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ノド声だって捨てたモノじゃない? その2

 前回の記事で、ノド声と響きで歌う事は、連続していて、要は程度の問題であると私は書きました。

 ですから、一方的にノド声が悪くて、響きで歌うことは手放しで素晴らしいのかと言えば、必ずしもそうとも言えないのかもしれません。なにしろ、両者は本質的に同じモノですから。

 さて、今回はノド声と、響きで歌う事の、それぞれの長所と欠点について考えてみましょう。

 まずは、分かりやすく、ノド声の欠点から参りましょう。

 ノド声にはたくさんの欠点があります。基本的に大きな音量では歌えないし、高い音も低い音も出づらいです。また美しくもありません。それを無理に大きな音量で歌おうとしたり、高い音や低い音を出そうとすると、ノドに過剰な負担がかかります。長く続けると、ノドが壊れて、歌えなくなってしまうかもしれません。だから、一般的にノド声歌唱は良くない歌唱法であるとされます。

 でもね、歌の発声法としては、かなりダメなノド声歌唱ですが、このダメな歌唱で歌っている人もそこそこいます。そういう人って、ノド声で歌い続けることで、ノドを強くしてしまった人であり、この人が響きのテクニックを体得したら、かなりの音量で歌えるようになるし、高い音も低い音も歌えるようになります。ノド声発声は、健康的な発声方法ではありませんし、一般的には薦められない歌唱法ですが、これができる人って、実はかなりの才能の持ち主かもしれませんね(笑)。

 あと、感情豊かに歌おうとすると、どうしてもノド声の要素を強めにする必要があります。人の感情って、キレイゴトばかりじゃないですからね。時にはノドをふりしぼったり、ノドを締め付けたりなどの悪声で歌わないと表現できない感情もあるわけです。

 人間だもの、いろいろあるよね。

 と言うわけで、響きで歌う事の欠点として、響き中心の歌声では、これら人間的な感情を込めづらい発声であるという事になります。

 これは一方、感情抜きの歌…宗教歌などにふさわしい発声法と言えます。響きを中心にした発声は、世俗を離れた天使のような声になるわけで、教会などでは、この手の声こそが音楽にふさわしいと言えます。そして逆説的に言えば、響きを中心とした歌い方が是とされてきた理由の一つに、歌というものが教会音楽として発展してきた事があげられます。響きを中心にした唱法は、神を賛美する唱法と言えるわけです。

 さて、響きで歌う事の長所はたくさんあります。まずはカラダに負担の少ない発声方法であり、健康的な発声方法であるという事です。発声方法を正しい正しくないで区別するなら、響きで歌う唱法は、正しい歌唱法であると言えると思います。

 そもそも持ち声がさほど豊かでない人であっても、響きを中心に歌うことができれば、人並みの声で歌えるでしょうし、逆に言えば、響きを中心に据えた歌い方で歌わなければ、声に恵まれていない人は歌うことが出来ないとも言えます。

 結論から言えば、長所短所を色々考え合わせてみるならば、ノド声で歌うよりも、響き豊かに歌った方が絶対に良いし、それが正しい歌い方であると言えます。

 しかし、だからと言って、今現在ノド声で歌っている人は、落ち込む必要はありません。なぜなら、これから響きで歌う事をマスターすれば、かなり豊かで恵まれた歌声をゲットできるからです。

 逆に、今現在、響きで歌っている人は、自分が正しい発声をしていると安心していると、やがて表現で壁にぶち当たるようになるかもしれません。その時に、発声方法は崩さずに、いかに声に感情を込めていけるかを考えていかないといけません。

 なんか、話がうまくまとまらなかったけれど…勘弁してください。

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コメント

  1. ドロシー より:

    すとんさん、こんにちは。
    私も多分、喉声なんだろうな、と思いますが、では喉に力を入れないように「脱力」しようとすると「体を使っていない」と言われたりします。
    「響きがない」「音色が美しくない」確かにそうかもしれません。
    でも、響きで歌うって、どうすれば良いのでしょうね。自分に聞こえる声は美しくても、他人はそうは聞こえていないはずです。
    本当は、正しくない歌い方をしている時点で、先生が曲を止めて、正しいやり方ができるまでじっくりと付き合ってくれればなと思うのですが、本番が近いやら何やらで曲を完成させることを優先させてしまい、おざなりになってしまうのが現実なのかなと思います。

  2. すとん より:

    ドロシーさん

     すべての人の歌声は“ノド声”ですけれど、声における響きの割合を多くして、ノドを守りながら歌えればいいと思いますよ。

     ノドの脱力は、それだけを考えると難しいと思います。それにノドを本当に脱力しちゃったら声出ませんし、声を出せるようにしながらノドの脱力(と思しき行為)をすると「カラダを使ってない」って言われるわけで…難しいです。

     私が思うに、ノドの脱力に集中するからいけないのであって、それ以外の部分に意識を向けることで、自然とノドへの(思いが薄くなり)負担が軽くなるんだろうと思います。例えば、今の私は、ノドの脱力ではなく、腹筋をグイグイ動かす事と、口腔内の容積をマシマシにすることに集中していますが、これが結果的にノドの脱力につながっていると思います。

    >響きで歌うって、どうすれば良いのでしょうね。

     音叉で考えれば…共振共鳴を行う容器の容量を(ある程度まで)増やす事で響きは増えます。つまり、口腔内の容積を増やすことと、ノドやハナへのフタはしない事(で鼻腔や下咽頭部が使える)が大切かなって思います。後は、それらの響きをどこら辺でするかとかで美しさが決まってくると思いますが、そこらは個人によって違うでしょうから、試行錯誤が必要かなって思います。

    >先生が曲を止めて、正しいやり方ができるまでじっくりと付き合ってくれればなと思うのですが、本番が近いやら何やらで曲を完成させることを優先させてしまい

     分かるし、先生としては当然の行為だと思います。多少発声的にダメでも、破綻なく歌える方が、本番で恥をかかずに済みますからね。リスクマネジメントとしては、当然でしょう。そういう点では、本番の回数を減らして、本番を意識しないレッスンを増やすことで、発声とか声楽の基礎トレーニングなどをしてもらえるのではないかと思います。

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