も過ごしていなかったと思います。
だから、音楽ファンの第一歩として、レコード鑑賞はアリだし、レコード鑑賞を中心とした趣味生活を否定するつもりは、私には全くありません。
でも、音楽ファン歴がほぼ人生と等しい私に言わせれば「レコードじゃ分からないんだよ」とも「レコードだけじゃ足りないんだよ」と、声を大にして言いたいわけなのです。
世には、レコード(今ならCDとか配信でしょうが)デビューをしていない、優れた音楽家さんがたくさんいます。特に地元で活躍しているローカル音楽家さんの活動は見逃しがちです。
レコードデビューをしている音楽家さんだって、実はレコードの演奏とコンサートの演奏では、かなり違う事もあります。レパートリー的な違いはもちろんですが、録音によって取りこぼされるモノって少なからずあるんです。音質的なモノであったり、空気感的なモノであったりとか、そういう取りこぼされてしまうモノには良い味があったりするんですよ。
最高級に良い再生装置を使えば、レコードであっても、かなりコンサートに近い演奏が楽しめるかもしれませんが、それでもやっぱり多くのものが取りこぼされてしまいます。オーディオには限界があるんです。
なので、レコード鑑賞での音楽の楽しみを満喫されたら、次はコンサートホールにぜひぜひ行っていただきたいと思うわけです。出演者は…別にとびきり有名な演奏家でなくてもいいんです。リアルなホールで、生の演奏を聞く…これって、美味しい音波を含んだ空気をカラダで感じるようなものなんですよ。
だから、レコードじゃ分からないって、常々思うわけなのです。
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