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いくら高い音でも中音として歌いなさい

 声楽のレッスンの続きです。曲の練習に入りました。今回から新曲になります。ベッリーニ作曲の「Per pieta, bell’idol mio/私の偶像よ」です。

 ベッリーニの「6つの歌曲」は中声版(原調よりも2~3度低い)で歌っていますので、音域的には無理がない…というよりも楽(中声版は本来はバリトン用の譜面。テノールは原調[高声版]で歌うのが普通です)なのですが、別に高い声を出すのが目的ではなく、歌に関する様々なテクニックを学ぶために歌っているので、これくらいの音域で良いみたいです。それにベッリーニはベルカント時代の作曲家なので、当時のテノール音域(これがやたらと高いんです)で作曲されているとは言え、私にはかなり高いので、中声版が適当…というのは本当の話です。

 まず、跳躍音程の歌い方について。高く飛ぶ前の音の時に、すでに「次は高音に行きますよ」と感じさせるような歌い方をしましょうって事です。つまり、音程はデジタルのように、ビシビシと歯切れよく行くのではなく、常に前の音や次の音を意識し、そこにつながっていくようにレガートに歌って音程を取っていく事が大切なわけです。

 そこで私が何となくイメージしたのが、トロンボーン。トロンボーンのスライドによる音程の取り方に、イメージ的に近いかなって思いました。あと、民族楽器になるけれど、中国の一弦琴? 女子十二楽坊で活躍していた楽器だけれど、これにも近いかなって感じました。

 この歌では“il tuo lo sa”というフレーズが何度か出てきますが、最初に出てきた時の音程が、E♭-D♭-E♭-Fなのですが、E♭とFの間で、私の発声が変わっていて、それは×なのです。Fを高音として狙って出すのではなく、あくまでも中音域の音として特別扱いせずに、4つの音のどれも同じように発声しないといけません。

 最後の“il tuo lo sa”の音程は、D-E♭-F-G♭-(下がって)A-B♭であり、G♭がこの曲での最高音になるわけですが、この音も高音として狙って出さずに、やはり中音域の音として特別扱いせずに、他の音同様に、どこも変えずに出さないといけません。具体的に言えば、Fの音から、よりクチの奥を大きく縦に開き、息を多く送り込む、それだけで全音程度は音程が上昇するので、そうやって歌えばいいのです。決してG♭を狙って、気合一発で出しちゃいけないのです。

 まあ、楽譜を見れば(中声用に低めに転調されている事もあって)このG♭は気合一発で出すように書かれているわけだけれど、それはバリトンさんなら、それもありだろうけれど(バリトンさんにはG♭はかなりの高音であって、合唱バリトンさんならまず使わない高音だしね)、でも私はテノールであって、独唱テノールにとってのG♭ってのは、本来は鼻歌でも歌える程度の高さなわけで、だからこそ、狙って出しちゃダメなんです。

 Y先生的には、すべての音を中音として私に歌わせるために、わざわざテノールの私に中音版の楽譜でレッスンしているわけですから、それを高音として歌っては、学習目的から外れてしまうって話なのです。

 でもね、自分が出せる範囲の音を、高音として狙い撃ちにして出すのって、気持ちがいいんだよねえ…(グチグチ)。

 ともかく、歌曲のレッスンでは、高音は一切使わずに、中音域の発声を充実していきましょうってノリで勉強しているので、私もY先生の方針に従って、高音を封じて歌っていきたいと思います。高音は…オペラアリアの方で頑張ればいいわけだしね。

 …ってわけで、ここまでやってタイムアウト。オペラアリアの代わりに歌う事になった、ビゼー作曲の「Agnus Dei/神の子羊」は次回まわしになりました。

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