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最近(?)ネットで見かける“レスナー”って何?

 ネットで見かける、よく分からない専門用語(?)の話です。

 ピアノ系のブログを見ると“レスナー”という用語が飛び交っていたりします。まあ、すべてのピアノ系ブログではなく、ある傾向を持ったピアノブログで見られるわけですが…たぶん、それらのブログのブログ主さんたちは、きっとお友達関係にあるんだろうなあって思われます。

 ブログは閉鎖空間ではありません。閉鎖空間で友人とだけ話したければ、いわゆるフェイスブックなどの身内しか見ることができないタイプのSNSを利用するべきであって、ブログに書き込むべきではありません。ブログは、世界に発信している開かれたメディアであって、全く知らない第三者が見ることを前提とし、奨励しているメディアですから、そこで“仲良しこよし”をやるべきではありません。

 とまあ、オジサンは苦言をついつい言っちゃうわけですが…、本音では「まあ、好き好きにすればいいじゃん」程度にしか思ってなかったりします。

 それはさておき、第三者である私がそれらのブログを拝見させていただいて感じるのが“レスナー”という用語です。もちろん、ブログ内でレスナーという言葉の定義はないので、文脈から判断するのですが、どうやらレスナーという言葉は…

  lesson + er

 で、レスナーのようなのです。レッスン(lesson)に動作者を表す接尾辞(er)をくっつけているわけです。

 そこで考えるのは…まず“lesson”って何?です。

 辞書を見ると“授業”とか“お稽古”とかを指すようです。まあ、それは私にも分かります。で、それに“er”が付くと、全く分かりません。だって“lesson”って名詞だもの。名詞に“er”は付かないでしょう? 付けると気持ち悪いでしょ? 原語明瞭意味朦朧って奴になります。実際、私程度の英語力の持ち主であっても、違和感を感じるほど奇妙な言葉です。そもそも“er”ってのは、動詞に付いて落ち着くものです。

 日本語にはサ行変格動詞というのがあります。「“名詞”+“する”」という動詞ですね。例えば“授業”という言葉は名詞ですが、これに“する”を付けて“授業する”になれば、普通に動詞になります。名詞に接尾辞をつけて動詞にする事ができるわけです。

 でもね、英語にはサ行変格動詞はないから、名詞に何かをくっつけても、それは動詞にはならないわけです。

 まあ、たぶん、レスナーって、和製英語なんだと思います。つまり、一種の専門用語ね。符牒かもしれない。

 和製英語は日本語だから、それはそれで立派な言葉であって、別にそこに文句を言うつもりはありません。それでも仲間内でしか通用しない言葉を、ネットで書いちゃうのは、実は…。

 レスナーという言葉、レッスンをする人(先生)という意味で使う人もいれば、レッスンを受ける人(生徒)という意味で使う人もいるのです。実は最初のうちはここに気づかなくて、それらのブログを読む度に「???」になっていました。

 ってか、結構多くの人がレスナーを“生徒さん”の意味で使っていてビックリだったのです。

 だって、レッスンをサ変動詞的に考えれば、当然“レッスンをする”になるわけでしょ? それに行為者を表す“er”を付けるなら、その意味は“レッスンをする人”になるわけで当然“先生”の事を指しているのかと思ったら、どうやら“生徒さん”を指しているわけです。

 英語(っぽいカタカナ)で言うなら、先生はティーチャーですね。では生徒は…スチューデント? ピアノの生徒さんをスチューデントと呼ぶのはどうなの?って考えれば、ラーナー? 違うよね。スカラー? もっと違うよね。 ピューピル? なんじゃそれ?

 そんなわけで、レスナーという和製英語が登場しちゃったのかな?って推測するわけです。

 で、なんでそこでカタカナ和製英語が登場しちゃうのかな? “生徒さん”でいいじゃん。そこが分からない。

 ちなみに私が仮にピアノの先生で、英語で自分の生徒さんたちを表現するなら…ピアノ教室の生徒さんって、幼稚園からせいぜい小学生たちでしょ? だったら私は“Puppy”って言っちゃうと思います。パピー…“仔犬ちゃん”だね。恋人を“honey(はちみつちゃん)”って呼んじゃう言語だもの、自分のかわいい生徒たちを“仔犬ちゃん”って呼んでも大丈夫だよね? それともダメ?

 閑話休題。とにかく、レスナーという和製英語に、落ち着きの悪さを感じてしょうがない私でした。少なくとも、和製英語を使うにしても、意味が推測しやすい言葉にしましょう。

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コメント

  1. かれん より:

    lessonが名詞で、名詞に接尾辞「or」をつけること(行為者は「or」で動作者は「er」だそうで)に違和感を感じるというか、それが間違いなのはそのとおりですね。
    名詞につくのは「~ist」でしょ。
    たまに、名詞がそのまま動詞になってる単語もありますが、lessonはそうではないですし。

    まぁ、百歩譲って動詞扱いするとして、「~or」や「~er」は主語側ですよね。「レスナー」は教える側。受ける側は「~ee」。カタカナにするなら「レスニー」?
    どっちにしても変ですね。まぁ和製英語なんてそんなもんでしょうが。

