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歌わないで!

 さて、アルテの練習です。とは言え、すでにレッスンの残り時間はあと10分! ま、アルテの扱いなんて、いつもこんなもんサ。

 とりあえず前回の続きから、時間の限り吹き続ける。アルテの4課は全部終了。5課は4番の第1変奏まで、一曲を除いてOK。次回は第2変奏から。ある意味、ホッとしました。

 と言うのも…

 その直後のアルテ5課4番第2変奏…。アルテでぶつかった始めての壁。さあ、次回までに乗り越えることができるでしょうか…。

 いやあ、壁なんですよ、この曲。客観的に見れば、何とも簡単な曲なのに、私はこれをきちんと演奏できない。いやあ、参りました。所詮、オジサンの趣味はこの程度? それにしても、早々とつまずきました。挫折するにも早すぎる(笑)。

 どこがつまずきポイントなのかと言うと…四分音符108の速度での八分音符のフレーズ をきちんと吹けない。はっきり言うと「指が動かない!」「指がもつれる!」「誰かが見えない力で私の指にいたづらする!」です。 致命的な欠点だね。この速さ(と言っても、音楽的には別段特に早いわけではない)に全く対応できず。個人的には、この曲には8月上旬あたりからトライしているのだけれど、出口が全く見えません。もう一カ月も毎日吹いているんだけどねえ…。

 ちなみに5課には7番とか8番もあって、そこは四分音符132の速度での八分音符のフレーズがあります。108で対応できないのに132で吹けるかというか、吹ける気が全くしません。この辺の、運動性というか、巧緻性というか、そこに大いに欠けるのが、大人の初学者の特徴なんだろうな。何しろ、この能力のピークは小学生だもん。後はそこからズルズルと老化という現象で、能力低下してゆくだけだもんな。だいたい、若い時からそれほど器用でもなかったし…。

 子どもの頃からフルートをやっている人…なんて比較しない。せめて子どもの頃からピアノをやっている人がうらやましい。ピアノをやっている人は、この程度の速度に指が対応できないって事は、まさか無いだろうね。ピアノ上がりの、笛初心者の皆さんが、とってもうらやましい今日この頃です。

 あと、指の問題以外にも息の問題があるな。息と言うか、タンギング~? 何か、微妙~に、タンギングのタイミングと指の運動がズレているような…? 息が止まっている時に指がベストな位置にいたり、指が動いている最中に息が吹き込まれていたり、なんかワヤクチャ。ブラバン上がりの人なら、なんてこともないんだろうけど…ブラバン上がりの人はうらやまない事にしてます。あの人たちは、別の世界の人たちだから…。

 ま、とにかく乗り越える方法は…ひたすら練習しかないな。他に方法が思いつかない。ひたすらバカになった気分で吹きまくるしかない。泣き言を言っても始まらないので、やります。とにかくやります。あと二カ月毎日練習して(つまりトータルで三カ月毎日練習して)、それでも吹けるようにならなかったら、私の『笛の壁』はここにあったって事で、今後のことを考え直さないといけませんな。なんか悔しい。

 それにしても、アゲハを購入して、すぐに壁にぶち当たるなんて、ついてないな。

 さて、アルテで一曲だけOKにならなかった曲の話をします。それは5課の3番です。中音のドから、多少上下に動きながら、四分音符60の速さで、少しずつ低音のドまで下りて来るという曲。ピアノだったら、幼稚園の子でも朝飯前に弾けますって感じのフレーズがダメでした。

 ロングトーンでは低音を誉められましたが、この曲では低音の「ド」に苦労してます。「毎回、違う音を出すので、テクニックが必要なんですよね」と慰めてもらいました。とにかくドを出すこと自体が、あまり簡単ではない上に、たいてい息が足りなくなっているので、大変な思いをしています。

 それで、思いっきりお腹を締めてドを出していたら、しばらくして笛先生が「歌わないでください」って言うのです? はあ? 歌ですか? 私は笛を吹いていて、歌ってませんが? なんて、感じでいると、また言います「歌わないでください」

 どうも、私には全く自覚がないのですが、低音のドが出づらいので、音が出なくなると、笛を吹きながら私「ドーーーー」って歌っているらしいんですよ。全く自覚ありません。そんなことをしているつもりはありません。

