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芸能事務所って、何か変?

 世間のエンタメ系の話題は、吉.本興業で持ち切りですね。まあ、あそこの事務所のやり方は、私のような一小市民から見れば「???」なのですが、ああいうやり方が芸能事務所(それも大手)の普通のやり方なのでしょうね。

 で、今回の件で、芸能事務所の存在(特に企業としての存在)に、一般人も注目をし始めたと思います。で、芸能事務所を企業として考えた場合に、我々一般人から見て、理解しがたい点が多々あるなあと思いました。

 今回は、そんな芸能事務所の理解しがたい点を、報道から知りうる範囲で書いてみたいと思います。まあ、誰得やねんって記事になるかもしれませんが、そこはご勘弁ね。

 まず、芸能事務所って、業種的には、人材派遣業だよね。ただし、登録した人に仕事を紹介するのではなく、専属契約をしたタレントさんに仕事を与えるタイプの人材派遣業なんだわさ。専属契約ってところが、一般的な人材派遣業とは違います。

 で、すごいなあと思ったのは、今回話題の吉.本興業さんって、専属契約をしているタレントさんが6000人(!)もいるんですねってね。すごい、すごい。で、事務所は、その6000人のタレントさんに、きちんと仕事を与えて、ちゃんとお給料を支払っているのかと言えば、全然そうではないのです。これが驚きです。専属契約をしているのに、ロクに仕事を与えていなかったり、ロクにお給料を支払っていなかったりするんです。驚きだよね。

 だから、大半の芸人さんがバイトをして生活費を稼ぐわけだよ。芸能事務所と専属契約を結びながら、バイトをしなきゃ生活できない。そこがまず理解しがたいのです。

 これは吉.本興業さんだけでなく、その他の芸能事務所でも同様らしいのだけれど、まあ、分かりません。

 だって、タレントさんが事務所と専属契約を結ぶって事は、仕事は全部事務所経由で行うという契約であって、その事務所を経由していない仕事はしないって契約でしょ? タレントさんは、事務所経由以外の仕事をしない代わりに、事務所は責任を持ってタレントさんに仕事を与えていくわけです。

 なのにタレントさんがバイトをしないと生活できないという現状は、事務所が契約をまともに履行していないって事になります。専属契約をしている以上、事務所はタレントさんがバイトせずに生活できるように仕事を与え続けなきゃダメだし、もしそれが出来ないなら、そもそもそんなタレントさんと契約しちゃダメでしょ?

 いい例がプロ野球の球団と選手の関係だと思うよ。選手は球団と専属契約を結んで、その球団の一員になるわけです。契約をした以上、選手は球団から衣食住が保証され、給料が支給されます。さらに、契約期間中は、バイトなどせずに、野球に専念します。で、選手として十分な活躍が出来たり、将来性を見込まれたりすれば、契約更新ができ、翌年も野球に専念できるわけです。残念ながら、十分な活躍が出来なかったり、将来性なしと判断されれば、契約解除となり、野球選手から一般人に戻るわけです。

 なぜ野球でできて、芸能ではできないのか? 私は一般人として理解に苦しみます。

 「いやいや、芸能事務所ってのは、仕事をタレントさんに紹介するだけの斡旋業だから、選手の生活を丸抱えする球団とは違うんだよ」

 仕事をタレントさんに紹介するだけなら、専属契約そのものがおかしいでしょ? ごく普通の人材派遣の会社のようにしてあげないと、タレントさんが死んじゃいますよ。

 だって働くタレントさんの側からすれば、生活できるだけの仕事が欲しいのだから、それがある特定の一社から提供される仕事で十分なら、それでいいだろうけれど、そのある特定の一社からの仕事だけでは足りないなら、別の会社からだって仕事が欲しいものですし、個人的な関係で自力で仕事を探してきたりもしたいわけです。一般的な人材派遣業の会社と、その登録者のような関係なら、問題はないと思うのです。

 でも、専属契約を結ぶことで、他の芸能事務所からの仕事は受けられない。自分の個人的な関係で仕事を探してきたら、それは“闇”だと言われるわけです。そこが理解できません。

 きちんと契約を守って、事務所経由の仕事だけで生活できないなら、専属契約そのものが“死の契約”になるわけです。だから、売れないタレントさんたちは、死にたくないから、バイトを含め、事務所経由以外の仕事で食いつなぐわけだ。

 やっぱ、おかしいよ。

 芸能事務所がタレントさんと専属契約を結ぶなら、バイトせずにタレント業だけで食えるようにしてあげなきゃダメだし、闇営業だか直営業だかをせずに済むように、経済的な保証はしてあげる必要があるんじゃないのかな? そうする事で才能のある若手はぐんぐん伸びていくだろうし、逆に、才能がない人には、契約を打ち切って、きちんと早めに引導を渡して上げられるわけでしょ?

