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アニメ声とイケボ

 私もアマチュア歌手の端くれなので、声については、いつもあれこれ考えています。

 私がいつも感心しているのは、最近の声優さんたちの凄さです。何がすごいって、彼ら彼女らはアニメでは、いわゆるアニメ声でアフレコをしているわけですが、そのアニメ声でキャラソンも歌っているわけで、こりゃあすごいなあと感心しているわけです。

 アニメ声って、ざっくり言っちゃえば,作り声なわけで、作り声って、たいてい声域が狭いし、声としてのコントロールが難しいのに、そんな作り声で普通以上の上手さで歌っちゃうんだから、声のコントロール能力がすごぶる高いなあ…って思うわけです。

 さすがプロだよなあ、見事だよなあ…。声のコントロール能力に関しては、ほんと、見習いたいものです。

 我々、クラシック系声楽の人だって、歌う時の声は話し声とは違うわけで、ある意味、作り声で歌っていると言えなくもないわけですが、それはあくまでも歌用の作り声なわけですが、いわゆるアニメ声は歌うための作り声ではないわけで、それを考えても、声優さんはすごいと思います。

 でも、アニメ声はいただけないし、マネしない方がいいです。少なくとも、アニメ声とクラシック系声楽の相性は良くないです。

 と言うのも、アニメ声の出し方って、クチの中をなるべく狭くして、息もなるべく多く鼻腔を通して(ってか口腔へはあまり息を通さない)、息漏れの多い声で、滑舌悪く舌っ足らずな感じでしゃべる事で出している声なんですよ。アニメ声は別名“ロリ声”とも言うわけで、オトナが幼女の声を真似して出している声なんですね。そりゃあ、声楽との相性悪いです。

 アニメ声はいただけませんが、アニメにはもうひとつアニメ特有の声があります。それは、イケボと呼ばれる声です。

 イケボというのは、イケメンヴォイスの略で、かっこいい男声の事を言います。これはおそらく、女声のセクシーヴォイスに相当するものだろうと思います。

 イケボの特徴は、低くて若々しくて吐息混じりの声…なんだそうです。吐息混じりはいただけませんが、低くて若々しいのは、確かにかっこよいですが、クラシック声楽的には…おそらく「まだ声が熟成していないバリトン」あるいは「高い声が全然出ないテノール」って扱いになってしまうかな…とも思います。ハイバリトンにすら成らないと思います。

 と言うわけで、アニメに特徴的な、アニメ声にしても、イケボにしても、クラシック声楽とは相性が良くない事が分かりました。

 でも、アニメ声にしてもイケボにしても、日本人には人気の高い声なんですよね。だから、アニメで受けるし、この種の声の声優さんがたくさんいるんです。逆に、クラシック声楽系の声なんて「オペラっぽくて、おおげさで」というイメージで捉えられがちだし、しばしばお笑いネタにさえされちゃうわけで…一般人に対しては受けが良くないなあ…なんて思ったりもします。

 だから何だと言われると困るのだけれど、日本人が好む(?)声と、声楽で美しいと呼ばれる声って、全然違うんだよなあ、ちょっとショックだなあ…って話です。

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コメント

  1. アデーレ より:

    アニメ声の方、つまり声優さんはハイソプラノが多いみたい。訓練したら夜の女王のアリアとか歌える人ゴロゴロいるかもね、そのくらい高い声で。お尻かじり虫の彼女も凄い声よね、夜女歌えるかな、お尻かじる虫より、良いんじゃない?

  2. すとん より:

    アデーレさん

     先日、声楽のY先生と話していたところ、日本人の歌手は、アマチュアを含め、夜の女王が歌える人がたくさんいるんだそうです。もちろん、これは人種的な特徴が原因なんだけれど、日本人女性って欧米人女性と比べても、声が高音寄りなんだそうな。なので、アニメの声優さんに限らず、探せば、たくさん、夜の女王候補がいるんじゃないかしら。

     ちなみに、ウチの妻も、夜の女王は歌いますよ。

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