 でも「ドーーーー」って歌っていると先生がおっしゃるんですよ。ほんと? 無意識って怖いなあ…。確かに低音のドって、とっても歌いやすい音なんだよね。何しろ、テノールにとっては、五線の中のドだもん。楽勝だよね、だからこそ、無意識に歌っているのかしら。ううむ、分からん。

 ただ、心の中では確かに歌ってますよ。だって、歌詞のないメロディーって考えられないもの。ほとんどの場合、固定ド唱ですが…。コンコーネをやっている時と同じ気分ね。だからドを吹く時は、心の中で「ドーーーー」って歌ってます。

 うっかり、心の中の歌が声となって出てしまうのかなあ…。きっとそうなんだろうなあ…。

コメント

  1. aky より:

     すとんさんは、ご存知で既にお持ちかもしれませんが、つぎのCDは、お薦めです。

    http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%B9-%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E6%95%99%E5%89%87%E6%9C%AC/dp/B00005F3C3/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=music&qid=1221524172&sr=8-2

     これは、アルテ教則本(第1巻から3巻まで)の練習曲をCD化したもので、聴くと自分はこんな美しい曲を練習しているのだと、驚愕しました。

  2. すとん より:

    >akyさん

     これ持ってま~す、って言うか、右サイドバーの「アマゾンでどうぞ」にランダムに出てくるようになっておりますです、はい。

     これ、実は少し前までカラオケ代わりに使っていたのですが、なにしろ演奏が速くって…。アルテの指定のメトロノーム記号よりも3割から5割増?って感じで、聴く分にはいいけれど、練習用としてはいかがなもの…と最近思うようにありました。

     それとも速いのは5~7課周辺だけっすかねえ?

  3. あゆみ より:

    歌ってしまうということは喉鳴りのことでは?
    最初のころ低音を吹こうとすると結構喉鳴りしますよね。うちの先生によると頭管だけで練習するとよいとかでしたが、防音室してるうちでさえ近所迷惑だと思い私はやりませんでしたが。低音のときは息を下向きに吹きこむよう意識すれば喉鳴りはやみ美音が出ます。

  4. あゆみ より:

    途中で送信してしまいました。
    指がついていかない点は指使いが覚え切れてないからも原因の一つだから音が出せない時間でも指使いの練習するとよいと思います。トレ−バ−ワイの言う「指より頭(記憶力)がついていってない」というやつでしょう。指使い覚え曲のメロディー覚えたら今の倍指が動くようになるでしょう。

  5. すとん より:

    >あゆみさん

     喉鳴りね…。そうかもしれない。息を下向きに意識するのですね。低音に限らず、ウチの先生は「常に息は下向き」と言っているのに、私はいつもうっかりしていることが多いのですが…下向きに注意してみます。ありがとうございます。

     指がついていかない件に関しては、問題をきちんと切り出せていないので、本当の原因はどこなのかは、実はよく分かりません。

     一応、指使いはたぶん(笑)覚えていると思います。メロディも覚えていますし、譜もきちんと読めています。実はできないできないと言っている曲も、速度を2/3程度に緩めれば、きちんと吹けます。

     ですから要は、脳と指の連携だろうと思ってます。それが「指使いが覚えきれていない」というのなら、そうなんでしょうね。

     例えば「ド」を出したいのに、速くなると、必要な指が動いてくれないのね。速度を落とせば、できるんですよ。別に考えるわけではないのです。速度さえゆっくりなら、何も考えずにできるのに、少し速くなると指が暴れるというか、整理された動きができなくなるといわけで、問題は、指定された速度でできないこと。指がもつれるという感じです。

     私、昔はこれでも結構、足が速くて、短距離とか得意だったんですよ。それがある年齢になってから、走れなくなりました。理由は「スピードが出ると、足がもつれて、転ぶようになったから」。速さに体が付いてこれなくなったんですね。以来、ある一定の速度を越えると、いつも転ぶようになりました。転ぶのは(柔道をやっていたので)全然平気なのですが、リレーなどで他の人に迷惑をかけるのが悪くてねえ…。

     もっとも、走る方は転ぶようになってからトレーニングをしていないことも原因の一つでしょうね。

     指もおそらく、同じことなんじゃないかと思ってます。加齢で速さに対応できなくなっている…、ただ、今回はきちんとトレーニングをして、指がもつれる限界速度の上限を少し上に持ち上げることはできないだろうか…と思ってます。