 そこが全然ダメだから、中堅からベテランの年齢になっても売れていない芸人さんたちがいるわけで、彼らにだって生活があるわけで、そんな人たちがバイトしたり、闇営業に走ったりするわけで、そこは事務所の営業努力の不足とタレントさんの管理不足だと言えるんじゃないかな? そもそも、一つの芸能事務所で6000人のタレントさんって…絶対に管理していないよね。

 たぶん、事務所にとってタレントさんは、身内や家族ではなく、ただの金づるなんだと思うのです。人間扱いしていないよね。彼らの夢や希望を搾取するだけ搾取して、何の保証もしないわけで、そりゃあ事務所は美味しいよねえ。

 で、タレントなんてただの自社の金づるだから、他社がそのタレントさんを使って儲けるのは腹立たしいわけで、だから自分の事務所から離れたタレントさんには嫌がらせをして、仕事をさせないわけだ。SM.APの3人もCM以外で地上波のテレビにはほとんど出てないし、能.年玲奈ことの.んさんは、テレビも映画も舞台にもなかなか出られないわけだしね。他にもそんな人、たくさんいるわけだし。

 というわけで、芸能事務所って、人材派遣の会社なのに、なんか特殊。ほんと、私のような一般人には理解しがたい存在だと思います。

 そんな契約内容なんだから、タレントさんが反社の人たちから仕事をもらったとしても、本来は文句言えないし、それで契約解除、タレント業を廃業させるってのも、なんかトカゲの尻尾切りみたいで、嫌だなあって思うわけです。

 タレントさんが反社の人を始めとする不適切な人たちの仕事を受けなくても済むように、芸能事務所は彼らの生活保障をするべきだと思います。で、生活保障をした上で、そういう人たちからの闇営業をしたならば、そこで始めて、契約解除になるんだろうと私は思うのであります。

 あ、あと、契約書を取り交わしていないのに、口約束だけで専属契約を成立させるのって、法的には問題ないのかもしれないけれど、それってタレントさんを事務所の言いなりにさせる奴隷契約と一緒じゃないかな? だいたい、ギャラの取り決めとか、仕事の内容とか、休養日に関する取り決めとか一切ないわけじゃない? 私の感覚では、ほんと、信じられないんです。ひとまず、吉.本興業さんでは、今後は“原則的に”契約書を取り交わすことが発表されたけれど、この“原則的”って、どれだけやる気があるのかな?って思います。契約書を交わすのがまず最初でしょ? そういうところも理解し難いなあと思います。

 きっと、まだまだ我々には理解し難い、あの世界特有の商慣行があるんだろうなあと思います。

 そう言えば、タレントさんって、労働組合ってあるの? 無いんだとしたら、まずは労働組合の結成から始めないと、事態は何も打開しないよね。

追伸 一応念の為、固有名詞は単語の中に“.”を打って検索逃れを施しておきました。なんか読みづらくなってごめんなさいね。

 

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コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。

    > 芸能事務所って、何か変?

    某J事務所(バレバレですが)は刑事犯罪はなさげなので細かい話は構いません。
    今話題の吉本興業は国が投資していて某首相は吉本新喜劇の舞台にまで出演しています。
    https://video.mainichi.jp/detail/video/6028403288001

    クールジャパン機構という成果もわからないところから100億という税金が流れています。
    https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/file/180402CooljapanfundApr.pdf

    渦中の吉本興業に「クールジャパン」で巨額の税金が注ぎ込まれていた
    https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190727-00066126-gendaibiz-soci&p=1

    昔の漫才ブームはTVで知っているだけに最近の報道はパンドラの箱が開いた感じです。

    失礼しました。

  2. すとん より:

    tetsuさん

     国と吉.本興業の件は、私も気にはなっています。まだ全容が分からないので書きませんでしたが、あれこれ闇も深そうです。おそらくは、年金問題と同根ではないかと私は睨んでいますが、どうでしょうね。とにかく、吉.本興業は芸能事務所の中でも、あれこれとびきりなんだろうという気がします。

     会社なんて、トップ一人で大きく変わるものです。某Jもこれから変わりますよ。かつてのナベプロのようになってしまうのかもしれません。まあ、それもアリな世界なんでしょうね。でも、吉.本興業はどう変わるのか、私には想像もつきません。

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