新聞販売店って、事件を取材して記事を書いて新聞を実際に作って印刷している新聞社の事ではなく、新聞社から届けられた新聞を、地域に宅配をしている地元密着の新聞屋さんの事です。
その新聞販売店が、数年前からバンバン潰れていませんか?
と言うのも、ウチのすぐ近所にあった朝日新聞系の大きな新聞販売店が先日潰れて…ってか、地域から撤退してしまいました。それで思ったのですが、その少し前に、読売新聞系の別の新聞販売店も、毎日新聞系の別の新聞販売店も、ウチの近所から撤退していました。産経新聞系は、本当にウチの近所にあったのですが、そのもっと前に撤退しちゃっていた事も思い出しました。
どうやらもう、ウチの近所には新聞販売店って奴が無くなってしまったようです(驚)。
まあ、ウチは新聞をだいぶ前(20年ぐらい前からかな?)から取っていないので、新聞販売店が潰れても、全然困らないのですが、近所で新聞を取っている家は、近所の販売店が無くなってしまったために、遠方の新聞販売店から届けてもらっているようです。まあ、顧客側からすれば、どこから届けられているにせよ、きちんきちんと毎朝新聞が届けば文句はないでしょうが、配達する側からすれば、他店の販売エリアを受け入れるというのは、労せず契約数が増えるわけで、増収になるけれど、その分、販売エリアが広がって、労力が余計に増えることになります。単純計算で言えば、距離で2倍広がったなら、それって広さでは4倍になるわけだから、仕事量は格段に増えるわけです。とは言え、採算割れを起こすような地域だから元の店が潰れちゃったわけで、そこを引き継いでも、あんまた旨味はないかもしれないし、だいたい地域が広がった分だけ(配達員を増やして)人件費も増えるし…どうなんでしょうね。
潰れた販売店も大変だけれど、その仕事を引き継いだ新聞販売店も楽じゃないね。
私がまだ学生だった頃、友人の一人が新聞奨学生でした。早朝…と言うよりも、深夜に出勤して、折り込み広告を新聞にはさんで、それを小脇に抱えて、スクーターに乗って、一軒一軒配達していくわけです。冬などは、夜明け前に配達を含めたすべての仕事を終えるわけで、当時の私は朝が苦手だったので、そんな重労働を淡々と毎日こなしていた友人を心の中から尊敬していたものです。
新聞販売店って、新聞社から送られてきた新聞を配達&集金する事と、配達する新聞に折込広告を入れて広告代を得る事の、2つの仕事で収入を得ているそうですが…新聞そのものが契約してもらえない時代になってきたので、配達する新聞数も減ってきたでしょうし、配達する新聞が減れば、そこに挟む折込広告も減ってしまうわけで、新聞販売店的には、かなり大変な事なんだろうと思います。
でも新聞が契約してもらえないのも…無理はないと思います。事実、ウチは新聞、取ってないしね。
今更、新聞の時代じゃ無いでしょ! だって新聞って…情報遅いからね。今やニュースは、速報ならネットで、一通りのニュースなら、テレビで知ることができます。ニュース解説だって、ネットをググれば、それなりに深く知ることができますし、テレビにも池上彰氏のようにニュース解説専門のタレントさんだっているわけだし…ね。
有料で遅れた情報を届ける新聞よりも、無料で最新の情報を画像や動画付きで見ることの出来るテレビやネットに人々が流れるのは…そりゃあ当然だよね。その上、昔ならともかく、今や新聞にも嘘やデタラメが掲載されている事は、万民が知る所だしね。そういう点では、新聞ってオワコンだなって思います。
そんなオワコンな新聞に頼り切っている新聞販売店って、切ないなあ…って思うわけです。
そう言えば、新聞販売員って人がいますよね。山のように、洗剤とか食用油とか野球のチケットを持ってきて「一ヶ月でいいので、契約してください!」としつこく迫る人ね。新聞の契約費よりも明らかに高額なおまけを持ってきてますが、あれって商売になるのかしらねえ? ウチは洗剤も食用油も、自分セレクトがあるので、販売員が持ってきたモノなど欲しくもないし、野球も興味ないし、それ以前に、モノで釣られるというのが、なんとも情けなくて、それで新聞を取らなかったのです。
もっとも、手ぶらで契約にきても契約したとしても、結局、新聞って、取っていると新聞紙が溜まるんだよね。あれって始末に困るじゃない! だから、なんだかんだと言って、やっぱり新聞は取らないんだね。
で、新聞を取らない生活をしていて、困ることって…あまりないです。折込広告がないので、近所のスーパーの安売りがどうなっているかが分からない事と、折込広告と一緒に配られる、地域のミニコミ紙が読めない事が困ることかな。でもまあ、スーパーに安売り目当てで行くことはまず無いし、ミニコミ紙が読めないのは…実は結構困るけれど、まあそれは諦めるしかないと思ってます。
時は流れ、時代は移り、社会の仕組みも人々の生活も変わっていきます。それにともない、商売にも流行り廃りはあります。新聞販売店って、昔は景気が良かった業種(なにしろ地域独占だし再販制度で守られているし…ね)のようですが、今や未来のない仕事の一つだと思います。やがて新聞の宅配は廃れ、人々は必要に応じて、コンビニで新聞購入するようになると思います。
そうだ、新聞販売店がつぶれないためには…副業でコンビニをすればいいんじゃないの? コンビニも新聞も深夜営業が当たり前だし、地域密着という点でも同じだし、労働力として若者をたくさん抱えているって店も同じでしょ? 案外、新聞販売店とコンビニって、親和性が高いんじゃないの?
