アルテ…アルテスとも言います。フルートの代表的な教則本の一つ。著者はアンリー・アルテスで、著者名からアルテ/アルテスと呼ばれています。多くの人が使っている黄色い表紙のアルテは、JFC版のアルテで、通称『黄色いアルテ』と呼ばれ、かなりローカライズされています。そこを嫌う人は、原著を素直に翻訳したシンフォニア社の通称『白いアルテス』を使用する傾向があります。
私が最初に学んだ教則本が、この『黄色いアルテ』です。皆さんも、たぶんそうでしょ?
少しばかり古い教則本なので、色々と問題があるようだし、現代奏法には対応していないのだけれど、アルテには根強い人気があります。個人的には、エチュードなのに、美しい曲が多いというのが、その理由かな?って思ってます。あと、レッスンが先生と生徒のフルート2本で進むというのも良いかもしれません。これがピアノ伴奏とフルートだと、フルートの先生って、必ずしもピアノが得意というわけではありませんから、困ってしまいます。なので、フルート2本でレッスンが出来ると言うのは、何かと都合が良いのでしょう。
別の言い方をすれば、先生に付いて学ぶには良いけれど、フルート2本が前提になっているので、独学には向かない教則本だとも言えます。
よく問題にされるのが、黄色いアルテのローカライズされている部分です。ローカライズの内容は、基本的に練習課題の増補です。つまり原著にあるエチュードに、訳者である比田井洵氏が(よかれと思って)あれこれ付け足しているわけです。それもちょっとやそっとというレベルではなく、実にたっぷり付け足しているわけで、黄色いアルテは、原著のアルテスとはかなり違った教則本になっているんだそうです。
だいたい、黄色いアルテの後半は、アルテじゃなくて、ガリボルディのミニヨン・エチュードだし…。
これは私の個人的意見だし、私は黄色いアルテで育ったから…というわけじゃないけれど、私はアルテのローカライズされた部分をありがたく思ってます。と言うのも、アルテって難しいんですよ。エチュードとエチュードの難易度の上昇度が結構半端なくって、ちょっとの練習で、ガンガン難しい曲に移っていきます。なので、私的には、ローカライズされて、原著にないエチュードが付け足された事で、難易度の上昇が多少なりとも緩やかになり、それで私も落ちこぼれずに学べた…と思っています。いやあ実際、アルテって難しいですよ。
まあ、余計なものが付け足されたおかげで、終了するのに時間がかかる…とも言えます。
原著に近いとされている白いアルテスは、終了までにだいたい1年かかるんだそうです。でも私は黄色いアルテを終えるのに6年かかったよ。特に時間がかかったのは、最終課である15課ね。白いアルテスだと、15課は1ページだから、下手すると1回のレッスンで終了だけれど、黄色いアルテスだと、15課が20ページ、その後のミニヨンエチュードが約20ページで、私の場合、そこだけで3年という年月を使っています。1年と6年も差が大きいけれど、1回と3年では、その差が大きく違いすぎるよね。
私個人の資質の問題もあるけれど、かようにローカライズされた黄色いアルテは終了までに時間がかかるんです。でも私は好きだな。皆さんも好きでしょ? アルテ。
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コメント
お久しぶりです。
やっと歯の治療が終わり、1年半振り(くらいかな?)にフルートのレッスンを再開しました。
私、アルテの1巻は黄色いのを使いました。15課は、大変苦労しました。確か、15課だけで3年くらいかかった覚えがあります。
2巻目も当然黄色いのを買って…中を見たら途中からデュエット譜が無いページがある事に気づき、慌ててシンフォニア版の白いアルテを買い直しました。先生のパートが載っていないと心の準備ができないので(笑)
ただ白いアルテは両パート載っている分、ページ数が増えるので譜めくりがちょっと面倒ですけど(^^;
現在アルテの28課。月1回のレッスンなので、2巻卒業は一体いつになることやら~。
フルートについてのあれこれを読んで、私ってば本当に衝動で総銀桜子を買っちゃったんだなーと反省しました。
桜子ってば総銀なのにメッキちゃんだし、キィに穴があいているので押さえるの難しいし、もっと事前によーく勉強していたら違った選択をしたかもしれません。
でも、後悔は全くしてないんですけどね(^^;
買って9年経ちましたが、今も大好きです♪
やこさん、お久しぶり。
やこさんは、もうアルテの2巻ですか、ちょっとうらやましいです。私は、アルテ1巻が終わったところで、寄り道をしています。ウチの先生の方針で、アルテ1巻からアルテ2巻の間に、エチュードを3冊はさむ事になっていて、そのエチュードが終わらないので、まだアルテ2巻に入れないのです。
私がアルテ2巻に入るのは…早くても10年ぐらい先の予定です、ふう。
>中を見たら途中からデュエット譜が無いページがある事に気づき、
らしいですね。ですから、ウチの門下では、アルテ1巻は黄色いアルテを使いますが、2巻以降は白いアルテスを使うことになっています。
今回の連載では、結構好き勝手に書き散らしてしまったので、気分を害される方もいらっしゃるかな…と思いつつ、でもこれが私だからごめんね…という気分で書いちゃいました。もしも、気分を害された方がいらっしゃったら、ほんと、ごめんね。
でもまあ、なんであれ、愛しい我が愛器ってヤツです。私も、自分のフルートのツンデレ具合には、ほとほと手を焼いていますが、それでも愛しいものです。後悔はしていませんが、たまに別の選択があったかもなあ…と思わない日がないでもないです。
でもたぶん、また同じようなシチュエーションになったら、同じような楽器を選んじゃうんだろうなあって思いますが(汗)。