     だから、馬鹿になって練習するしか方法はないかなあ…って思っているんです。その馬鹿になって練習することが「指使いを覚える」ことなら、もう必死になって指使いを覚えるつもりです、いやホント。

     年を取るってのは、昨日できたことが、今日はできなくなることなんだと思ってます。抵抗は試みますが、いずれは心静かに受け入れていかないといけない事なんですよ。

  6. かをり より:

    既に ご自分で解っていらっしゃいますね。もつれる…指が転ぶ 「練習もやみくもにただ続けるより 理解して身体に覚えさせなさい」 これは私が師匠に言われ続けている台詞です。 メトロノームを転ばすに出来るテンポにセットして 10回とか20回とか 連続して出来るようになったら 目盛りをひとつ下げる。
    リズムに変化をつける。例えば 「ドレドレ…」を 付点をつけて「ドーレドーレ…」「ドレードレー」
    8分音符の行列なら 三連符に変えてみる 「ドレドレ…」を「ドレド レドレ…」

    スケールは練習しておいたほうがいいですよ。C-Durで上がって下がってかなり重要です。全調すらすら出来るように(と言われ続けています)。

    練習というより 訓練ですが 必ず出来るようになります。

    私も すとん様のおっしゃる「ブラバンあがり」ですが 「ブラバンあがり」の人がみなさん 指が パラパラ回るかといえば さにあらず 私のように 何十年経っても同じことが出来ない人もいます。
    今はオケにいますが オケの管奏者はみなさん基礎練習をじーっくり時間をかけてやっています。
    基礎練習は 決して初心者練習ではないと 今更理解した私です。

  7. すとん より:

    >かをりさん

     アドバイスありがとうございます。

    >メトロノームを転ばすに出来るテンポにセットして 10回とか20回とか 連続して出来るようになったら 目盛りをひとつ下げる。

     やっぱり、これしかないんでしょうね。なんか、そんな気がして、20回はやりませんが、3回連続して出来たら、ワンランク速い速度へ移行する事にしてやってますが、ある速さからピタリと出来なくなります。合格ラインを20回にしたら、スタートラインに戻るどころか、大幅後退しそう。でも、そのあたりまで戻ってやった方が近道なのかな…。少しチャレンジしてみるべえ。

    >スケールは練習しておいたほうがいいですよ。

     ハ長調の[2オクターブに渡る]スケールは、アルテでは、今引っ掛かっている曲の次の次に出てきます(笑)。予習してますが、当然できません(汗)。四分音符132の速さなのに八分音符のスケールでは、私、対応できませんって。

     これも、速度を落としてできるところから、ジワジワ速度を上げてやってゆくことにします。

     とにかく、できる速度のところから、少しずつテンポアップして、目標の速さまで到達できるような練習をしてゆくことにします。

  8. あゆみ より:

    うちの先生によると全くのフルート初心者がアルテスから始めるのはかなりしんどいものがあるそうですよ。(あくまで私の先生の個人的意見)私もトレーバ−ワイの方が入りやすいと思います。レッスンに持って行く曲とは別にワイを家で練習するとよいですよ。ワイの初心者用2巻すますとアルテスなんてなんだこんなもんと思えますよ。(私もそうだったから)

  9. すとん より:

    >あゆみさん

     やっぱりそうなんですね、何となくそんな気はしていたのですが…。確かにシンドイです(汗)。

     実はトレバーワイの初心者用教本は持っていますし、前巻の半分くらいまで(ホ長調が出てくるところまで)、夏の間に一人でチマチマやりました。アルテの5課6課で苦戦している上に、ロングトーンの練習も始めてしまったので、最近はめっきりトレバーワイを開く時間が作れずに放置していました。

     何しろ、フルートばかりに時間をかけてしまうと、歌の練習ができなくなってしまいますので…。

     今後は5分、10分だけでも、トレバーワイを開くように心がけます。アドバイスありがとうございました。

  10. あゆみ より:

    仕事の合間に細切れコメですが。

    練習曲を何%くらいの仕上がりで次の曲に行くかというのは先生の方針にもよりますが初心者で1曲深堀りしても100%仕上がるわけはないので(=エチュードの要求する技術が100%身につくことはない)ある程度でどんどん違うものを吹いて行く方針の方が上達するのは早いです。曲それぞれ要求するものが違うので。