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コメント
すとんさん、こんにちは。
新聞販売店、確かに苦境ですね。
特に地方は出歩いて買い物ができない「買い物弱者」のために、何か注文を受け付けて配達するようなビジネスに転換した方が向いているような気がします。
コンビニは、悪くないアイディアだと思いますが、どうかな。アルバイトの業務範囲がものすごく広いですし、食品販売は許認可がありますしね。本部への加盟金とか店舗改装、設備導入を回収できるかって、ところですね。
うちの近所の販売店は健在ですが、広告が少なくなりました。
ユ○クロのチラシは入りません。自治体の広報は、新聞折り込みから係員配布と駅置きに切り替えられましたから、痛手なのではないでしょうか。
ユニ○ロのチラシは、会社の新聞(自宅で取っている新聞とは違う)には入ってくるし、チラシの種類も多いので、取扱手数料の問題かもしれませんが…
単身世帯が増えてくれば、新聞はさほど必要ではないかもしれません。
テレビでも、昔よりニュース番組が増えていますから、知りたければそれを見ればいいし。
ただ、私は文章を読むのが好きなのです。
コラムや、旬の話題のコメント。そういうのは紙ベースでないと、と思うのです。
ドロシーさん
>特に地方は出歩いて買い物ができない「買い物弱者」のために、何か注文を受け付けて配達するようなビジネスに転換した方が向いているような気がします。
今はネットスーパーってのがありますね。ウチも妻が足を怪我していた時は、よく利用しました。でも、本当の地方だとネットスーパー自体がないかも。
昔は、御用聞きという人たちがいて、自宅まで注文を取りに来る人たちがいたし、新聞のみならず、牛乳とかも宅配をやっていましたね。夕方になると豆腐屋や魚屋、地域によっては八百屋などが自転車でやってきて路傍販売していました。でも、それらもいつの間にか見かけなくなりました。昭和の時代は、販売をする側が客の方まで出向くのも普通でした。平成の今は、客が店まで足を運ばないと、何も買えない時代になってしまったのかもしれません。
いくらネット通販が盛んになっても、ネット通販では生鮮食料品は買えませんからね。
今の時代に即した、買い物弱者を相手にしたビジネスモデルが出来れば、案外いい商売になるかもしれません。
ともさん
>自治体の広報は、新聞折り込みから係員配布と駅置きに切り替えられましたから、痛手なのではないでしょうか。
ウチの地区では、自治体の広報は、確かに以前は新聞折込での配布でしたが、今は、町内会経由の配布と、駅ははじめとする公共施設での配布に切り替わりました。新聞の折込で配布すると、新聞販売店に経費を支払わないといけませんが、町内会経由や公共施設でのは配布なら、経費は全くかかりませんから、世知辛い今の世の流れからすれば、当然の変化なんだと思います。
>コラムや、旬の話題のコメント。そういうのは紙ベースでないと、と思うのです。
分からないでもないです。ニュースを報道するという点においては、新聞のオワコン化は否定できませんが、コラムをはじめとする、読み物的な記事…はっきり言っちゃえば、日刊雑誌としての役割は、まだまだ需要があると思います。
日刊雑誌的な新聞と言えば、スポーツ紙や夕刊紙がそれに当たります。まあ、宅配をしないわけではないけれど、いずれも駅やコンビニでの販売に力を入れていますから、これからの新聞は、こういうスポーツ紙が生き残っていくのかもしれません。
それはそれでいいかも。