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息を流そう、息を吐いていこう

 私が現在直面している歌唱上の問題は「息をきちんと吐きながら歌う事」です。たぶん、普通の人は難なくこなしている事だし、かつての私も普通に出来ていたと思います。
 息と歌が分離をしたのは、キング先生のグループレッスンで学んでいた時だと思います。キング先生には、最初はグループレッスンで、やがて個人レッスン(最初のうちは隔週レッスンでしたが、やがて毎週レッスンに変わりました)で学びましたが、その最初期のグループレッスンの時代に、身についたテクニックだと思います。
 あの頃は、毎回のレッスンで必ずロングブレスの練習をしていました。ロングブレスの練習とは、無声音(shhhhhhhh…!って感じです)を出し続ける練習で、最初は4秒間から始めて、8秒間、16秒間、32秒間と伸ばしていきました。32秒なんて、今の私でもやっとやっとですが、声楽始めたばかりの我々(キング先生のグループレッスンって、本当の本当の素人さんばかりの集団なんです)には無理無体なわけで、よくレッスン中に酸欠でブラックアウトを起こして倒れそうになっていましたし、たまに倒れかけていました。先生からは倒れる前にやめなさいとは言われていたけれど、ぎりぎりまでやんなきゃ練習にならないじゃん。
 このロングブレスの練習は、レッスンだけでなく、自宅でも必ずするようにと言われて、自宅でもきちんとやっていました(私は基本的に真面目人間です)。自宅では倒れてはいけないので、椅子に座ってやってしましたね。とにかく、息を出し惜しみする練習を徹底的にやったせいもあって、やがて息と声が分離して、息をほとんど使わなくても歌えるようになりました。
 この段階で、普通のクラシック声楽の発声方法とはかなり違いますが、そう教わったので、それを徹底的に追求していったわけです。
 こうして、息を使わない歌唱方法を追求していった結果、やがて歌うたびにノドから血の匂いがするようになり、慢性的なノド痛に悩まされるようになったわけです。たぶん、あのまま突き進んでいったら、ノドを壊して、声を失っていった事でしょう。
 Y先生のところに移った時に、最初に苦労したのが、息と声を連動させる事。つまり、息を吐けば声が出て、息を止めれば声も止むっていう、実に当たり前の事です。これが実に実に難しくて、散々苦労したわけです。腹筋を使って歌うなんて、キング先生のところにいた時には、少しも注意されなかったし、教わりもしなかったからね。
 それでも時間をかけて、少しずつ息が吐けるようになりました。キング先生に習っていた時間よりも長い時間をかけて、ようやく息で歌えるようになりましたが、それは意識的に行った場合の話で、少しでも気を抜くと、以前のように、息を使わない歌い方に戻ってしまいます。三つ子の魂百まで…ではないけれど、最初に身につけた悪い癖は、かなり根深くて、完全に取り除くには、まだまだ多くの時間と気力と努力が必要のようです。
 これでも少しは息を流して歌えるようになったつもりでしたし、「アニュス・デイ」は息の流れが素晴らしいとレッスンの時にはY先生から誉められていたほどでしたが、今回のクラシックコンサートのような、異常事態に陥った時は、こういう悪い癖がむくむくと頭を持ち上げて、すべてをぶち壊してしまうみたいです。クワバラクワバラ。
 とにかく、今後はノドの脱力に気をつけながら、同時にしっかりと息を吐いて歌うように、肝に据えて頑張っていきたいと思ってます。

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