    楽器の上達は総合的な面が多いし今の初心者の段階で速度のみ美音のみを追求するのは時間の無駄になること多いです。ともかくある程度の段階まではご飯食べる時間も惜しんで(私もそうしてました)練習しないことにはらちがあきません。根性ものですが。
    スケール、アルペジオも今の段階では難しいんじゃないかな?(私が始めたころそうだったから)

    大人が初歩から楽器を習うというのは子供の敏捷性も望めないし仕事持ってるから時間もない・・・と悪条件が多いですね。時間の使い方を工夫して練習時間を捻出するしかないです。まあ男性は女性ほど家事に追いまくられないだけ恵まれてると思って下さい。(爆)

  11. すとん より:

    >あゆみさん

     うちの先生もよく「この曲はこの程度仕上がっていれば良いです」と言いながら合格をくれますので、どんどん色々な曲を吹かせる方針なんだろうなあと思います。もっとも「この程度」で合格というのは、どの程度で合格なのかは、私には分からないのですが…。

     スケールは、ハ長調のスケールに取り組んでいる最中です。他の調は、遊びでちょびっとくらい? アルペジオはできる気がしません。

     大人が初歩から楽器を習うと…確かに、敏捷性もないし、時間もないの、ナイナイ尽くしになりがちですが、それでもいくかの点で子供に勝っている部分があると思ってます。それは「意欲」と「知性」かな?

     最初はこれに「経済力」を入れましたが、金持ちの坊ちゃん嬢ちゃんの経済力には敵わないので外しました(笑)。

     とにかく、大人の初学者には「意欲」と「知性」があります。この二つを武器にして、前に進んでいくだけです。

    >まあ男性は女性ほど家事に追いまくられないだけ恵まれてると思って下さい。(爆)

     すいません、その通りです。

  12. まきりん より:

    すごいなあ、すとんさん、もう5課なんですね。
    このへんから、難しくなっていきますよね。
    指の方もだんだん回らなくなっていきますよね。
    わかるなあ…(いまだに、ダメだもの私)
    そんなときは、メトロノームにあわせてゆっくりのテンポで、
    そして、徐々にテンポを上げていく。
    それだけではなく、リズム変化をつけて練習する等です。

    コメント欄にかかれていた、皆様の練習方法、なるほど~と
    読ませていただきました。参考にしたいです。
    私は4課あたりで、曲を練習しました。星に願いをです。
    ゆるゆると…2年ぐらいでアルテの1を、とのことでしたが、
    この分では3年ぐらいかかりそうです(^^;)

  13. すとん より:

    >まきりんさん

     5課です。おっしゃるとおり、難しいです。

     私は、幸いにも主婦ではないし、家事もしませんので、もう馬鹿になった気分で、練習し倒しています。ほとんどノリは“一人部活”のような感じです。皆さんに教えていただいた練習方法を取り入れながら、ガムシャラにやってます。

     私の場合、フルートは本当に初心者なんですよ。だから、何も癖が付いてないんです。もし、アルテの学習速度が少しばかり早めだとしても、それは“悪い癖”を取らずに済んでいるからではないかと思ってます。

     どんな楽器であれ、自己流にやっていた時間の長い人ほど、なんらかの癖が付いているわけで、どんなレッスンであれ、まずはその癖を取るところから始まるじゃないですか(私の場合、声楽がまさにソレなんですが)。ところがフルートでは、私は真っ白な人なんで、ただただ練習に励むだけで良いのです。ちょっとでも、悪い癖が付きそうな事をやると、先生にすぐに直されてしまいますので、ほんの少しでしょうが、学習速度が速いのだろうと思います。

     ただ、いい気になって進んでいけるのは、やはりこのくらいまでかな? とも思ってます。だって、指、まわんないんだもん。大人になってから始めると、メカニカルな動作は、とっても苦手なのね。

     曲は、前々回くらいかな? チラっと話が出たのですが、うやむやになってしまってます。私の場合、やるならボサノヴァの曲になるんだろうと思ってます。何しろ、先生がボサノヴァのフルーティストですから。

     お互い、がんばってゆきましょうね。

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