  2. Hiro.MTB より:

    雇用者:Employer
    被雇用者:Employee

    の例から、

    レッスン指導者:Lessoner
    レッスン生徒:Lessonee

    ですかね。それでも文法上おかしい事に変わりはありませんが。

    そもそもレッスンにerをつけておかしいと思わない人たちだから、受ける側をerにしても(その人たちには)問題無いんでしょう。

  3. tetsu より:

    こんばんは。

    時事ネタには思わず反応してしまいます。
    ジョギングさえしないのに今年も出雲駅伝と箱根駅伝予選会をTVで見てしまいました。きれいなんですよね。

    > 先日福岡県で行われた「プリンセス駅伝 in 宗像・福津」でのスタッフの対応です。
    > あれはとんでもない話だと思ってます。

    仰る通りです。
    こちらも後でワイドショーで知りyoutubeで見ました。
    後ろを歩いている審判だか運営側の人間って何してんだろう。監督はすぐ棄権するように指示したらしいけれど伝わった時はゴール直前だったからそのままタスキを渡したとか。スマホもガラケーも持っていないこの人たちって?メチャ怖いです。
    https://www.youtube.com/watch?v=0bw7pG-Hw7c

    同じ日脱水症状で途中棄権した映像があります。こちらも脱水でフラフラで水さえ飲めなくて何回も逆行しているのにその場ですぐに止められなかったようです。アスファルトに頭ぶつけなかったのがよかったくらいです。
    https://www.youtube.com/watch?v=UWVgSmNDZSY

  4. すとん より:

    かれんさん

    >行為者は「or」で動作者は「er」だそうで

     ご指摘感謝、さっそく直しておきました。

     確かに“レスナー”ではなく“レスニー”でしょうが、レスニーでは「なんじゃそれ?」になってしまうと思います。

     和製英語って、数知れずありますが、どれもこれも変なモノばかりです。

  5. すとん より:

    Hiro.MTBさん

    >もレッスンにerをつけておかしいと思わない人たちだから、受ける側をerにしても(その人たちには)問題無いんでしょう。

     音楽を真面目に勉強している人たちって、多かれ少なかれ留学経験があるもので、そういう人たちって言語には結構敏感だったりするわけです。そういう音楽業界の人が、素人でも感じるような違和感だらけの言葉を平気で使っている事に、私はさらに違和感を感じたりしています。

     外部からアレコレ言っても、無理無駄な話であって、仲間内で「これ可怪しくない?」って発言があって訂正されて然るべきだと…門外漢としては考えるわけです。

  6. すとん より:

    tetsuさん

    >後ろを歩いている審判だか運営側の人間って何してんだろう。監督はすぐ棄権するように指示したらしいけれど伝わった時はゴール直前だったからそのままタスキを渡したとか。

     これ、私も聞きました。一介の審判の立場で、選手の安全を無視し、監督の意思を握りつぶした…って事でしょ?だから私は、その大会運営者たちに怒りを感じているし、これがまかり通る駅伝業界を恐ろしいと感じています。

    >スマホもガラケーも持っていないこの人たちって?メチャ怖いです。

     通常、こういう審判さんたちはトランシーバーを持っているはずだし、実際、その左手にはスマホが握られていました。まあ、スマホは持っていても、当該選手のそばに今現在いる審判は誰なのか?なんて、本部役員にはリアルタイムでは分からないでしょうから、スマホの所持は意味ないでしょうが、だからこそのトランシーバーでしょ? トランシーバーなら、本部から一斉に連絡が行くわけで、すぐに審判たちが動けるわけです。それをしなかったと言うのは、誰かが監督の指示を握りつぶしたってわけで、大会本部の複数の人たちが、選手の安全を軽視しているってわけでしょう。

    >同じ日脱水症状で途中棄権した映像があります。こちらも脱水でフラフラで水さえ飲めなくて何回も逆行しているのにその場ですぐに止められなかったようです。

     こちらもヒドい話です。結果的に棄権していますが、危ない状態になったら、即座にドクターストップがかかって当然な事案だと思います。こちらは監督さんがどういう動きをしたかが分かりませんから、一概に大会運営者ばかりを責められないとは思いますが、大会本部にドクターはいないのかしらね? いないんだとしたら、人命軽視と言われても言い返せないと思います。

     とにかく、駅伝、怖いスポーツです。優秀な選手は、潰されかねませんから、なるべく関わってほしくないなあって思います。

  7. tetsu より:

    こんばんは。

    たまたまwebでニュースを見ていたら次の記事にあたりました。

    「がんばる。こんなにも応援してくれる人がいるから」~原裕美子さん摂食障害と事件について語る
    https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20181103-00102538/

    生理が来ないと疲労骨折にもなりやすい、とか摂食障害のため両奥歯は全部インプラントとか、初めて聞く話です。
    専門家によればたくさんこういう方がいるとかで、大変な業界です。

  8. すとん より:

    tetsuさん

     周りの人がクズ過ぎる…と言ってはいけないのでしょう、みんな真面目で真剣なのだから。でも、ちょっとヒドイなあと思います。若い人を育てる大人たちがダメだって思いますが、この業界、これが普通なんでしょうね。怖い世界です、自助努力だけではマトモな業界にはならないのだろうと思います。それゆえに、そういう内情をもっと世間に知らしめていき、これからの子どもたちはもっと良い環境で学べるようになるとよいですね。

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