もはや、ラーメンとカレーは和食じゃない？

　ラーメンは中華料理で、カレーはインド料理って事になっているけれど、中国人がやっている中華料理店で食べるラーメンと、いわゆるラーメン屋のラーメンって、ほぼ別の料理だよね。さらに家庭で作るラーメンはお店のラーメンとはだいぶ違うし、カップラーメンが中華料理だなんて言ったら、きっと中国人は否定するよね。

　カレーライスについても同じような事は言えて、インド人がやっている店で食べるカレーと、ファミレスとかで食べるカレーはだいぶ違うし、蕎麦屋のカレーなんて、あきらかに違う料理でしょ？　いわゆる家庭料理のカレーライスは、かなり違うよね。

　つまり、ラーメンにせよ、カレーライスにせよ、元は中華料理であったり、インド料理であったのかもしれないけれど、それを日本人がローカライズさせた結果、今や本家のそれとは、かなり違う料理に変化してしまい、もはや別料理と言ってもいいくらいの変貌を遂げてしまったと、私は思います

　なので、日本で普通に食べているラーメンとカレーは、和食に仲間に加えてもよいのではないかと思います。

　もちろん、伝統的な、料亭で食べるような和食とはかなり違いますから、そこの仲間に入れろとは、さすがに思ってません。なので、ニュー和食と言うか、現代和食と言うか、そういう新しいジャンルを作ってあげるというのも良いのではないかと思うし、少なくとも家庭料理としては、完全に定着したと思うんだよ。

　他にも、ニュー和食に入れてあげたい料理としては…トンカツでしょ？　唐揚げでしょ？　牛丼でしょ？　ライスバーガーでしょ？　一部のスパゲッティ（ナボリタンとかタラコスパゲッティとか、スープスバゲッティとか…ね）でしょ？　ルーツが外国料理ってだけで、大きくローカライズされて、もはや本家とはだいぶ遠ざかってしまった料理なんて、たくさんあるわけです。

　そもそも、今や和食の代表格として鎮座している天ぷらなんて、元を正せば南蛮料理でしょ？　オリジナルは野菜のフライだよね。

　こう考えてみると、我々日本人の食生活って、庶民レベルでもだいぶ豊かだよね。新しい料理が次々と生まれてくるのは、豊かさの証だよね。