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LFJ2018 その4 アラカルトなコンサートも楽しいものです

 さて、お昼です。昼食です。パソナは日本橋にあるので、どこででも昼食くらいは食べられるのですが、無料でコンサートを楽しませていただいているので、せめて昼食代くらいはパソナに落としていきましょうというわけで、同じフロアにある売店で昼食を購入して食べることにしました。

 私が購入したのは、ケバブサンドとトルコライスです。ケバブサンドはピタの中にケバブを入れたもの。トルコライスはご飯の上にケバブを乗せたもの。要は、パンかライスかの違いだけで、基本的に同じものです。ケバブというのはトルコの郷土料理で、ラム肉の薄切りを焼いたものに、各種生野菜(タマネギ、トマト、レタスなど)を、謎のソースであえたものです。いわゆるエスニックな料理であって、好き嫌いはあると思いますが、私は割と好きな味です。

 パソナって本社ビルの中で農業をやっている事ある関係するのかどうかは分かりませんが、とにかく売店の食事が美味しいんですよ。ラム肉も美味しいけれど、野菜が美味しいんです。まあ、その分、お値段は日本橋価格なんだけれど、ミュージックフィー込みだと考えれば、タダみたいな値段です。

 で、昼食終わりの午後の一発目のコンサートは、パソナ・ミュージックメイト・コンサートで、パソナで働きながら音楽活動をしている音楽家の方々のアラカルト・コンサートでした。

テノール独唱

 テノール:田中 尚志

 1)ビゼー作曲:「真珠採り」より「耳に残るは君の歌声」

 私にとっては、本日の午前中のメインイベントでした。テノールの歌唱、それも難曲中の難曲である“真珠採りのアリア”です。これは期待値がぐんぐん上がります。

 で、思った事は、やはりこの曲を歌うには、聖別されたノドが神様から与えられていないと難しいのかな…って事です。実はテノール氏、話し声(つまり地声)がかなり高いのです。ほぼ、女性と同じで、テノールと名乗っていらっしゃるけれど、音域的には、ほぼメールアルトではないかしらという程でした。なので、この曲の高音(並のテノールでは、たとえプロであっても歌えません)を実に軽々と歌っていらっしゃいました。いやあ、実に見事なんです。本当にうらやましいです。

 私も地声は、男性としては比較的に高いのですが、それでもやっぱり男性音域ですから、並か、並以下のテノールでしかありません。この曲が歌える日が来るとは、到底思えません。

 ちなみにテノール氏の高音の出し方なんですが、一度ファルセットで入って音程を掴み、そこからグイっと実声に持っていくやり方をしていました。いわゆるアクートとは違うのですが、この曲に合った実に美しい発声です。こういう発声もアリなんだなって思いました(まあ、私には出来ませんが…)。

 この素晴らしいテノール氏の難をあえて言えば…中低音が弱い事かな? 高音を気持ちよく発声する一方、中低音、とりわけ低音は出しづらそうでしたし、時折???って思う瞬間もありました。高音に特化したテノールなんだなっと思いました。でも、やはりあの高音は、値千金だと思います。

フルート二重奏

 フルート:三浦 千佳,武田 早耶花
 ピアノ:大久保 愛

 1)ケーラー作曲:「花のワルツ」

 使用フルートは、おそらく、お一人がプラチナメッキで、もうお一人が14金だと思います。14金の音は、密度の濃い、硬いけれど柔らかな音でした。プラチナの方は、太めで華やかな感じで、この音の違いって、やっぱり素材よりも奏者の違いかなって思いました。だって、一般的には14金って華やかな感じの音だろうし、プラチナってのはどっしりした感じの音になるわけじゃない。そういう意味では、このお二人はそれらのイメージとは多少違う音色だったわけだし…。とは言え、お二人とも、実に美しい音でフルートを奏でていました。楽器って、なんだかんだ言っても、美しい音色であるべきで、美しければ、もうそれだけで十分って部分はあるわけです。至福の時間でした。

ピアノ独奏

 ピアノ:室井 悠季

 1)バーバー作曲:「ピアノ・ソナタ」第4楽章

 たぶん、始めて聞く曲です。そもそもバーバーという作曲家が、私の守備範囲には無いわけだし、そもそもピアノ・ソナタという音楽ジャンルが、私の守備範囲には無いわけだし…。たぶん、ピアノ音楽好きには、好かれるだろうなあって感じのソナタでした。

クラリネット独奏

 クラリネット:丸木 一巧

 1)サン=サーンス作曲:「クラリネット・ソナタ」 第4楽章

 クラリネットの音色は美しいです。フルートよりも、太くて、低音の響きは本当に豊かです。フルートが女声的な楽器ならば、クラリネットは美しい男声を模しているのだろうと思われるほどです。曲がどうこうと言うよりも、クラリネットの音色に酔いしれました。

ヴィオラ独奏

 ヴィオラ:秀岡 悠太

 1)ヴォーン・ウィリアム作曲:「グリーンスリーブスによる幻想曲」

 ヴィオラ、渋い! この曲は、そもそもが小編成オーケストラ…ってか、弦楽合奏+ピアノ+フルートという編成の曲で、それをヴィオラ用に編曲しているわけで、ヴィオラじゃなきゃ演奏できないという曲ではありません。実際、独奏曲として演奏するなら、ヴァイオリンでも弾けるだろうし、チェロでも弾けると思いました。そう思わせるのも、ヴィオラの音色が、時にヴァイオリン的であったり、時にチェロを彷彿させるような音色だったりしたからであって、両者の良いところどりであって、それがヴィオラという楽器の特徴なのかもしれないけれど、じゃあヴァイオリンのような華やかさがあるかと言えば無いし、チェロほどの深みも無いわけです。そこがヴィオラの辛い所なんだろうなあって思ってしまいました。渋いだけじゃ、物足りないんだよね。ああ、残念。演奏そのものは見事なんですが、やっぱりヴィオラって、独奏楽器としては、物足りない楽器なんだよなあ…。

 という訳で、続きはまた明日。

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